基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

HONZ掲載

悪魔のように邪悪な組織vsイタリア系のシャーロック・ホームズ──『ブラック・ハンド──アメリカ史上最凶の犯罪結社』

ブラック・ハンド―ーアメリカ史上最凶の犯罪結社作者: スティーヴントールティ,黒原敏行出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/10/18メディア: 単行本この商品を含むブログを見るブラック・ハンドという凶悪な犯罪結社が19世紀から20世紀にかけて存在した。…

失われた技術を復元する──『ジャイロモノレール』

本書はジャイロモノレールについての概説書である。ジャイロモノレールとはレールが一本の鉄道の名称である「モノレール」にジャイロスコープを利用し、無支持で走行できる安定性を付与したものになるが、この技術は20世紀のはじめ頃(1900〜1910年)に開発さ…

”時間”とは人間にとって何なのか── 『タイムトラベル 「時間」の歴史を物語る』

タイムトラベル 「時間」の歴史を物語る作者: ジェイムズグリック,夏目大出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2018/08/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「タイムトラベル」といえばこれを読んでいる多くの人は「あーはいはい」とその意味するところ…

あなたはなぜ特定の色を好むのか?──『好き嫌い―行動科学最大の謎―』

好き嫌い―行動科学最大の謎―作者: トムヴァンダービルト,桃井緑美子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るあなたは何色が好きですか?と聞くと大抵の人はペラペラとこんな色が好きですと…

自然界の凄い機構をパクる『生物模倣――自然界に学ぶイノベーションの現場から』

生物模倣――自然界に学ぶイノベーションの現場から作者: アミーナ・カーン,松浦俊輔出版社/メーカー: 作品社発売日: 2018/05/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見る生物模倣、バイオミミクリーという用語がある。これは端的にいえばアリやハチが持っ…

九歳でロケット、十四歳で核融合炉を作った「天才」──『太陽を創った少年』

この世には「ギフテッド」と呼ばれる神から与えられたとしか思えない才能を持つ凄い人間たちがいる。そのうちの一人がアメリカ、アーカンソー州生まれのテイラー・ウィルソン少年だ。彼は9歳で高度なロケットを”理解した上で“作り上げ、14歳にして5億度のプ…

うつに殺されないために──『#生きていく理由 うつヌケの道を、見つけよう』

#生きていく理由 うつヌケの道を、見つけよう作者: マットヘイグ,那波かおり出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/04/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る本書『#生きていく理由 うつヌケの道を、見つけよう』は、小説『今日か…

宇宙に行くならまずこれを読んでからにするべし──『太陽系観光旅行読本:おすすめスポット&知っておきたいサイエンス』

太陽系観光旅行読本:おすすめスポット&知っておきたいサイエンス作者: オリヴィア・コスキー,ジェイナ・グルセヴィッチ,露久保由美子出版社/メーカー: 原書房発売日: 2018/02/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る最近の人類は当たり前のように未来…

遺伝子の差はどれだけの不平等を産んでいるのか──『ゲノムで社会の謎を解く 教育・所得格差から人種問題、国家の盛衰まで』

ゲノムで社会の謎を解く――教育・所得格差から人種問題、国家の盛衰まで作者: ダルトン・コンリー,ジェイソン・フレッチャー,松浦俊輔出版社/メーカー: 作品社発売日: 2018/01/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る双子研究を筆頭に、遺伝子が我々の…

まるで上質なミステリィのようなノンフィクション──『死体は嘘をつかない 全米トップ検死医が語る死と真実』

死体は嘘をつかない 全米トップ検死医が語る死と真実作者: ヴィンセント・ディ・マイオ,ロン・フランセル出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/01/31メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る無念な話ではあるが、人は死ぬものだ。そして人はいつだ…

なぜオリンピック開催費はいつも見積もりどおりにいかないのか?『オリンピック秘史: 120年の覇権と利権』

オリンピック秘史: 120年の覇権と利権作者: ジュールズボイコフ,中島由華出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/01/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見る東京オリンピック・パラリンピックの大会運営費用や会場整備費用は、当初見込んでいた3013億…

お猫様にもっと奉仕するために──『猫はこうして地球を征服した 人の脳からインターネット、生態系まで』

猫はこうして地球を征服した: 人の脳からインターネット、生態系まで作者: アビゲイル・タッカー,西田美緒子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2017/12/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る先日のペットフード協会の発表によると、全国犬猫…

人はどうやって人になったか──『生命進化の偉大なる奇跡』

生命進化の偉大なる奇跡作者: アリスロバーツ,Alice Roberts,斉藤隆央出版社/メーカー: 学研プラス発売日: 2017/10/31メディア: 単行本この商品を含むブログを見る本書『生命進化の偉大なる奇跡』はイギリスの解剖学者・人類学者であるアリス・ロバーツによ…

言葉の解釈をめぐる、解決困難な諸問題──『自動人形(オートマトン)の城: 人工知能の意図理解をめぐる物語』

自動人形の城(オートマトンの城): 人工知能の意図理解をめぐる物語作者: 川添愛出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2017/12/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る本書は、同著者による数学的原理に裏打ちされた傑作ファンタジィ『白と…

ゲームと共に歩んだ人生録『ゲームライフ――ぼくは黎明期のゲームに大事なことを教わった』

ゲームライフ作者: マイケル・W・クルーン,武藤陽生出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2017/10/19メディア: 単行本この商品を含むブログを見る人生を振り返ってみると、いつもその傍らにはゲームがあった。プレイヤーの目の前に展開するゲームプログラムは…

