基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

その他のノンフィクション

ロシアの大規模な工作活動、個人情報の流出などフェイスブックの数々の失態はなぜ起こってしまったのか?──『フェイスブックの失墜』

っzrフェイスブックの失墜作者:シーラ フレンケル,セシリア カン早川書房Amazonフェイスブックは今なおSNSでは最大の存在感を誇るが、もちろん完璧なサービスというわけではなく、トラブルや批判は特にこの5年間で頻発している。ユーザ情報の流出、広告の…

今月の気になる新刊&いま読んでいる本

なんとなく今月の気になる新刊を備忘録用に羅列してみようかと。 ノンフィクション WORLD WITHOUT WORKーAI時代の新「大きな政府」論作者:ダニエル・サスキンドみすず書房Amazon『WORLD WITHOUT WORK AI時代の新「大きな政府」論』(みすず書房)。『労働が人…

リバタリアンが集まる町を作ったら、そこは熊の巣窟になった──『リバタリアンが社会実験してみた町の話:自由至上主義者のユートピアは実現できたのか』

リバタリアンが社会実験してみた町の話:自由至上主義者のユートピアは実現できたのか作者:マシュー・ホンゴルツ・ヘトリング原書房Amazon はじめに どのように人々は集まってきたのか? 自由な町にヤバいやつらが集まってくる。 リバタリアンらは町を良い方…

街なかの時計がすべて別の時刻をさすほどにルーズなブラジルと、時間に厳しいタイトな日本、何が異なるのか?──『ルーズな文化とタイトな文化』

ルーズな文化とタイトな文化―なぜ〈彼ら〉と〈私たち〉はこれほど違うのか作者:ミシェル・ゲルファンド白揚社Amazon世界は技術の発展によって、過去例にないほど密接に繋がるようになった。飛行機は世界中を行き来し(今は違うが)、インターネットは光速で世…

弾圧が行われているとされる新疆ウイグル自治区で、実際に何が行われているのか?──『AI監獄ウイグル』

AI監獄ウイグル作者:ジェフリー・ケイン新潮社Amazonこの『AI監獄ウイグル』は、近年弾圧が激しくなっているとされるウイグルで、実際に何が行われているのか、150人以上のウイグル人の難民、技術労働者、政府関係者、元中国人スパイにインタビュー取材…

地上とはまったく異なる常識が支配する海中洞窟の世界で、ダイバーが何を考え、見てきたのか──『イントゥ・ザ・プラネット』

イントゥ・ザ・プラネット作者:ジル・ハイナース新潮社Amazonこの『イントゥ・ザ・プラネット』は洞窟探検家、水中探検家の女性ダイバーであるジル・ハイナースによる冒険記だ。水中、それも誰も踏み入ったことがないような長大な洞窟の中では、地上とはまっ…

過激主義組織はどのように人を勧誘し、虜にするのか?──『ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ』

ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ作者:ユリア・エブナー左右社Amazonこの『ゴーイング・ダーク』は、12の過激な主義主張をかかげる組織に著者が潜入し内部を綴るルポタージュである。最近のこうした組織はオンラインで門戸を開いているものだか…

2021年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る

2021年も終わろうとしているので、今年刊行された本の中でも特におもしろかった・記憶に残ったノンフィクションを振り返っていこうかと。昨年に引き続き今年も本の雑誌の新刊ノンフィクションガイドを担当していたので、冊数はノンフィクションだけで200冊ぐ…

オランダ史上最悪の犯罪者と呼ばれた兄を告発した妹による、壮絶なる体験記──『裏切り者』

裏切り者作者:アストリッド ホーレーダー早川書房Amazon本書『裏切り者』は、映画にもなった「ハイネケンCEO誘拐事件」の実行犯として知られ、その後も犯罪を重ね「オランダ史上最悪の犯罪者」と恐れられるまでになった男ウィレム・ホーレーダーについて書か…

自閉症者だからこそのユニークな読書体験を描き出す、「読み」の探求──『嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書──自閉症者と小説を読む』

嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書――自閉症者と小説を読む作者:ラルフ・ジェームズ・サヴァリーズみすず書房Amazonこの『嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書』は、副題に入っているように、本書の著者が自閉症者と共に色んな小説を読んで語り合ってみたという、た…

