基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

賭けの考え方

賭け事は嫌いだけれども、賭けについて書かれた本は好きだ。 人生に偶然の出来事はつきものであり、勝ち負けに必ず偶然が絡む賭け事は偶然といかにして付き合ったらいいのかを教えてくれる。本書は賭け事の中でも主にポーカーについて書かれた本だ。しかし戦…

鬼物語

傾物語で真宵ほとんど出てこないやん、これじゃ忍物語だよ、と言ったかどうかはもうあんまり覚えてないが本書は傾物語と対になっている、補完されている。時系列上もそのまま続いているし、今回はむしろ「これじゃあ鬼物語じゃなくて傾物語だよ」という内容…

清涼院流水の小説作法

タイトルそのまま、清涼院流水先生の小説作法。本気で清涼院流水先生に小説の書き方を習おうと思っている人はいないだろう。 先生は自身の作品を小説の枠外にある「大説」と名付けているぐらい現代の小説の「ルール」からは外れている作家である。本書のまえ…

内部被曝の真実

一冊の本としての完成度は低いが今はこれでいい。 東京大学アイソトープ総合センター長(放射線の除染などに数十年関わっている専門家)の児玉龍彦氏が7/27日衆議院厚生労働委員会での発言・質疑応答が元となっている一冊。ほとんどそのまま文章化してい…

つぶやきのクリーム the cream of the notes

森博嗣先生の新刊。 発想の原点とも言える「呟き」が100個と、その補足で一冊の本になっている。 ブログの内容を方針転換しようかと検討してしまうほど身に痛い話も多々あった。 もう散々森博嗣先生については書いてきているので、目次だけ引用。……しよう…

恥知らずのパープルヘイズ −ジョジョの奇妙な冒険より−

あの上遠野浩平があのジョジョを小説化すると聞いて胸が沸き立たないファンがいるだろうか。 ましてや西尾維新がその後に続き、舞城王太郎が後詰で控えていると聞けば、僕のような全ての作家のファンである人間には嬉しくて仕方がない。一方で心配もあった。…

ゼロ年代の想像力

文芸批評といったものを毛嫌いしている僕ですが 本書はたいへん楽しめました。良かった一つは問題設定がキチンとしていること。 ゼロ年代の想像力というタイトルが示すとおり、ゼロ年代という新しい想像力が発揮されている場に適当できる批評が存在していな…

密室入門

「なぜ山(エベレスト)に登るのか?」 ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで訊かれた登山家ジョージ・マロリーは、こう答えた。 「そこに、それがあるからだ」 ミステリ作家への架空の質問に答えよう。 「なぜ密室を書くのか?」 「そこに、それがないか…

日本人の9割に英語はいらない

なるほど。 ちゃんと計算で「なぜ9割なのか」に対しての答えが出されている。 ただあまりにもざっくりとした計算でこれで納得する人がいるのかどうか疑問だけど……。「じゃあどれだけちゃんとした計算ならお前は納得するんだ」と聞かれると黙ってしまうので…

3・11の未来――日本・SF・創造力

執筆陣をみていただければわかると思うのだが、 これでもかというぐらい豪華。 序文の小松左京氏はこれが最後に発表された文章であるし 著名なSF作家も揃っている。 押井守までいる。 内容もがちがちの評論と、 SF作家、物語作成者ならではの視点が ちょうど…

いますぐ書け、の文章法

とかくこの世は文章法の本が数多く出版される。 なぜか、といえばそれだけ多くの人が文章力が欲しいと思っているからだし、 ぶっちゃけ文章法の本を読んでも効果が上がらないからである。 しかし勘違いしてはいけないのは、文章法の本に書いてあることは決し…

少女不十分

いまもっとも新刊を心待ちにしている作家は何を隠そう西尾維新である。 驚異的なスピードで作品を発表し続けているが、毎度毎度その内容の尖りっぷりに驚いてしまう。その驚きが楽しくて、いつしかいちばん新刊が楽しみな作家になっていた。作品ごとに方向性…

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン

トランスフォーマーシリーズ3作目にして最終作。 順調に1作目よりも2作目が、2作目よりも3作目がつまらなくなっていてここで終わってよかった。普段は極端につまらなかった物については何も書かないのだが今回はなんとなく書いておこう。僕は何よりも飽…

最新脳科学でわかった 五感の驚異

SF作家の円城塔先生がこれはすごいと書いていたのを読んで、読んでみた。 脳科学系の本は数多くあるが、僕が読んできた中でも屈指の出来。この本自体で新しい知見があるというわけではないが、ばらばらにちらばった脳に関する実験とその結果の数々を一つ一つ…