基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

科学ノンフィクション

世界初のペンギン学者と、ペンギンの奔放な性行動について──『南極探検とペンギン』

南極探検とペンギン 忘れられた英雄とペンギンたちの知られざる生態作者:ロイド・スペンサー・デイヴィス発売日: 2021/04/26メディア: Kindle版この『南極探検とペンギン』は、1910年頃から本格的に実施された別々の二チームによる南極点到達の冒険譚と、そ…

数学概念が人類に生まれつきそなわっていないことを示す、数と言語人類学──『数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた』

数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた作者:ケイレブ・エヴェレット発売日: 2021/05/08メディア: 単行本 はじめに 数の概念は、生まれつき備わっているものではない 数の概念がないなんてことがあるのか? 1〜3 おわりに はじめに 『ピダハン──「言…

命の値段には大きな格差が存在する──『命に〈価格〉をつけられるのか』

命に〈価格〉をつけられるのか作者:ハワード・スティーヴン・フリードマン,Howard Steven Friedman発売日: 2021/04/17メディア: 単行本 はじめに 民事裁判における命の値付け 現在の命の価値より未来の命の価値の方が低いのか? おわりに はじめに 命に値段…

冤罪事件を通して人間の本性と生物学的弱点、その克服への洞察に至る傑作──『冤罪と人類:道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』

冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか (ハヤカワ文庫NF)作者:管賀 江留郎発売日: 2021/04/28メディア: Kindle版この『冤罪と人類』は日本で起こった大規模冤罪事件を取り上げながら、最後にそうした冤罪事件が起こる理由を人間の〈道徳感情〉に求め、…

われわれは地球外文明に向けてメッセージを送るべきなのか?──『彼らはどこにいるのか: 地球外知的生命をめぐる最新科学』

彼らはどこにいるのか: 地球外知的生命をめぐる最新科学作者:キース・クーパー発売日: 2021/04/24メディア: 単行本地球外知的生命──エイリアンは存在するのだろうか。存在するとして、どこに、どんな文化を持って存在するのだろうか。人は科学で、SFで、奇妙…

物理学に美しさは必要か? という根本的な問題提起──『数学に魅せられて、科学を見失う――物理学と「美しさ」の罠』

数学に魅せられて、科学を見失う――物理学と「美しさ」の罠作者:ザビーネ・ホッセンフェルダー発売日: 2021/04/09メディア: Kindle版物理学者は、自然法則の中に理論の自然さや美しさ、対称性、単純さ、統一性を求める。それは、自然法則はエレガントでシンプ…

フェイクニュースやSNSの影響を意外と人は受けない──『人は簡単には騙されない: 嘘と信用の認知科学』

人は簡単には騙されない: 嘘と信用の認知科学作者:ヒューゴ・メルシエ発売日: 2021/02/25メディア: 単行本世界にはプロパガンダにフェイクニュース、根も葉もない噂の蔓延が起こっていて、ほとんどの大衆はそうした「誰かの行動を操りたい人たちによって放た…

家を見る目と意識を一変させてくれる、素晴らしいサイエンスノンフィクション──『家は生態系―あなたは20万種の生き物と暮らしている』

家は生態系―あなたは20万種の生き物と暮らしている作者:ロブ・ダン発売日: 2021/02/19メディア: 単行本家には時折ゴキブリやクモなどの外部の生物が紛れ込んでくることがあるとはいえ、そうそういつも見かけるものではない。大抵の場合、家には自分とその家…

認知科学の観点から最適な脚本を導き出すための一冊──『脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ』

脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ作者:ポール・ジョセフ・ガリーノ,コニー・シアーズ発売日: 2021/01/26メディア: 単行本先日認知科学の観点からみた、最強の英語の勉強法について書かれた『英語独習法』の記事を書いたばかり…

医師と患者のコミュニケーションが、治療においてどれほど重要なのか──『患者の話は医師にどう聞こえるのか――診察室のすれちがいを科学する』

患者の話は医師にどう聞こえるのか――診察室のすれちがいを科学する作者:ダニエル・オーフリ発売日: 2020/11/10メディア: Kindle版病気を患っている時、患者側の知識と、診療する医師の知識量と立場は異なっているのが当然だ。医師は膨大な知識を持っていて、…

