基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

科学ノンフィクション

空間認知の心理学・神経科学的基盤から、漫画の中の空間論まで──『Mind in Motion:身体動作と空間が思考をつくる』

Mind in Motion:身体動作と空間が思考をつくる作者:バーバラ・トヴェルスキー発売日: 2020/11/06メディア: 単行本(ソフトカバー)意識、思考といったものは、我々の頭の中だけで作られるものではなく、空間と身体動作と意識の相互作用・統合によって形作ら…

「色覚異常」とは何なのか──『「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論』

「色のふしぎ」と不思議な社会 ――2020年代の「色覚」原論 (単行本)作者:裕人, 川端発売日: 2020/10/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この『「色のふしぎ」と不思議な社会』は、小説家やノンフィクション作家として活躍する川端裕人さんによる「色」につい…

意図的なSNS上の誘導にどうやって対抗すればいいのか──『操作される現実―VR・合成音声・ディープフェイクが生む虚構のプロパガンダ』

操作される現実―VR・合成音声・ディープフェイクが生む虚構のプロパガンダ作者:サミュエル・ウーリー発売日: 2020/11/04メディア: 単行本この1年の間に、無数の「SNSがいかに操作されているのか」についてのノンフィクションが刊行されてきた。三例あげると…

生命から都市まで、すべてを定量的に予測する枠組みを導き出す一冊──『スケール 生命、都市、経済をめぐる普遍的法則』

スケール 生命、都市、経済をめぐる普遍的法則 上作者:ジョフリー ウェスト発売日: 2020/10/15メディア: Kindle版スケール 生命、都市、経済をめぐる普遍的法則 下作者:ジョフリー ウェスト発売日: 2020/10/15メディア: Kindle版この『スケール』は、副題に…

自由に自分の幸福度を決められる時、医者はそこに上限を設けるべきだろうか?──『闇の脳科学 「完全な人間」をつくる』

闇の脳科学 「完全な人間」をつくる (文春e-book)作者:ローン・フランク,仲野 徹・解説発売日: 2020/10/14メディア: Kindle版闇の脳科学ってどゆこと? 闇の脳科学があるってことは光の脳科学もあるのか? とか「完全な人間」ってなんだ?? 中田敦彦か?? …

なぜ今感染症のリスクが増大しているのか──『史上最悪の感染症 結核、マラリアからエイズ、エボラ、薬剤耐性菌、COVID-19まで-』

史上最悪の感染症: 結核、マラリアからエイズ、MERS、薬剤耐性菌、COVID19まで作者:オスターホルム,マイケル,オルシェイカー,マーク発売日: 2020/08/26メディア: 単行本COVID-19が2019年から流行をはじめてから、日本でも怒涛の勢いで感染症関連のノンフィク…

人類の英知がこの一冊に詰まった文明速攻再始動マニュアル──『ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド』

ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバルガイド作者:ライアン ノース発売日: 2020/09/17メディア: Kindle版この『ゼロから作る科学文明』は、もしもあなたがタイムトラベラーではるかな未来から過去の世界に飛んでしまい、さらに戻る手段…

テクノロジーの進歩で記録はどれだけ伸びてきたのか──『スポーツを変えたテクノロジー アスリートを進化させる道具の科学』

スポーツを変えたテクノロジー―アスリートを進化させる道具の科学作者:スティーヴ・ヘイク発売日: 2020/09/15メディア: 単行本スポーツとテクノロジーは切っても切れない関係だ。ほぼ裸の人間が水中を泳ぐだけの水泳のような一見テクノロジーが一切関係ない…

老化は治療可能な病気である──『LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』

LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界作者:デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント発売日: 2020/09/16メディア: 単行本この『LIFESPAN』は、老化の原因と若返りに関する研究者/長寿研究の世界的権威であり、同分野で50件に及ぶ特許を取得し10以…

自然界に存在する準結晶を求めた、科学者の大冒険──『「第二の不可能」を追え! ――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ』

「第二の不可能」を追え! ――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ作者:ポール・J・スタインハート発売日: 2020/09/03メディア: 単行本2011年のノーベル化学賞を受賞したのは準結晶の発見をしたシェヒトマン博士だった。「準結晶」とは、説明…

