基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

僕の好きな人が、よく眠れますように/中村航

な、な・・・。なんじゃこりはああああ。こ、これが恋愛小説というやつだったのか・・・。知らなかった。何も知らなかった。びっくりした。これが恋愛小説だったとは。どうしようもなく惹かれあう僕と彼女、だが、ふたりには恋が許されない理由があった・・・というキャッチコピーからして、ロミオとジュリエットかー・・・とあまりわくわくしないで読み始めたのだが、なんだかすごかった。うむ、凄かったというのが一番的確だろう。何が起こっているのか理解できなかった。読んでいる最中何度もな・・・な・・なんじゃこりはああああああああああああうわああああと叫びだしたくなり、ごろごろと転げまわり血ヘドを吐きそうになりながら読んでいた。そして主人公を呪い殺したくなりこいつらを殺すことができるのならば悪魔に魂を売り渡してもかまわん! とまで思い至った。

こいつらのバカップル描写といったら凄いというほかない。平然と銀河より好き、私も好き、俺の方がもっと好きだよ、海より好きだよ、などの発言が繰り返されて繰り返されてあーああーあーあーあーうわあああああ。な、なんだこれえええ。いったいこいつらが何度お互いに好き、と言い合う場面が書かれていた事か! しかもこいつらが、不倫はいけないことだから、握手してすっぱりきっぱりわかれようぜ! という場面。握手した後離せなくなって、離せないよおおと泣きだす。ドッカーン! 恋は爆発だ! ドガーンバガーン! んじゃめなああああ。 これはあれか、わたくしの恋愛経験が少ないから楽しめないのですか神様! 助けてー助けてー。呪いの声しか出てこない。呪いじゃあああ。しかもこいつらが高校生ぐらいだったらまだしも、大学院の2年ってどういうこと!? いくつになってもこんなあまあまな恋愛はできるんだよっていうメッセージ!? それだったら80歳ぐらいのばーさんとじーさんでやってもよろしいのでは? 50年目の不倫! とか超面白そうだけど。いや、そんなことないか。

最後は多分不倫相手の旦那さんと直接対決するんだろうな、と思っていたら全然そんなことなかった。つーかヘタレだよな、基本的に中村航の主人公。今回だって最後彼女のところまで行くかどうかを、紅白で白が勝ったら行く・・・とか言っちゃうしさ。それは絶対に行かないよな。明日からがんばる理論だよ。本当に行きたかったら白が勝ったらなんて言わずに無言で行くもん。いちいち紅白に自分の決断を任せなきゃいけないようなのは、決断じゃねぇ。だからこそ最後、白が負けたと知って泣いたんじゃないのか? 自分が行くことにならなくてよかったと思ったんじゃないんか? なにしろ、北海道に突然おしかけたらどうしたって彼女は彼氏にいいわけをしなくちゃいけないもんな。危なすぎる。そんな危ない橋を渡るつもりだったのか。本当に。いざとなったら旦那と直接対決をする勇気があったのか、こいつに。ぐるぐるぐるぐるじゃねえんだよ。ぐるぐる回るすべり台といい、どうしてこうも意志力にかける主人公ばかりなのか。
それに、旦那さんまったく出てこないし。具体的に悩むところが、ひとつも書かれていない。なんだこれ。旦那さん空気? 

後この主人公常に酔っぱらっているよな。結構場面転換激しかったけど、どの場面でも酒飲んでる。酒を飲んでないと何もできないのかお前は。あと友達がいないのかお前には。友達の描写が全くない。

やけに妹が強い。最初はメールしかしてこなかったのに、終盤になり家に突然おしかけてくる。エロゲかライトノベルだったら確実に何かが起こる。エロゲでもライトノベルでもないから起こらないが。家に泊めてくれたらなんでもするから! とか言っちゃう妹。キャッチコピーの恋が許されない理由ってひょっとして妹とできちゃうんじゃねーの!? と滅茶苦茶な推論を働かせるぐらいにこの二人怪しすぎる。でもそんな展開にはならなくてヨカッター・・・。なんでもいうこときくって言ったよな? とかいいながらあんなことやこんなことを要求する兄貴じゃなくてよかった・・・・。このあと妹と兄と兄の彼女と彼女の夫との泥沼の戦いが始まるかもしれないと想像するとわくわくが止まらないぜ。なんというカオス。いや、始まらないだろうけどな。