基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

科学ノンフィクション

なぜ人類は国家を作り、発展させられたのか?──『反穀物の人類史──国家誕生のディープヒストリー』

反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー作者:ジェームズ・C・スコット出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2019/12/21メディア: 単行本我々人類の大半は今は家畜を飼い、農耕を行い、足りない分を輸入することで定住生活を営んでいる。一般的に、そう…

銀河サイズの超知能AIはどのように思考するか? などはるか未来の知能の在り方が模索される──『LIFE3.0――人工知能時代に人間であるということ』

LIFE3.0──人工知能時代に人間であるということ作者:マックス・テグマーク出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2019/12/27メディア: 単行本この『LIFE3.0』は人間の知能を遥かに超えた超知能AIが出現したら何が起こり得るのかを、AIの安全性研究や有識…

物理学と進化生物学のあいだに存在するつながりを解明する──『生命進化の物理法則』

生命進化の物理法則作者:チャールズ・コケル出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2019/12/13メディア: 単行本二〇一九年は、地球に存在する生物の動きと形は、この宇宙に普遍的に存在する物理法則から必然的に収斂するものであることを科学的に紹介するマ…

麻酔で意識が落ちる時、何が起こっているのか──『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』

意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか作者:ヘンリー・ジェイ・プリスビロー出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2019/12/18メディア: 単行本歴史の本、特に最悪の医療の歴史などを読んでいると、あ〜現代に生まれてきてよかったな…

すべての車が自動運転車になった時、社会の形は激変している──『ドライバーレスの衝撃—自動運転車が社会を支配する』

ドライバーレスの衝撃—自動運転車が社会を支配する作者:サミュエル・I・シュウォルツ出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2019/12/07メディア: 単行本この『ドライバーレスの衝撃』は、日々その支配を増しつつある自動運転車について語られた一冊である。自動運…

情動には客観的な指標は存在しない──『情動はこうしてつくられる 脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』

情動はこうしてつくられる――脳の隠れた働きと構成主義的情動理論作者:リサ・フェルドマン・バレット出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2019/11/11メディア: Kindle版怒り、悲しみ、苦しみ、驚きや幸福といった感情の動きは、どのような文化であっても普…

天体物理学と宇宙戦争について──『宇宙の地政学:科学者・軍事・武器ビジネス』

宇宙の地政学:科学者・軍事・武器ビジネス 上作者: ニール・ドグラース・タイソン,北川蒼,國方賢出版社/メーカー: 原書房発売日: 2019/10/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る宇宙の地政学:科学者・軍事・武器ビジネス 下作者: ニール・ドグラー…

科学的で現代的な「人を動かす」──『事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学』

事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学作者: ターリシャーロット,上原直子出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2019/08/11メディア: 単行本この商品を含むブログを見る事実では人の行動は変わらないという。議論をしたときに「これこれこう…

ゲームAIの基礎がこの一冊に集約されている!──『ゲームAI技術入門──広大な人工知能の世界を体系的に学ぶ』

ゲームAI技術入門──広大な人工知能の世界を体系的に学ぶ作者: 三宅 陽一郎出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2019/09/30メディア: 単行本AmazonKindle本書はゲームAIの研究と開発の最前線で戦い続けている三宅陽一郎さんの「ゲームAI技術入門」である。三…

悪を科学で分析する──『悪について誰もが知るべき10の事実』

悪について誰もが知るべき10の事実作者: ジュリア・ショウ,服部由美出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/09/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る正義は人の数だけあるというが、悪についても同じことが言えるだろう。肉を食べるというだけで悪認…

情報理論のレンズを通して浮かび上がってくる生命像──『生物の中の悪魔 「情報」で生命の謎を解く』

生物の中の悪魔 「情報」で生命の謎を解く作者: ポール・デイヴィス,水谷淳出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2019/08/22メディア: 単行本この商品を含むブログを見るどのように生命が生まれたのか、というのは依然判明していない。地球や火星のよう…

最先端物理理論の提唱者が語る、時間の実態──『時間は存在しない』

時間は存在しない作者: カルロ・ロヴェッリ,冨永星出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2019/08/29メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る時間は存在しない、といきなり言われても、いやそうは言ったってこうやって呼吸をしている間にもカ…

宇宙生物学について最初に知るのにうってつけの一冊──『エイリアン──科学者たちが語る地球外生命』

エイリアン──科学者たちが語る地球外生命作者: ジム・アル=カリーリ,斉藤隆央出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2019/08/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見る観測技術の高まり、生物学の知見、惑星気候学の発展に伴って、地球外生命の存在可能…

我々は、いかにして生まれたのか──『我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの』

我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの (ブルーバックス)作者: 藤崎慎吾出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/08/22メディア: 新書この商品を含むブログを見る本作は、小説や科学系のノンフィクション作家である藤崎慎吾さんが講談社ブル…

どこまでの精密さを手に入れることができるのか、また、それは必要なのか──『精密への果てなき道:シリンダーからナノメートルEUVチップへ』

精密への果てなき道 シリンダーからナノメートルEUVチップへ作者: サイモンウィンチェスター出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/08/20メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る「精密さ」を主軸に据えた歴史&技術ノンフィクションである。現代社会…