不眠症に睡眠時無呼吸から睡眠時性的行動症まで、多様な睡眠障害の症例を解き明かす極上の一冊──『眠りがもたらす奇怪な出来事: 脳と心の深淵に迫る』

眠りがもたらす奇怪な出来事: 脳と心の深淵に迫る作者:ガイ・レシュジナー発売日: 2020/08/26メディア: 単行本この『眠りがもたらす奇怪な出来事』は、睡眠医学が専門で長年睡眠障害センターで勤務するガイ・レシュジナーによる、睡眠にまつわる様々な臨床例…

都市ならではの生物多様性──『都市で進化する生物たち』

都市で進化する生物たち: ❝ダーウィン❞が街にやってくる作者:スヒルトハウゼン,メノ発売日: 2020/08/18メディア: 単行本通常、都市は人間以外の生物にとって良い環境とは思われていないだろう。緑や自然を切り開き、種の多様性を減少させる、必要悪的な存在…

言語発明&形成の進化史──『言語の起源 人類の最も偉大な発明』

言語の起源 人類の最も偉大な発明作者:ダニエル・L・エヴェレット発売日: 2020/07/17メディア: 単行本言語はいつ生まれたのか。この問いに何万何千年前のある瞬間──というわかりやすい答えが現状あるわけではない。そのうえ、音声がどのような形であれ残って…

意識せずとも必要な情報を伝えてくれる穏やかなデザインへ──『カーム・テクノロジー 生活に溶け込む情報技術のデザイン』

カーム・テクノロジー 生活に溶け込む情報技術のデザイン作者:アンバー・ケース(Amber Case)発売日: 2020/07/14メディア: 単行本現在、生活していく上で身の回りには欠かせない電子機器・パソコン・スマホアプリケーションで溢れている。web会議をするために…

様々な宇宙の形、時空の形を知ることができる格好の時間入門──『時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて』

時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて (ブルーバックス)作者:高水裕一発売日: 2020/07/20メディア: Kindle版時間は逆戻りするのか。普通に生きていると時間は一定の方角に向かって流れていくので逆戻りなどするような感じはしないが、実は…

史上もっとも偉大な科学予測の試みとクラークに評された、科学と人類の未来について論じた先駆的名著──『宇宙・肉体・悪魔──理性的精神の敵について』

宇宙・肉体・悪魔【新版】――理性的精神の敵について作者:J・D・バナール発売日: 2020/07/17メディア: 単行本この『『宇宙・肉体・悪魔──理性的精神の敵について』』は、X線結晶構造解析のパイオニアであり分子生物学の礎を築いたと言われるJ・D・バナールによ…

ドーキンスによる無神論者のためのビギナーズ・ガイド──『さらば、神よ──科学こそが道を作る』

さらば、神よ 科学こそが道を作る作者:リチャード ドーキンス発売日: 2020/07/16メディア: Kindle版この『さらば、神よ』はリチャード・ドーキンスによる無神論者になるためのビギナーズガイドである。原題は「Outgrowing God A Beginner's Guide」で「outgr…

我々はどこまで世界を作り変えるべきか?──『合成テクノロジーが世界をつくり変える: 生命・物質・地球の未来と人類の選択』

合成テクノロジーが世界をつくり変える: 生命・物質・地球の未来と人類の選択作者:クリストファー・プレストン発売日: 2020/07/07メディア: 単行本この『合成テクノロジーが世界をつくり変える』は、ナノテクノロジー、遺伝子工学、環境工学といった幅広い分…

VRの父がインターネットの黎明期を通して「あらためて我々はどこへ向かうべきなのか」と問いかけてみせた一冊──『万物創生をはじめよう』

万物創生をはじめよう――私的VR事始作者:ジャロン・ラニアー発売日: 2020/06/18メディア: 単行本この『万物創生をはじめよう』は、最初期のVR技術の探求、起業者であり、VRの父と呼ばれるジャロン・ラニアーによる自伝的な一冊である。幼少期からはじまり、VR…

薬物はどのように精神を変質させるのか?──『幻覚剤は役に立つのか』

幻覚剤は役に立つのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII-10)作者:マイケル・ポーラン発売日: 2020/05/26メディア: 単行本LSDやマジックマッシュルームと聞くと僕などは「やばいドラッグ」ぐらいの認識しかないが、近年こうした幻覚剤が再度盛り上…