『半分世界』の石川宗生による、なんでもないバックパッカーを描き出す紀行文──『四分の一世界旅行記』

四分の一世界旅行記作者:石川 宗生発売日: 2021/04/28メディア: 単行本この『四分の一世界旅行記』はSF・奇想短篇集の『半分世界』でデビューし小説家として活躍する石川宗生によるバックパッカーとしての旅行記である。四分の一世界旅行記と題されているよ…

精神病院に偽患者を送り込みその脆弱性を明らかにした有名な実験は、実は間違いだらけだった──『なりすまし——正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験』

なりすまし——正気と狂気を揺るがす、精神病院潜入実験 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII-16)作者:スザンナ・キャハラン発売日: 2021/04/21メディア: 単行本(ソフトカバー)近年、かつて行われた有名な心理学系の実験が、再現実験の失敗やデータ…

社会に分断をもたらした「自分自身の努力と勤勉さ」で成功したという考え──『実力も運のうち 能力主義は正義か?』

実力も運のうち 能力主義は正義か?作者:マイケル・サンデル発売日: 2021/04/14メディア: 単行本この『実力も運のうち 能力主義は正義か?』は『これからの「正義」の話をしよう』が大ヒットした、マイケル・サンデル教授の最新作である。『それをお金で買い…

『1つの定理を証明する99の方法』から『怒りの人類史』まで、最近読んでおもしろかったけれどブログで単独記事にできなかった本をまとめて紹介する

最近もいろいろ読んでいるけれど、紹介したいけどうまい感じの切り口が思いつかなかったり、おもしろいけど様々な理由で取り上げにくい本がたまってきたのでいったんそいつらを紹介してみようと思う。普段ブログには小説でもノンフィクションでも、5〜6冊読…

映像だけではなく文章に関わる人にもおすすめしたい、「編集」の難しさと楽しさについての絶品!──『映像編集の技法 傑作を生み出す編集技師たちの仕事術』

映像編集の技法 傑作を生み出す編集技師たちの仕事術作者:スティーヴ・ハルフィッシュ発売日: 2021/01/21メディア: 単行本『映像編集の技法』は映像編集技師であるスティーヴ・ハルフィッシュが、スターウォーズにシビル・ウォーなど大作映画から『ブレイキ…

認知科学の観点からいえる、最強の英語学習法──『英語独習法』

英語独習法 (岩波新書 新赤版 1860)作者:今井 むつみ発売日: 2020/12/19メディア: 新書この『英語独習法』は、認知科学や発達心理学を専門とする今井むつみによる、認知科学の観点から考えた最強の英語学習について書かれた一冊である。『「わかりやすく教え…

正確さと著者の声の間で苦悩する校正者の姿を描き出す一冊──『カンマの女王 「ニューヨーカー」校正係のここだけの話 』

カンマの女王 「ニューヨーカー」校正係のここだけの話作者:メアリ ノリス発売日: 2020/12/29メディア: 単行本(ソフトカバー)校正とは、印刷物などの文章が正しいのか(誤字脱字が存在しないか、文法的に正しいのか、事実に反する内容はないかなど(こちらは…

週刊文春はなぜスクープを連発することができるのか──『2016年の週刊文春』

2016年の週刊文春作者:柳澤 健発売日: 2020/12/15メディア: Kindle版スクープを連発する日本一の週刊誌「週刊文春」と、その中でも二大編集長である花田紀凱と新谷学を中心に取り上げた文藝春秋闘争記である。僕は特集が気になった月刊文藝春秋を読むぐらい…

罪を犯した人間をただ投獄するのは、正しいか──『囚われし者たちの国──世界の刑務所に正義を訪ねて』

囚われし者たちの国──世界の刑務所に正義を訪ねて作者:バズ・ドライシンガー発売日: 2020/12/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この『囚われし者たちの国』は、刑事司法教育を教える大学ジョン・ジェイ・カレッジ・オブ・クリミナル・ジャスティスの女性教…

