2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧
笠井潔氏著。もう15年も前のミステリィ。何年か前に初めてこのシリーズを読んだ時は、探偵役である矢吹駆のもったいぶった何を言っているのかさっぱりわからない話ぶりにどん引きして、読むのをやめたのですが今改めて読むと、これがなかなか面白かったです…
森博嗣先生の最新シリーズ。個人的には、最高傑作。一人の侍が、剣の強さとは何か、生きるとは何か、といったことをつらつらと考えながらあてどなく旅を続けていく。いつもはミステリィや飛行機といった、自身の経験上で書けるような作品が多かっただけに、…
もう何十年も前に出た本のようだけど、内容がまったく古びていない。本質的な事というのは、時の流れに関わらず今も色々な事を教えてくれる。たったの60Pという驚きの薄さを実現した本だけれども、言っていることは非常に普遍的で、核心をついている。素晴ら…
著者は森鴎外、小説。ほんの100Pほどの短いお話。ひとりの人間の、性欲的生活を綴ったお話である。最初は下世話な下ネタのような話が続くのかと思いきや、まったくそんなことはなく、淡々と事実を書きつづっていく。おもしろいのが、その冷めたような、ある…
君の青春はまちがっていたけど、けれど、きっととても正しい。ありがとう。 おお、なかなか面白かった。会話がよいですし(化物語っぽいけど)。絵もかわいいですね。学校で友達がいない男の子が、奉仕部と呼ばれる学生の悩みを解決する部活に入って、美少女…
おもしろい。Life is beautiful: 出版のお知らせ:「エンジニアとしての生き方」本ブログの記事をまとめたブログ本だけれども、著者の中島聡さんのブログを読んでいなかったこともあって新鮮な気持ちで読んだ。最近はブログ本を読む機会も増えた。ネットで無…
筒井康隆による、だいぶむかしの短編集。なんとなく読みたくなって読んだけど、これがとんでもない奇想によって生み出された短編ばかり。この中の一編は『早口ことば』といってただひたすらに早口ことばが書いてあるだけだし(しかも恐ろしく出来が良い)、…
素晴らしい。サン=テグジュペリは星の王子様で有名だが、ハードな部分はこちらにある。本書は未開の地を手紙を持って横断する命がけの冒険屋、飛行家という職業を体験したサン=テグジュペリ、そのエピソード集のような、小説のような、そんな曖昧な世界観…
いやあ興味深く、楽しく読みました。おもしろかった。ブログで書評をやっているような人は今の世の中星の数程とは言わなくても、飲み屋で普通に飲んで食べてした時の一人分のお会計ぐらいの人数がいるんじゃないでしょうか?(超アクロバティックな数字の例…
最近プログラミングの勉強をしています。今はなんかよくわからない初心者っぽいJavaの本をAmazonで買って『わかりやすいJava 入門編/川場孝』届いた時に思いのほかデカイ&分厚くて「大丈夫かな……」と思ったものでしたがこれが面白い。自分のやったとおりに結…
素晴らしい! 久しぶりに作品の世界にどっぷりと浸りこんでしまいました。そういう作品って、まれ。飛びぬけて面白くても世界に浸りこめないことって、結構あるし。そう、『夜市』しか恒川氏の本は読んでいませんが、その頃から兆候はありました(どっぷりと…
これは表紙がよいですね。思わず買ってしまうぐらいには。小川一水先生のSF短編集。どれも凝っていて、良いなあと思いながら読み終えました。最初の三つは個人的な好みからは外れていますが、あとの三つは好きですね。べつに「これこれこういうのが好き」っ…
近々プレゼンをする機会があるので、前から気になっていた本書を買ってきて読んだのですが、ジョブズのスピーチはもう抜群にうまくて、教材を読んでいるだけで、シンプルに読み物として面白いですね。YOUTUBEに動画もあがっていますし、後で見てみよう(実は…
う〜んあんまり言葉でたたかう技術はなかったかな(笑)。技術的な部分は結構簡単にまとめられそうです。その最も核となる部分は、アリストテレスの弁論術にある『言論による説得には三つの種類がある。第一は語り手の性格に依存し、第二は聞き手の心を動か…
短編小説の楽しみ方。長編より短編小説の方が好きだ、という人はどれくらいいるんだろう。そんなに多くいるとは思えない。なぜかって出版される本の大半は長編で、短編集はそんなに出るもんじゃない。みんなが短編を読みたがっているならば、もっと出版され…
うーん凄いなあ。スティーヴン・キング。ホラーで有名だけど、本作はホラーではない。しかし、ホラー作家というのはよくわかる。スタンド・バイ・ミーは、死体を発見しに行く少年たちの話だ。わざわざ死体を見に行くのは、怖い物みたさ、というやつだろうか…
むこうはこの作品を読んでうろたえた。ひどくうろたえた。真に迫りすぎているというんだ。かりに外宇宙を舞台にして、これと同じ物語を書いたとしたら、べつに文句はでなかったかもしれない。それだったら、居心地のいいクッションがあいだに挟まるからね。…
森博嗣先生のエッセイの中でも特に「ツール」に特化した一冊。一項目は短く、簡潔で、しかし発想の切れ味は凄まじい。読んでいて何度も鳥肌が立つような感覚を覚えた。なんだろう、森博嗣先生において、特筆すべきはその発想力で、常に「新しい価値を」生み…
いやあこれはひどいなあ。詐欺みたいな本。橘玲、他の本は面白いだけじゃなく為になるのになぜこんなことに……(たぶん専門外に進出したせいでしょう)。だいたいね、「たったひとつの方法」なんていうのは、詐欺師しか言わないよね。まあ、面白かったからい…
最近は小説を読むときになるべく、書かれている情景を思い浮かべようとしている。ただこれが結構難しい。世の中にはどうも小説を読む際に「情景を思い浮かべながら読むタイプ」と「文字だけで認識して読むタイプ」の二つのパターンがあるようで、当然ながら…