とてつもなく変態で、ありえないほど文章がうまい──『動物になって生きてみた』

動物になって生きてみた作者: チャールズ・フォスター出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2017/09/15メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るどうやったら、我々人間は動物の感覚にもっと近づくことができるのだろう。たとえばアナクマのように巣穴…

他者を評価する際の落とし穴──『なぜ心を読みすぎるのか: みきわめと対人関係の心理学』

なぜ心を読みすぎるのか: みきわめと対人関係の心理学作者: 唐沢かおり出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2017/07/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る他人の心は、わからないものだ。たとえ相手が笑顔で話しかけてきても、こちらのことを殺…

肥満の起源はどこにあるのか──『人はなぜ太りやすいのか――肥満の進化生物学』

人はなぜ太りやすいのか――肥満の進化生物学作者: マイケル・L・パワー,ジェイ・シュルキン,山本太郎出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2017/07/19メディア: 単行本この商品を含むブログを見る現代人はかつてないほど太っている。体長を身長の二乗で割って…

分子から生態系にまで作用する普遍的なルール『セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか』

セレンゲティ・ルール――生命はいかに調節されるか作者: ショーン・B.キャロル,高橋洋出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2017/06/15メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「果てしなく広がる平原」の意味を持つ「セレンゲティ」国立公園ではキリン…

二次元世界の住人から、三次元世界はどう見える?──『フラットランド たくさんの次元のものがたり』

フラットランド たくさんの次元のものがたり (講談社選書メチエ)作者: エドウィン.アボット・アボット,アイドゥン・ブユクタシ,竹内薫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/05/12メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るフラットランド…

「生物とは何か」を問い直す──『生物はウイルスが進化させた 巨大ウイルスが語る新たな生命像』

生物はウイルスが進化させた 巨大ウイルスが語る新たな生命像 (ブルーバックス)作者: 武村政春出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/04/19メディア: 新書この商品を含むブログを見る『巨大ウイルスと第4のドメイン』を筆頭に魅力的なウイルス論を書いてきた…

歯止めなき内戦、その実態──『シリアからの叫び』

シリアからの叫び (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズII-15)作者: ジャニーン・ディ・ジョヴァンニ,古屋美登里出版社/メーカー: 亜紀書房発売日: 2017/03/04メディア: 単行本この商品を含むブログを見るシリアの国情は長い期間にわたって荒れ狂ってい…

あの時、アメリカで何が起こっていたのか──『セガ vs. 任天堂――ゲームの未来を変えた覇権戦争』

セガ vs. 任天堂――ゲームの未来を変えた覇権戦争(上)作者: ブレイク J ハリス,Blake J. Harris,仲達志出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/03/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るPS4とSwitchが盛況な現代だけれども、かつてセ…

なぜ薬物依存は減らないのか──『ドラッグと分断社会アメリカ 神経科学者が語る「依存」の構造』

ドラッグと分断社会アメリカ 神経科学者が語る「依存」の構造作者: カールハート,Carl Hart,寺町朋子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/01/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見る薬物には大変恐ろしいイメージがある。一度でも手を出せば最後、…

月までのプログラミング──『デジタルアポロ ―月を目指せ 人と機械の挑戦―』

デジタルアポロ ―月を目指せ 人と機械の挑戦―作者: デビッド・ミンデル,岩澤ありあ出版社/メーカー: 東京電機大学出版局発売日: 2017/01/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る本書は「人と機械がアポロ計画においてどう役割分担を…

宇宙植民の可能性を問う──『宇宙倫理学入門──人工知能はスペース・コロニーの夢を見るか?』

宇宙倫理学入門作者: 稲葉振一郎出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2016/12/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る近年イーロン・マスク率いるスペースX社を筆頭に、民間企業による宇宙開発が加速している。本書は「宇宙倫理学」と書名…

不健康な脳から健康な心を推論する──『脳はいかに意識をつくるのか』

脳はいかに意識をつくるのか―脳の異常から心の謎に迫る作者: ゲオルク・ノルトフ,高橋洋出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2016/11/05メディア: 単行本この商品を含むブログを見る近年機能的磁気共鳴画像法(fMRI)など新技術の出現で脳の活動がより精確に観測で…

移民政策の是非を問う──『移民の経済学』

移民の経済学作者: ベンジャミンパウエル,Benjamin Powell,薮下史郎,佐藤綾野,鈴木久美,中田勇人出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2016/10/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見るトランプ次期大統領が犯罪歴のある不法移民を強制送還する、メ…

わかっちゃいるけどやめられないを科学する──『悪癖の科学 その隠れた効用をめぐる実験』

悪癖の科学--その隠れた効用をめぐる実験作者: リチャード・スティーヴンズ,藤井留美出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2016/08/29メディア: 単行本この商品を含むブログを見る時間は充分にあったはずなのに、締め切り間際まで仕事がはじめられない。つ…

宇宙における生命の普遍的特性──『生命、エネルギー、進化』

生命、エネルギー、進化作者: ニック・レーン,斉藤隆央出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2016/09/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る本書は『生命の跳躍』、『ミトコンドリアが進化を決めた』のニック・レーンによる「生命の起源とその…