基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

その他のノンフィクション

皮肉と冗句と類まれなる洞察が横溢する、起業からFacebookまでの激闘IT戦記──『サルたちの狂宴』

本書『サルたちの狂宴』は、ゴールドマン・サックスでクオンツとして経歴をスタートさせ、シリコンバレーで起業した会社をTwitter社に売却し、Facebookにジョインした著者による激闘の日々を綴ったIT戦記である。起業し売却しFBに行ってとその経歴は華々しく…

信じがたい凶悪犯罪『花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』

花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生作者: デイヴィッドグラン,David Grann,倉田真木出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/05/17メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るまるで主題だけみるとミステリィ小説の書名の…

飛浩隆がいかに読み、書いてきたか──『ポリフォニック・イリュージョン 初期作品+批評集成』

ポリフォニック・イリュージョン作者: 飛浩隆出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/05/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見る作家・飛浩隆の文庫解説やら、書評やら、日本SF大賞の選評やら、本としてまとまっていない初期短編やらを集めた初…

現代の考古学を古代に書かれたものと組み合わせる──『先史学者プラトン 紀元前一万年―五千年の神話と考古学』

先史学者プラトン 紀元前一万年―五千年の神話と考古学作者: メアリー・セットガスト,山本貴光,吉川浩満出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2018/04/08メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る書名からだけではよくわからない本…

辺境作家と歴史家の「ここではない何処か」を追求する読書会──『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』

辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦作者: 高野秀行,清水克行出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2018/04/05メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る『世界の辺境とハードボイルド室町時代』で自由に…

整然とした本棚も雑然とした本棚も素晴らしい──『絶景本棚』

絶景本棚作者: 本の雑誌編集部,中村規出版社/メーカー: 本の雑誌社発売日: 2018/02/22メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (6件) を見る本の雑誌で行われていた、ひとの家にお邪魔して本棚を拝見してこような連載が書籍化。本棚は人の頭の…

トランプとは一体なんなのか──『炎と怒り――トランプ政権の内幕』

炎と怒り――トランプ政権の内幕作者: マイケルウォルフ,Michael Wolff,池上彰,関根光宏,藤田美菜子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/02/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る本国ではハリポッターかよというぐらいに売…

なぜオリンピック開催費はいつも見積もりどおりにいかないのか?『オリンピック秘史: 120年の覇権と利権』

オリンピック秘史: 120年の覇権と利権作者: ジュールズボイコフ,中島由華出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/01/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見る東京オリンピック・パラリンピックの大会運営費用や会場整備費用は、当初見込んでいた3013億…

お猫様にもっと奉仕するために──『猫はこうして地球を征服した 人の脳からインターネット、生態系まで』

猫はこうして地球を征服した: 人の脳からインターネット、生態系まで作者: アビゲイル・タッカー,西田美緒子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2017/12/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る先日のペットフード協会の発表によると、全国犬猫…

権利闘争、開発秘話、任天堂、伝説のゲームの裏側──『テトリス・エフェクト―世界を惑わせたゲーム』

テトリス・エフェクト―世界を惑わせたゲーム作者: ダン・アッカーマン,小林啓倫出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2017/11/01メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る今年はゲームとともに歩んだ人生録である『ゲームライフ――ぼくは黎明期…

スター・ウォーズには全世界が含まれる──『スター・ウォーズによると世界は』

スター・ウォーズによると世界は作者: キャス・R.サンスティーン,Cass R. Sunstein,山形浩生出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/11/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るけっこう変な本である。『実践 行動経済学』などの著作があり、オ…

ウエルベックによって、処女小説のようにして書かれたラヴクラフト評論──『H・P・ラヴクラフト:世界と人生に抗って』

H・P・ラヴクラフト:世界と人生に抗って作者: ミシェル・ウエルベック,スティーヴン・キング,星埜守之出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2017/11/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見るラヴクラフトという名、あるいはクトゥルフ神話が日本におい…

異常な試練にさらされた、きわめて平凡なヒーローたち──『レッド・プラトーン―14時間の死闘』

レッド・プラトーン 14時間の死闘作者: クリントンロメシャ,Clinton Romesha,伏見威蕃出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/10/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るいやはや、あまり時間がなかったこともあって暇はなかったのだ…

スティーヴン・キングがホラーについて語り尽くす──『死の舞踏: 恐怖についての10章』

死の舞踏: 恐怖についての10章 (ちくま文庫)作者: スティーヴンキング,Stephen King,安野玲出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2017/09/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る名著というのはだいたい何度も版を重ねるばかりか関係類者による新・…

ゲームと共に歩んだ人生録『ゲームライフ――ぼくは黎明期のゲームに大事なことを教わった』

ゲームライフ作者: マイケル・W・クルーン,武藤陽生出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2017/10/19メディア: 単行本この商品を含むブログを見る人生を振り返ってみると、いつもその傍らにはゲームがあった。プレイヤーの目の前に展開するゲームプログラムは…

