基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

エッセイ

自分がどうやって、どのような経路でSFに入門したのか

今度8月6日に埼玉で行われるSF大会の一企画で、「SF入門書で「SF再入門」」という企画を牧眞司さん、池澤春菜さんと僕の三人で行う予定なのだけど、このイベント前に一度「自分はそもそもどうやってSFに入門したんだっけ?」を振り返っておこうと思った。そ…

『ゲド戦記』や『闇の左手』のル・グインによる、最後のエッセイ──『暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて』

暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて: ル=グウィンのエッセイ作者:アーシュラ・K・ル=グウィン出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2020/01/25メディア: 単行本ル・グインは何をおいても『闇の左手』や『ゲド戦記』の、類まれなSF作家・ファ…

整理をしないという整理──『アンチ整理術』

アンチ整理術作者: 森博嗣出版社/メーカー: 日本実業出版社発売日: 2019/11/08メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る森博嗣氏の新刊である。今回のテーマは「整理術」──というが、長年森氏の日記を読んでいる人からすれば当然わかるよ…

うつに殺されないために──『#生きていく理由 うつヌケの道を、見つけよう』

#生きていく理由 うつヌケの道を、見つけよう作者: マットヘイグ,那波かおり出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/04/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る本書『#生きていく理由 うつヌケの道を、見つけよう』は、小説『今日か…

ゲームプレイヤーの人生を綴ったIGNの人気連載の書籍化──『電遊奇譚』

電遊奇譚 (単行本)作者: 藤田祥平出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2018/04/13メディア: 単行本この商品を含むブログを見るネットを日夜徘徊している人はIGN Japanの連載「電遊奇譚」を読んだことがあるかもしれない。たとえば、母が頸を吊って死に、その後…

諸国の教育現場をまわり、良いところ悪いところを比較する──『日本の15歳はなぜ学力が高いのか?:5つの教育大国に学ぶ成功の秘密』

日本の15歳はなぜ学力が高いのか?:5つの教育大国に学ぶ成功の秘密作者: ルーシークレハン,苅谷剛彦,橋川史出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/10/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る本書は、『日本の15歳はなぜ学力が高いのか?:5つの…

読書によって夫婦の相互理解は深まるのだろうか?──『読書で離婚を考えた。』

読書で離婚を考えた。作者: 円城塔,田辺青蛙出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2017/06/22メディア: 単行本この商品を含むブログを見る円城塔、田辺青蛙の小説家夫婦が、課題本を出し合い交互にその本についてのエッセイを連載することによって、夫婦の相互理…

本を読んで変わる人生

人を動かす 文庫版作者: D・カーネギー,山口博出版社/メーカー: 創元社発売日: 2016/01/26メディア: 文庫この商品を含むブログ (7件) を見る大学生で暇で暇でしょうがなかった時、学内新聞をつくろうと思ったことがある。*1立派な大学なら学内新聞の二つや三…

この十年間のSFをめぐる状況──『現代SF観光局』

現代SF観光局作者: 大森望出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/09/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る表紙にババーン! と「THE INSTRU-MENTALITY OF SCIENCE FICTION」とあって、それがあまりにも格好いいために「いったい何が始まるんで…

人類社会と昆虫の多様な関係──『昆虫の哲学』

昆虫の哲学作者: ジャン=マルク・ドルーアン,辻由美出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2016/05/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る昆虫の哲学と言われてもいったいなんの事なのかよくわからないが、著者によれば次のように説明される。…

翻訳出版が冒険であった時代──『翻訳出版編集後記』

翻訳出版編集後記作者: 常盤新平出版社/メーカー: 幻戯書房発売日: 2016/05/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る常盤新平さんが「出版ニュース」にて1977年から1979年までにかけて連載されていた、早川書房で翻訳出版に携わってい…

作家・冲方丁による物語論/人生論──『偶然を生きる』

偶然を生きる (角川新書)作者: 冲方丁出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2016/03/10メディア: 新書この商品を含むブログを見るもうすぐ(3/24)マルドゥック・スクランブルをはじめとするシリーズ最新作『マルドゥック・アノニマス』の一巻が出るので…

ノンフィクション版"ファイト・クラブ"──『人はなぜ格闘に魅せられるのか――大学教師がリングに上がって考える』

人はなぜ格闘に魅せられるのか――大学教師がリングに上がって考える作者: ジョナサン・ゴットシャル,松田和也出版社/メーカー: 青土社発売日: 2016/02/26メディア: 単行本この商品を含むブログを見る あんまり関係ないけどフリースタイルダンジョンの話 フリ…

パイロットだけど何か質問ある?──『グッド・フライト、グッド・ナイト──パイロットが誘う最高の空旅』

グッド・フライト、グッド・ナイト──パイロットが誘う最高の空旅作者: マーク・ヴァンホーナッカー,岡本由香子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/02/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るついうっかりまとめサイトみたいな記…

君たちが大好きだ。心から──『これで駄目なら 若い君たちへ――卒業式講演集』

これで駄目なら 若い君たちへ――卒業式講演集作者: カート・ヴォネガット,円城塔出版社/メーカー: 飛鳥新社発売日: 2016/01/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るヴォネガット最後の著作となったエッセイ集『国のない男』が2007年に日本でも…

私はよくも悪くもストーリーテラーだ──『道程:オリヴァー・サックス自伝』

道程:オリヴァー・サックス自伝作者: オリヴァー・サックス,大田直子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/12/18メディア: 単行本この商品を含むブログを見る今年の8月に亡くなったオリヴァー・サックスであるが、まだ生きているうちから翻訳が進められて…

「使命」ではなく職業的作家の「仕事」として──『作家の収支』

作家の収支 (幻冬舎新書)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2015/11/28メディア: 新書この商品を含むブログを見る作家・森博嗣さんによる作家業における全体の収支を明かした一冊になる。そもそも、いくら儲かりましたぜげへへみたいな金儲けの話…

小説家であり続けることの難しさ──『職業としての小説家』 by 村上春樹

職業としての小説家 (Switch library)作者: 村上春樹出版社/メーカー: スイッチパブリッシング発売日: 2015/09/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る本書『職業としての小説家』は、村上春樹さんが1979年のデビュー以来35年以上にわたって作…