恐竜の始まりからその終わり、さらに「現代の恐竜」まで、一冊でみっしりまとまった快作──『恐竜の世界史──負け犬が覇者となり、絶滅するまで』

恐竜の世界史――負け犬が覇者となり、絶滅するまで作者: スティーブ・ブルサッテ,土屋健,黒川耕大出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2019/08/09メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこの『恐竜の世界史』はいい! 実は恐竜は羽毛が生えてたんじゃね…

宇宙誕生の謎を解き明かしつつある人々の話──『ユニバース2.0 実験室で宇宙を創造する』

ユニバース2.0 実験室で宇宙を創造する (文春e-book)作者: ジーヤ・メラリ,坂井伸之・解説出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2019/07/26メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る宇宙の始まりについての本である。宇宙の始まりといっても、意味は二つあ…

自律型兵器の技術・倫理についての最前線──『無人の兵団 AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』

無人の兵団――AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争作者: ポールシャーレ,Paul Scharre,伏見威蕃出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/07/18メディア: 単行本この商品を含むブログを見る一般向けの無人兵器本だと長らくシンガーの『ロボット兵士の戦争』が…

進化はどこまで予測可能なのか?──『生命の歴史は繰り返すのか?: 進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む』

生命の歴史は繰り返すのか?ー進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む作者: Jonathan B. Losos,的場知之出版社/メーカー: 化学同人発売日: 2019/06/01メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る生命の進化の歴史は偶然に支配されている。たと…

抽象絵画とかぜんぜんわかんねぇ、という人にこそ読んでもらいたい──『なぜ脳はアートがわかるのか 現代美術史から学ぶ脳科学入門』

なぜ脳はアートがわかるのか ―現代美術史から学ぶ脳科学入門―作者: エリック・R・カンデル,高橋洋出版社/メーカー: 青土社発売日: 2019/06/22メディア: 単行本この商品を含むブログを見るなぜ脳はアートがわかるのか。そんなことをいうと、「いや、そもそも…

動物群に広がる多様な知性──『鳥頭なんて誰が言った? 動物の「知能」にかんする大いなる誤解』

鳥頭なんて誰が言った? 動物の「知能」にかんする大いなる誤解作者: エマニュエルプイドバ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/05/31メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るこんなタイトルと書名なので最初鳥の知能の本かと思ったがそうではなく…

安上がりでかつ破壊的なパーフェクト・ウェポンとどう向き合っていくべきか──『世界の覇権が一気に変わる サイバー完全兵器』

世界の覇権が一気に変わる サイバー完全兵器作者: デービッド・サンガー,高取 芳彦出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2019/05/31メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るサイバー攻撃がなんかやべえんだよという話はこの何年かで俄然よく聞くよう…

脳科学・神経科学的な観点からの専門的な記述に支えられた「発想法」──『柔軟的思考 困難を乗り越える独創的な脳』

柔軟的思考 困難を乗り越える独創的な脳作者: レナード・ムロディナウ,水谷淳出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2019/05/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見る変化のはやい時代、これまでになかった新しいアイデアを生み出す必要性が増している…

データ化すれば客観的に評価できるという考えの落とし穴──『測りすぎ──なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』

測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?作者: ジェリー・Z・ミュラー,松本裕出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2019/04/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る僕の本業はWebプログラマで、こうした職業としてはありがちなこととして何社…

エネルギーという唯一無二の普遍通貨から見た人類史──『エネルギーの人類史』

エネルギーの人類史 上作者: バーツラフ・シュミル,塩原通緒出版社/メーカー: 青土社発売日: 2019/03/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る人間の営みはいかにして多くのエネルギーを得るか、また存在しているエネルギーをいかに効…

高尚な理由の背後に潜む、高尚ではない動機──『人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学』

人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学作者: ロビン・ハンソン,ケヴィン・シムラー,大槻敦子出版社/メーカー: 原書房発売日: 2019/02/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る人の行動にはわかりやすいひとつだけの理由ではなく、複数の動機が存…

次の世界への道標──『光の量子コンピューター』

光の量子コンピューター (インターナショナル新書)作者: 古澤明出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2019/02/07メディア: 新書この商品を含むブログを見る光子を用いた量子コンピュータについての一冊である。決して光のコンピュータがあるか…

間違いだらけの論文──『生命科学クライシス―新薬開発の危ない現場』

生命科学クライシス―新薬開発の危ない現場作者: リチャード・ハリス,寺町朋子出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2019/03/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る毎年100万件以上の生物医学研究の論文が科学文献に発表されるが、その多くが間違っている─…

進化の方向性を支配してきた「移動運動」というテーマ──『脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか: 生き物の「動き」と「形」の40億年』

脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか: 生き物の「動き」と「形」の40億年作者: マットウィルキンソン,Matt Wilkinson,神奈川夏子出版社/メーカー: 草思社発売日: 2019/02/18メディア: 単行本この商品を含むブログを見る今年読んだノンフィクションの中で最高の一…

騙され、不利益を被らないないために必要な基礎知識──『データは騙る 改竄・捏造・不正を見抜く統計学』

データは騙る: 改竄・捏造・不正を見抜く統計学作者: ゲアリー・スミス,川添節子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/02/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見るファクトの価値が高まり続けている昨今だが、そうはいっても何がファクトなのかを見…