いかにして洗脳するのか、またそこからの脱却プロセスについて──『家族をテロリストにしないために:イスラム系セクト感化防止センターの証言』

家族をテロリストにしないために:イスラム系セクト感化防止センターの証言作者: ドゥニア・ブザール,児玉しおり出版社/メーカー: 白水社発売日: 2017/09/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るヨーロッパではテロがたえない。それも…

マフィアスレイヤー──『復讐者マレルバ――巨大マフィアに挑んだ男』

復讐者マレルバ――巨大マフィアに挑んだ男作者: ジュセッペグラッソネッリ,カルメーロサルド,Giuseppe Grassonelli,Carmelo Sardo,飯田亮介出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/06/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見るかつて「マレルバ(雑草)」…

知を守るための戦い──『アルカイダから古文書を守った図書館員』

アルカイダから古文書を守った図書館員作者: ジョシュア・ハマー,梶山あゆみ出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2017/06/15メディア: 単行本この商品を含むブログを見る西アフリカに位置するマリ共和国には、トンブクトゥという都市がある。日本人からす…

三権分立の危うさ──『裁判所の正体 法服を着た役人たち』

裁判所の正体:法服を着た役人たち作者: 瀬木比呂志,清水潔出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2017/05/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る本書は、元裁判官、現在は明治大学法科大学院教授の瀬木比呂志さんと『殺人犯はそこにいる』…

シンギュラリティ神話への警鐘──『そろそろ、人工知能の真実を話そう』

そろそろ、人工知能の真実を話そう作者: ジャン=ガブリエルガナシア,伊藤直子,小林重裕出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/05/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る技術的特異点(シンギュラリティ)という概念がある。簡単に言…

究極のやり直し──『偽装死で別の人生を生きる』

偽装死で別の人生を生きる作者: エリザベス・グリーンウッド,赤根洋子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2017/05/15メディア: 単行本この商品を含むブログを見る返すあてのないほどの借金を背負った時に、どうすればいいのか。普通に考えれば取り得る選択肢…

犬ってすごい!──『ジャングルの極限レースを走った犬 アーサー』

ジャングルの極限レースを走った犬 アーサー作者: ミカエルリンドノード,Mikael Lindnord,坪野圭介出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/04/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る人生の大半を犬と過ごしてきた。だから心の底からの実感としていえ…

約15万円の講座を圧縮して読めるハイパフォーマンスな一冊──『SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録』

SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録作者: 大森望,東浩紀,長谷敏司,冲方丁,藤井太洋,宮内悠介,法月綸太郎,新井素子,円城塔,小川一水,山田正紀出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/04/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブロ…

歯止めなき内戦、その実態──『シリアからの叫び』

シリアからの叫び (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズII-15)作者: ジャニーン・ディ・ジョヴァンニ,古屋美登里出版社/メーカー: 亜紀書房発売日: 2017/03/04メディア: 単行本この商品を含むブログを見るシリアの国情は長い期間にわたって荒れ狂ってい…

トマ・ピケティ絶賛の"長篇小説"──『貧困の発明 経済学者の哀れな生活』

貧困の発明 経済学者の哀れな生活タンクレード ヴォワチュリエ,Tancrede Voituriez 早川書房 2017-02-23 AmazonKindle ピケティ絶賛と煽り文句のついている「貧困の発明」って本、おもしろそうな経済ノンフィクションだな〜〜と思ってよくみたら"長篇小説"で…

自然そのものの概念をもたらした男──『フンボルトの冒険―自然という<生命の網>の発明』

の発明" title="フンボルトの冒険―自然というの発明">フンボルトの冒険―自然というの発明作者: アンドレア・ウルフ,鍛原多惠子出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2017/01/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る本書は19世紀前半を代表する科学…

テクノロジー信仰への解毒剤──『テクノロジーは貧困を救わない』

テクノロジーは貧困を救わない作者: 外山健太郎,松本裕出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2016/11/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る外山健太郎さんという、日本人名の方が著者だったので最初日本語の本と思い読み始めたのだが、文章に…

『ユリシーズ』から『これはペンです』まで──『実験する小説たち: 物語るとは別の仕方で』

実験する小説たち: 物語るとは別の仕方で作者: 木原善彦出版社/メーカー: 彩流社発売日: 2017/01/23メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこの世には実験小説と呼ばれるたぐいの作品がある。実験=experimental というぐらいだから、要するに普通の小…

世はまさに大監視時代──『超監視社会: 私たちのデータはどこまで見られているのか?』

超監視社会: 私たちのデータはどこまで見られているのか?ブルース シュナイアー 草思社 2016-12-07 Amazon 現代は、誰もが携帯/スマホを持ち、車も家具もネットとつながっているのが当たり前になり網羅的な大量監視が空前の規模で実行される時代である。Kin…

なぜ子供たちはギャングになるのか──『マラス 暴力に支配される少年たち』

マラス 暴力に支配される少年たち作者: 工藤律子出版社/メーカー: 集英社発売日: 2016/11/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「マラス」という言葉を聞いたことがない人も多いだろうが、マスコミの用い方では中米を根城にする若者ギャング団のこ…