基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

それぞれ異なる味で楽しませてくれる、傑作巨大人型ロボットSF三部作がついに完結!──『巨神覚醒』

SF

巨神降臨 上 (創元SF文庫)作者: シルヴァン・ヌーヴェル,佐田千織出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/05/21メディア: 文庫この商品を含むブログを見るシルヴァン・ヌーヴェルのデビュー作『巨神計画』から始まる巨大人型ロボットSF三部作が、この『…

脳科学・神経科学的な観点からの専門的な記述に支えられた「発想法」──『柔軟的思考 困難を乗り越える独創的な脳』

柔軟的思考 困難を乗り越える独創的な脳作者: レナード・ムロディナウ,水谷淳出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2019/05/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見る変化のはやい時代、これまでになかった新しいアイデアを生み出す必要性が増している…

データ化すれば客観的に評価できるという考えの落とし穴──『測りすぎ──なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』

測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?作者: ジェリー・Z・ミュラー,松本裕出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2019/04/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る僕の本業はWebプログラマで、こうした職業としてはありがちなこととして何社…

「偶然」を仕掛けて世界をコントロールする秘密工作員──『偶然仕掛け人』

偶然仕掛け人作者: ヨアブ・ブルーム,高里ひろ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2019/04/05メディア: 単行本この商品を含むブログを見る人生は偶然によって支配されている。どこの誰の家に生まれるのか、どのような遺伝子配分になりその生活の中でどのような…

エネルギーという唯一無二の普遍通貨から見た人類史──『エネルギーの人類史』

エネルギーの人類史 上作者: バーツラフ・シュミル,塩原通緒出版社/メーカー: 青土社発売日: 2019/03/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る人間の営みはいかにして多くのエネルギーを得るか、また存在しているエネルギーをいかに効…

村上春樹☓柴田元幸対談集──『本当の翻訳の話をしよう』

本当の翻訳の話をしよう作者: 村上春樹,柴田元幸出版社/メーカー: スイッチパブリッシング発売日: 2019/05/09メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「本当の翻訳の話をしよう」とはいうものの誰も知らない翻訳の真実がここに! ということは全然なく(…

(読書)日記のおもしろさについて

最近noteで読書日記的なものを書いている。 note.mu なぜ突然日記を書き始めたのかといえば、フリースタイル的な文章に憧れがあり、これまで何度も書いてきた(何度もやめた)延長と、noteで書き心地を試してみたかったから、という状況が噛み合ったにすぎない…

〈ゲーム・オブ・スローンズ〉原作者のSF短篇集──『ナイトフライヤー』

ナイトフライヤー (ハヤカワ文庫SF)作者: ジョージ・R・R・マーティン,鈴木康士,酒井昭伸出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/05/02メディア: 文庫この商品を含むブログを見るゲーム・オブ・スローンズの最終章の終幕が間近に迫るさなか、その原作者ジョ…

偶然によって彩られた混沌(幻想/SF/刑事/ロード/能力者バトル/登山……etc)小説──『偶然の聖地』

SF

偶然の聖地作者: 宮内悠介出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/04/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る宮内悠介さんが雑誌『IN POCKET』にて数年に渡って連載していた長篇小説である。怜威という令和の時代にふさわしい名前の人物が、遠い血縁関…

脳に世界そのものが直接叩き込まれていく系SF──『宿借りの星』

SF

宿借りの星 (創元日本SF叢書)作者: 酉島伝法出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/03/29メディア: 単行本この商品を含むブログを見る作品数こそ少ない一方でその存在力は圧倒的な酉島伝法、『皆勤の徒』に続く第二作がこの『宿借りの星』である。『皆…

人類にはふたつの惑星という保険が要る──『人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ』

人類、宇宙に住む: 実現への3つのステップ作者: ミチオ・カク,斉藤隆央出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2019/04/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る理論物理学者にして、ディスカバリーチャンネルへの出演など、広く科学の啓蒙に勤めるミチオ・…

生物種の覇権を賭けて、女子高生18人がデスゲームに巻き込まれる!──『大進化どうぶつデスゲーム』

SF

大進化どうぶつデスゲーム (ハヤカワ文庫JA)作者: 草野原々,TNSK出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/04/18メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『最後にして最初のアイドル』でデビューした草野原々の最新作は進化の歴史を賭けて女子高生たちが800…

何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史──『世にも危険な医療の世界史』

世にも危険な医療の世界史作者: リディアケイン,ネイトピーダーセン,Lydia Kang,Nate Pedersen,福井久美子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2019/04/18メディア: 単行本この商品を含むブログを見る現代でもインチキ医療、危険な医療はいくらでも見つけるこ…

女性のみ、一日に喋れる語数が百語までに制限された社会を描くディストピアSF──『声の物語』

SF

声の物語 (新ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: クリスティーナダルチャー,オートモアイ,市田泉出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/04/18メディア: 新書この商品を含むブログを見るクリスティーナ・ダルチャーの2018年に刊行されたばかりのデビュー長篇…

ドラゴンカーセックス奇譚から人が死んだら電柱になる世界の話まで揃った奇想短篇集──『流れよわが涙、と孔明は言った』

流れよわが涙、と孔明は言った (ハヤカワ文庫JA)作者: 三方行成出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/04/18メディア: 文庫この商品を含むブログを見るシンデレラや竹取物語といった童話が、もし人間が科学技術によってその姿を変質させたトランスヒューマ…

