基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

瞑想を科学的に語り直す──『なぜ今、仏教なのか 瞑想・マインドフルネス・悟りの科学』

なぜ今、仏教なのか――瞑想・マインドフルネス・悟りの科学作者: ロバートライト,福岡伸一,魚川祐司,熊谷淳子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/07/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る我々は生活のすべてを自由意志で決定し…

小さな優しさの積み重ねが、世界を変える──《青春ブタ野郎》シリーズ

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない (電撃文庫)作者: 鴨志田一,溝口ケージ出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス発売日: 2014/04/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (9件) を見る《青春ブタ野郎》シリーズは、ダブルヒロインの…

二つの世界を認識できる能力者──『パラレルワールド』

SF

パラレルワールド作者: 小林泰三出版社/メーカー: 角川春樹事務所発売日: 2018/07/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る小林泰三最新刊は、少しずつ異なる形で分裂した二つの並行世界(パラレルワールド)を認識できるようになった少年と殺し屋の物語…

社会科学者らが立ち向かう困難──『歴史は実験できるのか 自然実験が解き明かす人類史』

歴史は実験できるのか――自然実験が解き明かす人類史作者: ジャレド・ダイアモンド,Jared Diamond,ジェイムズ・A・ロビンソン,James A. Robinson,小坂恵理出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2018/06/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) …

大規模な犯罪組織と化したFIFA──『レッドカード 汚職のワールドカップ』

大金動くところに賄賂あり。『レッドカード 汚職のワールドカップ』は、FIFAワールドカップを主催する国際サッカー連盟で行われていた、めくるめく賄賂、途方もない額のマネーロンダリングについて描かれた一冊である。2015年にはアメリカFBIの要請を受け、…

ジェット推進研究所でひたすら計算し続けた女性たちがいた──『ロケットガールの誕生: コンピューターになった女性たち』

ロケットガールの誕生: コンピューターになった女性たち作者: ナタリアホルト,秋山文野出版社/メーカー: 地人書館発売日: 2018/07/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見るジェット推進研究所(JPL)、という、NASAの中でも無人探査機などの研究開発に関…

うなぎ絶滅後の世界──『うなぎばか』

SF

うなぎばか作者: 倉田タカシ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/07/04メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る2013年に絶滅危惧種に指定されて以来ニホンウナギがマジでやばいことはだいぶ浸透してきたように思うが、まだま…

あなたはなぜ特定の色を好むのか?──『好き嫌い―行動科学最大の謎―』

好き嫌い―行動科学最大の謎―作者: トムヴァンダービルト,桃井緑美子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るあなたは何色が好きですか?と聞くと大抵の人はペラペラとこんな色が好きですと…

今年も素晴らしく質が高い年刊日本SF傑作選──『プロジェクト・シャーロック』

SF

プロジェクト:シャーロック (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)作者: 大森望,日下三蔵出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/06/29メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見るはい、毎年恒例日本のSF短編から質の高いものを選びぬいた年刊傑作選が…

蜜蜂が絶滅した世界──『蜜蜂』

SF

蜜蜂作者: マヤ・ルンデ,池田真紀子出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2018/06/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見る2009年に刊行された『ハチはなぜ大量死したのか』は衝撃的な一冊であった。原因不明の「蜂群崩壊症候群」によって2007年春までに北…

データ分析の失敗が社会にもたらす害悪──『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』

あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠作者: キャシー・オニール,久保尚子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2018/06/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る個人の信用度、職務遂行度、性格診断、投資モデルなど我々は…

なぜギャンブルにハマってしまうのか──『デザインされたギャンブル依存症』

デザインされたギャンブル依存症作者: ナターシャ・ダウ・シュール,日暮雅通出版社/メーカー: 青土社発売日: 2018/06/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るギャンブル依存というと「依存するほうが悪い。とっととやめればいいんだ…

なぜ、宇宙を目指したのか?──『天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow?』

天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow? (講談社タイガ)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/06/22メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る細胞を入れ替えることによって人間が寿命による死を乗り越え、人間とは…

サウス・セントラル・ロサンゼルスのシャーロック・ホームズ──『IQ』

IQ (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ジョーイデ,熊谷千寿出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/19メディア: 文庫この商品を含むブログを見る日系アメリカ人であるジョー・イデによる『IQ』は、黒人を主人公に据え、『ベイカー街の脳をサウス・セントラル…

皮肉と冗句と類まれなる洞察が横溢する、起業からFacebookまでの激闘IT戦記──『サルたちの狂宴』

本書『サルたちの狂宴』は、ゴールドマン・サックスでクオンツとして経歴をスタートさせ、シリコンバレーで起業した会社をTwitter社に売却し、Facebookにジョインした著者による激闘の日々を綴ったIT戦記である。起業し売却しFBに行ってとその経歴は華々しく…

