基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

10人の人間とライオンと馬に取り憑かれた魔術師──『魔術師ペンリック』

魔術師ペンリック (創元推理文庫)作者: ロイス・マクマスター・ビジョルド,鍛治靖子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/09/28メディア: 文庫この商品を含むブログを見るロイス・マクスター・ビジョルドの代表作の一つ、五つの宗教や魔術が存在する世界…

〈水なし洪水〉が押し寄せた人類の終末を描く──『洪水の年』

SF

洪水の年(上)作者: マーガレット・アトウッド,佐藤アヤ子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2018/09/22メディア: 単行本この商品を含むブログを見る洪水の年(下)作者: マーガレット・アトウッド,佐藤アヤ子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2018/09/22メデ…

植物状態の患者に意識はあるのか『生存する意識──植物状態の患者と対話する』

生存する意識作者: エイドリアン・オーウェン,柴田裕之出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2018/09/19メディア: 単行本この商品を含むブログを見る植物状態というと、通常は意識が完全にシャットアウトされ、意思疎通をはかることが困難な状態だという理解…

ドーピングはいかに人体に作用するのか──『走る、泳ぐ、ダマす アスリートがハマるドーピングの知られざる科学』

走る、泳ぐ、ダマす アスリートがハマるドーピングの知られざる科学作者: クリス・クーパー,西勝英出版社/メーカー: 金芳堂発売日: 2018/09/07メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るアスリートのドーピング使用が発覚してメダルが剥奪…

SFファン交流会向けに作った冬木糸一の文学リスト

先週の土曜日、SFファン交流会で文学について牧さんと西崎さんと語る機会がありまして、事前に質問に答えて作ってきたリストが下記になります。特に縛りはありませんでしたが、いちおうSFファン交流会ということでどれもSFっぽい要素のある作品を選ん…

毎朝目が覚めると別の人間になっている──『エヴリデイ』

SF

エヴリデイ (Sunnyside Books)作者: デイヴィッドレヴィサン,David Levithan,三辺律子出版社/メーカー: 小峰書店発売日: 2018/09/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見る毎朝目が覚めた時、別の人間に乗り移るとしたら、その人物はいったいどのような…

早川書房の電子書籍「海外SFセール」がきたので個人的オススメを紹介する2018年版

SF

去年も早川書房は「海外SFセール」をやっていたのだけれども、今年もやりはじめたようなので個人的おすすめを紹介します。今回も大体半額になっている! お得! しかもシリーズ物が多くて素晴らしい。とくにセール対象が代わり映えしないようなら前回の記…

”時間”とは人間にとって何なのか── 『タイムトラベル 「時間」の歴史を物語る』

タイムトラベル 「時間」の歴史を物語る作者: ジェイムズグリック,夏目大出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2018/08/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「タイムトラベル」といえばこれを読んでいる多くの人は「あーはいはい」とその意味するところ…

我々は今後土をどう扱っていけばいいのか──『土・牛・微生物ー文明の衰退を食い止める土の話』

土・牛・微生物ー文明の衰退を食い止める土の話作者: デイビッド・モントゴメリー,片岡夏実出版社/メーカー: 築地書館発売日: 2018/08/31メディア: 単行本この商品を含むブログを見る『銃・病原菌・鉄』みたいな書名だが中身は土と農業の話である。著者のデ…

華文ミステリにして重い百合──『元年春之祭』

元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ)作者: 陸秋槎,稲村文吾出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/09/05メディア: 新書この商品を含むブログを見る華文ミステリである。著者の陸秋槎さんは現在金沢に住んでいるようだが、本自体は普通に中国語で書かれ、刊行さ…

人類はこれから何を目指すのか──『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』

ホモ・デウス 上下合本版 テクノロジーとサピエンスの未来作者: ユヴァル・ノア・ハラリ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/09/06メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るホモ・サピエンスが特別な地位を築き上げることができたのは、伝説や神…

”神のお告げ”を聴く分隊長──『接続戦闘分隊: 暗闇のパトロール』

SF

接続戦闘分隊: 暗闇のパトロール (ハヤカワ文庫SF)リンダ ナガタ 早川書房 2018-09-05 AmazonKindle 本書は『極微機械ボーア・メイカー』や『幻惑の極微機械』などで知られるリンダ・ナガタによるミリタリーSFである。ミリタリーSFというと有名ドコロの…

デビュー作にして超ド級の傑作ハードSF──『ランドスケープと夏の定理』

SF

ランドスケープと夏の定理 (創元日本SF叢書)作者: 高島雄哉出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/08/30メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る本書『ランドスケープと夏の定理』は第5回創元SF短編賞を受賞した高島雄哉の、受賞作を端緒とする…

全長1.6キロメートルにも及ぶ巨大な竜──『竜のグリオールに絵を描いた男』

竜のグリオールに絵を描いた男 (竹書房文庫)作者: ルーシャス・シェパード,内田昌之出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2018/08/30メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見るなぜこの世界には竜がいないのか。他の何がなくてもいいから、竜だけは──”恐竜…