地下を通して、数千、数万年後の祖先に我々は何を遺せるのかを考える一冊──『アンダーランド──記憶、隠喩、禁忌の地下空間』

アンダーランド 記憶、隠喩、禁忌の地下空間作者:ロバート マクファーレン発売日: 2020/11/19メディア: Kindle版この『アンダーランド』は、大自然を相手にした旅行記に定評のあるロバート・マクファーレンによる、地底をめぐる紀行文学である。マクファーレ…

政府に頼らず、社会から隔絶したモルモン教原理主義者の世界観から、いかにして抜け出したのか──『エデュケーション 大学は私の人生を変えた』

エデュケーション 大学は私の人生を変えた作者:タラ ウェストーバー発売日: 2020/11/17メディア: 単行本(ソフトカバー)この『エデュケーション』(原題:Educated A Memoir)は、モルモン教原理主義者で、政府や病院といった公的な機関に一切頼らない父と母に…

壊れた民主主義を立て直すことはできるのか──『民主主義の壊れ方:クーデタ・大惨事・テクノロジー』

民主主義の壊れ方:クーデタ・大惨事・テクノロジー作者:デイヴィッド・ランシマン発売日: 2020/10/27メディア: 単行本(ソフトカバー)民主主義が現状まったく無問題に世界中で運用されている、と思う人はそうそういないだろう。民主主義は壊れつつある。あ…

学びだけでなく行動すること、挑戦することをあきらめたくない人へ──『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』

独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法作者:読書猿発売日: 2020/09/29メディア: 単行本(ソフトカバー)『独学大全』は、ネット上の書き手として、そして『アイデア大全』、『問題解決大全』で大きく話題になった読書猿による三…

アメリカの投票の公平性がいまもなお脅かされつづけていることを記した、闘いの歴史──『投票権をわれらに:選挙制度をめぐるアメリカの新たな闘い』

投票権をわれらに:選挙制度をめぐるアメリカの新たな闘い作者:アリ・バーマン発売日: 2020/06/16メディア: 単行本本書はアメリカにおける「投票権」をめぐる闘いを記した一冊である。これは本当にえらい本で、歴史的な流れとしてどのようにアメリカでアフリ…

リモートワークするならとりあえず読んでおくといい本──『リモートワークの達人』

リモートワークの達人 (ハヤカワ文庫NF)作者:ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン発売日: 2020/07/02メディア: 文庫この『リモートワークの達人』はソフトウェア開発会社の「ベースキャンプ」の創業者ジェイソン・フリードと同社の…

暗殺作戦、苦難のすべてがこの一冊にまとまった、圧倒的な密度を誇る大著──『イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史』

イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史(上)作者:ロネン バーグマン発売日: 2020/06/04メディア: Kindle版イスラエルの諜報機関──モサド、シン・ベト、アマンの3機関はその能力の高さから世界中に恐れられている。何より暗殺の作戦数が豊富で、一説によるとイス…

認知症患者にはどのように世界が見えているのか?──『今日のわたしは、だれ?』

今日のわたしは、だれ? (単行本)作者:ウェンディ・ミッチェル発売日: 2020/03/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この『今日のわたしは、だれ?』は、2014年に58歳で若年性の認知症の診断を受けた女性が綴ったブログ記事を中心にまとめたエッセイ/体験記…

民間経営の刑務所のあまりにもむごい実態が潜入調査によって明かされる!──『アメリカン・プリズン──潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス』

アメリカン・プリズン (潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス)作者:シェーン・バウアー発売日: 2020/04/30メディア: 単行本アメリカでは一部の刑務所の運営が民間に委託されている。実に150万人の受刑者のうちおよそ13万人だ。刑務所を民間に委託なんかし…

アメリカ最古の辞書出版社における奮闘──『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』

ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険作者:コーリー・スタンパー発売日: 2020/04/13メディア: 単行本2019年に、ウェブスター辞書に男や女を二分法で区別しない代名詞の「they」を追加するというニュースが飛び込んできて、日本でも少し話題になった。僕…

「スゴ本」を読みたいのであればまずこれを読めと手渡せる、スゴ本の人のスゴ本──『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』

わたしが知らないスゴ本は、 きっとあなたが読んでいる作者:Dain発売日: 2020/04/30メディア: Kindle版スゴ本の人のスゴ本が出た。日本の書評ブログ最大手である「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」の書き手Dainさんの初の著書である。D…