意外な形で大気と人間の関係を描き出してみせた化学ノンフィクション──『空気と人類 ―いかに〈気体〉を発見し、手なずけてきたか』

空気と人類 ―いかに〈気体〉を発見し、手なずけてきたか作者:サム・キーン発売日: 2020/12/17メディア: 単行本この『空気と人類』は、『スプーンと元素周期表』など様々な化学/科学系のトピックスを扱ってきた作家サム・キーンによる、気体についてのノンフ…

言語や音楽は、自然界を模倣している──『〈脳と文明〉の暗号 言語と音楽、驚異の起源』

〈脳と文明〉の暗号 言語と音楽、驚異の起源 (ハヤカワ文庫NF)作者:マーク チャンギージー発売日: 2020/12/03メディア: Kindle版この『脳と文明の暗号』はマーク・チャンギージー『ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ』の続編というか、姉妹篇であ…

空間認知の心理学・神経科学的基盤から、漫画の中の空間論まで──『Mind in Motion:身体動作と空間が思考をつくる』

Mind in Motion:身体動作と空間が思考をつくる作者:バーバラ・トヴェルスキー発売日: 2020/11/06メディア: 単行本(ソフトカバー)意識、思考といったものは、我々の頭の中だけで作られるものではなく、空間と身体動作と意識の相互作用・統合によって形作ら…

「色覚異常」とは何なのか──『「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論』

「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論 (単行本)作者:裕人, 川端発売日: 2020/10/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この『「色のふしぎ」と不思議な社会』は、小説家やノンフィクション作家として活躍する川端裕人さんによる「色」につい…

意図的なSNS上の誘導にどうやって対抗すればいいのか──『操作される現実―VR・合成音声・ディープフェイクが生む虚構のプロパガンダ』

操作される現実―VR・合成音声・ディープフェイクが生む虚構のプロパガンダ作者:サミュエル・ウーリー発売日: 2020/11/04メディア: 単行本この1年の間に、無数の「SNSがいかに操作されているのか」についてのノンフィクションが刊行されてきた。三例あげると…

生命から都市まで、すべてを定量的に予測する枠組みを導き出す一冊──『スケール 生命、都市、経済をめぐる普遍的法則』

スケール 生命、都市、経済をめぐる普遍的法則 上作者:ジョフリー ウェスト発売日: 2020/10/15メディア: Kindle版スケール 生命、都市、経済をめぐる普遍的法則 下作者:ジョフリー ウェスト発売日: 2020/10/15メディア: Kindle版この『スケール』は、副題に…

自由に自分の幸福度を決められる時、医者はそこに上限を設けるべきだろうか?──『闇の脳科学 「完全な人間」をつくる』

闇の脳科学 「完全な人間」をつくる (文春e-book)作者:ローン・フランク,仲野 徹・解説発売日: 2020/10/14メディア: Kindle版闇の脳科学ってどゆこと? 闇の脳科学があるってことは光の脳科学もあるのか? とか「完全な人間」ってなんだ?? 中田敦彦か?? …

なぜ今感染症のリスクが増大しているのか──『史上最悪の感染症 結核、マラリアからエイズ、エボラ、薬剤耐性菌、COVID-19まで-』

史上最悪の感染症: 結核、マラリアからエイズ、MERS、薬剤耐性菌、COVID19まで作者:オスターホルム,マイケル,オルシェイカー,マーク発売日: 2020/08/26メディア: 単行本COVID-19が2019年から流行をはじめてから、日本でも怒涛の勢いで感染症関連のノンフィク…

人類の英知がこの一冊に詰まった文明速攻再始動マニュアル──『ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』

ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド作者:ライアン ノース発売日: 2020/09/17メディア: Kindle版この『ゼロから作る科学文明』は、もしもあなたがタイムトラベラーではるかな未来から過去の世界に飛んでしまい、さらに戻る手段…

テクノロジーの進歩で記録はどれだけ伸びてきたのか──『スポーツを変えたテクノロジー アスリートを進化させる道具の科学』

スポーツを変えたテクノロジー―アスリートを進化させる道具の科学作者:スティーヴ・ヘイク発売日: 2020/09/15メディア: 単行本スポーツとテクノロジーは切っても切れない関係だ。ほぼ裸の人間が水中を泳ぐだけの水泳のような一見テクノロジーが一切関係ない…