ビル・ゲイツが絶賛しオバマ前大統領が楽しんだ本格宇宙SF──『七人のイヴ Ⅰ』

SF

七人のイヴ ? (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: ニール・スティーヴンスン,日暮雅通出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/19メディア: 新書この商品を含むブログを見るサイバーパンクの傑作として名高い『スノウ・クラッシュ』、ナノテクの発達によっ…

一篇の詩のような戦争文学──『奥のほそ道』

奥のほそ道作者: リチャード・フラナガン,渡辺佐智江出版社/メーカー: 白水社発売日: 2018/05/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見る旧日本軍と大量の捕虜によって建設された泰緬鉄道は、コレラやマラリアの流行、休みなく続く過酷な労働状況と拷問…

ブラックホールに身を投げたらどんな最後を迎えるのか?──『とんでもない死に方の科学: もし○○したら、あなたはこう死ぬ』

とんでもない死に方の科学: もし○○したら、あなたはこう死ぬ作者: コーディー・キャシディー,ポール・ドハティー,梶山あゆみ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/06/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る身近な疑問を物理的に追求していくと…

創薬の歴史、その苦難──『新薬の狩人たち――成功率0.1%の探求』

新薬の狩人たち――成功率0.1%の探求作者: ドナルド R キルシュ,オギオーガス,寺町朋子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/05メディア: 単行本この商品を含むブログを見る風邪をひいたり精神を病んだりして病院にいくとお薬をもらうわけだが、その薬は…

科学とSFが交わる刺激的な場所──『広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由』

広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由作者: スティーヴン・ウェッブ出版社/メーカー: 青土社発売日: 2018/05/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見るなぜこの宇宙には我々しかいないのか。いったいみんなはどこにいるの…

自然界の凄い機構をパクる『生物模倣――自然界に学ぶイノベーションの現場から』

生物模倣――自然界に学ぶイノベーションの現場から作者: アミーナ・カーン,松浦俊輔出版社/メーカー: 作品社発売日: 2018/05/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見る生物模倣、バイオミミクリーという用語がある。これは端的にいえばアリやハチが持っ…

信じがたい凶悪犯罪『花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』

花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生作者: デイヴィッドグラン,David Grann,倉田真木出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/05/17メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るまるで主題だけみるとミステリィ小説の書名の…

恒川光太郎が描く、終末へと向かう世界──『滅びの園』

SF

滅びの園 (幽BOOKS)作者: 恒川光太郎出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2018/05/31メディア: 単行本この商品を含むブログを見るホラー、ファンタジィ、幻想といった要素の混交した特異な手触りの作品を書いてきた恒川光太郎だが、その中でも『金色機械』など…

飛浩隆がいかに読み、書いてきたか──『ポリフォニック・イリュージョン 初期作品+批評集成』

ポリフォニック・イリュージョン作者: 飛浩隆出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/05/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見る作家・飛浩隆の文庫解説やら、書評やら、日本SF大賞の選評やら、本としてまとまっていない初期短編やらを集めた初…

ル=グウィンによるギフトのギフト──〈西のはての年代記〉

ギフト 西のはての年代記? (河出文庫)作者: アーシュラ・K・ル=グウィン,谷垣暁美出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/02/04メディア: 文庫 クリック: 13回この商品を含むブログ (15件) を見る普段このブログでは比較的新しい本について書いているの…

『ストーナー』の著者による、恐ろしいほどに美しい物語──『ブッチャーズ・クロッシング』

ブッチャーズ・クロッシング作者: ジョン・ウィリアムズ,布施由紀子出版社/メーカー: 作品社発売日: 2018/02/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る『ストーナー』が”再発見”されたジョン・ウィリアムズの第二作目がこの『ブッチャーズ・クロ…

意識から意識へ飛び移り数百年を生きる”ゴースト”たち──『接触』

SF

接触 (角川文庫)作者: クレア・ノース,雨海弘美出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2018/05/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る『ハリー・オーガスト、15回目の人生』で”ループ物”の新境地を切り開いてみせたクレア・ノースによる第二作目の…

九歳でロケット、十四歳で核融合炉を作った「天才」──『太陽を創った少年』

この世には「ギフテッド」と呼ばれる神から与えられたとしか思えない才能を持つ凄い人間たちがいる。そのうちの一人がアメリカ、アーカンソー州生まれのテイラー・ウィルソン少年だ。彼は9歳で高度なロケットを”理解した上で“作り上げ、14歳にして5億度のプ…

サイエンス・フィクションとしておもしろい──『全脳エミュレーションの時代:人工超知能EMが支配する世界の全貌』

全脳エミュレーションの時代(上):人工超知能EMが支配する世界の全貌作者: ロビン・ハンソン,-,小坂恵理出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2018/03/01メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る全脳エミュレーションの時代(…

異様な韓国文学──『鯨』

鯨 (韓国文学のオクリモノ)作者: チョン・ミョングァン,斎藤真理子出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2018/05/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこの『鯨』は韓国作家チョン・ミョングァンによる文学作品である。「今」の世代を代表する作家たちの…