高尚な理由の背後に潜む、高尚ではない動機──『人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学』

人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学作者: ロビン・ハンソン,ケヴィン・シムラー,大槻敦子出版社/メーカー: 原書房発売日: 2019/02/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る人の行動にはわかりやすいひとつだけの理由ではなく、複数の動機が存…

粘菌コンピュータによって思考する少女人形、天皇機関を中心とした伝奇SF──『ヒト夜の永い夢』

SF

ヒト夜の永い夢 (ハヤカワ文庫 JA シ 10-3)作者: 柴田勝家出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/04/18メディア: 文庫この商品を含むブログを見るド真ん中のSFからキャラ文芸まで幅広くこなす作家・柴田勝家の最新作は、1927年、昭和2年を舞台の開始地点…

制作者による技術論から批評家による多様な視点まで──『アニメ制作者たちの方法 21世紀のアニメ表現論入門』

アニメ制作者たちの方法 21世紀のアニメ表現論入門 (Next Creator Book)作者: 高瀬康司,片渕須直,京極尚彦,井上俊之,押山清高,泉津井陽一,山田豊徳,山下清悟,土上いつき,土居伸彰,久野遥子,藤津亮太,石岡良治,渡邉大輔,泉信行,古谷利裕,吉村浩一,福本達也,原…

次の世界への道標──『光の量子コンピューター』

光の量子コンピューター (インターナショナル新書)作者: 古澤明出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2019/02/07メディア: 新書この商品を含むブログを見る光子を用いた量子コンピュータについての一冊である。決して光のコンピュータがあるか…

終末的な世界を少女とロボットが旅をする、絶景ノベル──『エレクトリック・ステイト』

SF

エレクトリック・ステイト THE ELECTRIC STATE作者: Simon Stålenhag,シモン・ストーレンハーグ,山形浩生出版社/メーカー: グラフィック社発売日: 2019/04/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見るスウェーデン出身のシモン・ストーレンハーグによって…

極上の華文ミステリィ短篇集──『ディオゲネス変奏曲』

ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)作者: 陳浩基,稲村文吾出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/04/03メディア: 新書この商品を含むブログを見る著者は警察小説『13・67』で一躍日本で名を馳せた陳浩基であり、本書は著者による全17篇を収…

当たり前のこととして人を喰う部族──『人喰い ロックフェラー失踪事件』

人喰い (亜紀書房翻訳ノンフィクションシリーズIII-8)作者: カール・ホフマン,奥野克巳,古屋美登里出版社/メーカー: 亜紀書房発売日: 2019/03/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見るアメリカ合衆国代41代副大統領のネルソン・ロックフェラーの息子、…

欠陥まみれのGDP──『幻想の経済成長』

幻想の経済成長作者: デイヴィッドピリング,David Pilling,仲達志出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/03/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る一般的に経済成長はいいものだとされる。経済成長の計測については国内総生産、GDP…

都知事狙撃事件の〝真犯人〟を追うド真ん中のクライム・サスペンス──『泥の銃弾』

泥の銃弾(上) (新潮文庫)作者: 吉上亮出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2019/03/28メディア: 文庫この商品を含むブログを見るこの『泥の銃弾』は『PSYCHO-PASS』関連のスピンオフノベライズや劇場版脚本で縦横無尽の活躍をする吉上亮の久しぶりのオリジナル長…

イーガンの最良の部分が詰まった傑作SF短篇集──『ビット・プレイヤー』

ビット・プレイヤー (ハヤカワ文庫SF)作者: グレッグイーガン,山岸真,Rey.Hori出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/03/20メディア: 文庫この商品を含むブログを見るイーガンの最新邦訳短篇集である! イーガンは最近は『シルトの梯子』やら〈直交〉三部作…

多彩で多才な中国作家によるSF短篇集──『郝景芳短篇集』

郝景芳短篇集 (エクス・リブリス)作者: 郝景芳,及川茜出版社/メーカー: 白水社発売日: 2019/03/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見る中国の作家郝景芳(ハオ・ジンファン)初の邦訳短篇集である。日本では作家ケン・リュウによって編訳された中国SF…

異常な傑作──『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール 』

雛口依子(ひなぐちよりこ)の最低な落下とやけくそキャノンボール作者: 呉勝浩出版社/メーカー: 光文社発売日: 2018/09/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る呉勝浩さんの作品はこれが初読だが、異常な傑作であった。最近僕はKindle…

原初の図書館から空想上の図書館まで──『図書館巡礼 「限りなき知の館」への招待』

図書館巡礼:「限りなき知の館」への招待作者: スチュアートケルズ,小松佳代子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/03/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る図書館巡礼という名の通り、本書は世界各地の図書館について、本のない時代からボルヘス…

この世に存在する思考のすべてが記録された図書館──『叡智の図書館と十の謎』

叡智の図書館と十の謎 (中公文庫)作者: 多崎礼出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2019/02/22メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『叡智の図書館と十の謎』は多崎礼さんが中央公論新社の『小説BOC』に連載していた一〇の短篇小説をまとめたものにな…

『マルドゥック・アノニマス 4』と『マルドゥック・デーモンズ』

SF

マルドゥック・アノニマス4 (ハヤカワ文庫JA)作者: 冲方丁,寺田克也出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/03/20メディア: 文庫この商品を含むブログを見るはい、冲方丁《マルドゥック》シリーズ最新作であるアノニマスの4巻と、公式スピンオフ漫画皆本形介…