老化は治療可能な病気である──『LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』

LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界作者:デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント発売日: 2020/09/16メディア: 単行本この『LIFESPAN』は、老化の原因と若返りに関する研究者/長寿研究の世界的権威であり、同分野で50件に及ぶ特許を取得し10以…

自然界に存在する準結晶を求めた、科学者の大冒険──『「第二の不可能」を追え! ――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ』

「第二の不可能」を追え! ――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ作者:ポール・J・スタインハート発売日: 2020/09/03メディア: 単行本2011年のノーベル化学賞を受賞したのは準結晶の発見をしたシェヒトマン博士だった。「準結晶」とは、説明…

不眠症に睡眠時無呼吸から睡眠時性的行動症まで、多様な睡眠障害の症例を解き明かす極上の一冊──『眠りがもたらす奇怪な出来事: 脳と心の深淵に迫る』

眠りがもたらす奇怪な出来事: 脳と心の深淵に迫る作者:ガイ・レシュジナー発売日: 2020/08/26メディア: 単行本この『眠りがもたらす奇怪な出来事』は、睡眠医学が専門で長年睡眠障害センターで勤務するガイ・レシュジナーによる、睡眠にまつわる様々な臨床例…

都市ならではの生物多様性──『都市で進化する生物たち』

都市で進化する生物たち: ❝ダーウィン❞が街にやってくる作者:スヒルトハウゼン,メノ発売日: 2020/08/18メディア: 単行本通常、都市は人間以外の生物にとって良い環境とは思われていないだろう。緑や自然を切り開き、種の多様性を減少させる、必要悪的な存在…

言語発明&形成の進化史──『言語の起源 人類の最も偉大な発明』

言語の起源 人類の最も偉大な発明作者:ダニエル・L・エヴェレット発売日: 2020/07/17メディア: 単行本言語はいつ生まれたのか。この問いに何万何千年前のある瞬間──というわかりやすい答えが現状あるわけではない。そのうえ、音声がどのような形であれ残って…

意識せずとも必要な情報を伝えてくれる穏やかなデザインへ──『カーム・テクノロジー 生活に溶け込む情報技術のデザイン』

カーム・テクノロジー 生活に溶け込む情報技術のデザイン作者:アンバー・ケース(Amber Case)発売日: 2020/07/14メディア: 単行本現在、生活していく上で身の回りには欠かせない電子機器・パソコン・スマホアプリケーションで溢れている。web会議をするために…

様々な宇宙の形、時空の形を知ることができる格好の時間入門──『時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて』

時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて (ブルーバックス)作者:高水裕一発売日: 2020/07/20メディア: Kindle版時間は逆戻りするのか。普通に生きていると時間は一定の方角に向かって流れていくので逆戻りなどするような感じはしないが、実は…

史上もっとも偉大な科学予測の試みとクラークに評された、科学と人類の未来について論じた先駆的名著──『宇宙・肉体・悪魔──理性的精神の敵について』

宇宙・肉体・悪魔【新版】――理性的精神の敵について作者:J・D・バナール発売日: 2020/07/17メディア: 単行本この『『宇宙・肉体・悪魔──理性的精神の敵について』』は、X線結晶構造解析のパイオニアであり分子生物学の礎を築いたと言われるJ・D・バナールによ…

ドーキンスによる無神論者のためのビギナーズ・ガイド──『さらば、神よ──科学こそが道を作る』

さらば、神よ 科学こそが道を作る作者:リチャード ドーキンス発売日: 2020/07/16メディア: Kindle版この『さらば、神よ』はリチャード・ドーキンスによる無神論者になるためのビギナーズガイドである。原題は「Outgrowing God A Beginner's Guide」で「outgr…

我々はどこまで世界を作り変えるべきか?──『合成テクノロジーが世界をつくり変える: 生命・物質・地球の未来と人類の選択』

合成テクノロジーが世界をつくり変える: 生命・物質・地球の未来と人類の選択作者:クリストファー・プレストン発売日: 2020/07/07メディア: 単行本この『合成テクノロジーが世界をつくり変える』は、ナノテクノロジー、遺伝子工学、環境工学といった幅広い分…