人生を確率を通してみる、今年ベスト級の科学ノンフィクション!──『もうダメかも──死ぬ確率の統計学』

もうダメかも作者:マイケル・ブラストランド,デイヴィッド・シュピーゲルハルター発売日: 2020/04/13メディア: 単行本我々はウルトラマンに守られているわけではないのだから、死ぬときがきたら死ぬしかない。その事実は多くの人が認識しているだろう。が、…

生活にどれだけ深く砂が関わっているのかという視点から世界を捉え直すきっかけとなる一冊──『砂と人類: いかにして砂が文明を変容させたか』

砂と人類: いかにして砂が文明を変容させたか作者:バイザー,ヴィンス発売日: 2020/03/02メディア: 単行本砂なんてどこにでも溢れていて(都心に住んでいると砂と触れ合う機会はないが)いかにして砂が文明を変容させたか、と言われてもピンと来ないかもしれな…

自動運転車や囲碁解析、ネットフリックスのレコメンドの裏側では実際何が起こっているのか──『スマートマシンはこうして思考する』

スマートマシンはこうして思考する作者:ショーン・ジェリッシュ発売日: 2020/03/04メディア: 単行本この『スマートマシンはこうして思考する』は、smart machines、ちまたでAIといわれているものが実際どのような仕組みで「知能があるような」振る舞いをみ…

チバニアン認定の歴史が、科学的な意義深さも含めてしっかり理解できる──『地磁気逆転と「チバニアン」 地球の磁場は、なぜ逆転するのか』

地磁気逆転と「チバニアン」 地球の磁場は、なぜ逆転するのか (ブルーバックス)作者:菅沼 悠介発売日: 2020/03/18メディア: 新書2020年の1月に、46億年の地球の歴史区分して表す世界共通の地質年代のひとつとして「チバニアン」が採用されることになった。「…

なぜ今がん免疫療法が盛り上がっているのか、その歴史と仕組み──『がん免疫療法の突破口』

がん免疫療法の突破口(ブレイクスルー)作者:チャールズ グレーバー発売日: 2020/03/05メディア: 単行本がんは、動物が生きていく仕組みに深く関わっているから、これを完璧に排除することはいまだに難しい。だからがんはいまだに病の皇帝に収まっているし、…

科学書の歴史であるだけでなく、科学の歴史でもある──『世界を変えた150の科学の本』

世界を変えた150の科学の本作者:ブライアン・クレッグ発売日: 2020/02/10メディア: 単行本この『世界を変えた150の科学の本』は、科学の歴史上重要とみられる科学ノンフィクションを150冊以上紹介した本になる。本は270ページだが、大判のフルカラーで、150…

我々は実際には「何を」みているのか──『ヒトの目、驚異の進化:視覚革命が文明を生んだ』

ヒトの目、驚異の進化 (ハヤカワ文庫NF)作者:マーク・チャンギージー発売日: 2020/03/05メディア: 文庫このマーク・チャンギージー『ヒトの目、驚異の進化』は、ヒトの目にひそむあまり知られていない4つの力について解説する視覚科学についての一冊である。…

年収が上がれば上がるほど幸せになれるのか?──『幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか』

幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか作者:ダニエル ネトル出版社/メーカー: きずな出版発売日: 2020/01/28メディア: 単行本(ソフトカバー)幸福とはほとんどの人にとっての人生の目標なのではないだろうか。「いや、自分は不幸になる権利が…

デジタルデバイスで読むことで「深い読み」は損なわれるのか?──『デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる』

デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる作者:メアリアン・ウルフ出版社/メーカー: インターシフト (合同出版)発売日: 2020/02/06メディア: 単行本文字を読む時、その時脳の中では何が起こっているのか。また、文…

政策立案は生物学の一分野である──『社会はどう進化するのか:進化生物学が拓く新しい世界観』

社会はどう進化するのか——進化生物学が拓く新しい世界観作者:デイヴィッド・スローン・ウィルソン出版社/メーカー: 亜紀書房発売日: 2020/01/24メディア: 単行本人間個人も、人間社会も、進化による大きな影響を受けている。ゆえに、現代の諸問題を解決し、…