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バカとテストと召喚獣 2/井上堅二

バカとテストと召喚獣 2 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣 2 (ファミ通文庫)

 合い間に挿入されるテストと、本編といいやはり一巻の衝撃から比べると幾分パワーダウンした感があるがイラストの魔力で全てが帳消しになる。素晴らしいイラストである。作者が興奮するのもよくわかる。そして相変わらず会話のリズムが素晴らしい。この先どう展開していくのかわからないけれど、この会話のリズムが維持されるのならば読み続けようと思うぐらいの秀逸さ。個人的にこの作品のどこを楽しんでいるかを分割すると、絵が二割、島田美波他秀吉などのヒロイン勢のラブコメ三割、会話のリズム(ボケとツッコミ)五割といったところか。あと抜いちゃいけないのが合い間のテストだが、これを入れると十割を超えてしまう。限界を突破した面白さという事で。この会話のリズムというのが、アニメ化された時にどう変わってしまうのかが非常に気がかりである。会話のリズムといえば化物語もだなあ。化物語でボケとツッコミがアニメで違和感なく表現されていたらこちらにも希望が持てるのだけれども。あっちは文字でしかできないボケも多々あったりしてハードルは異常に高いが。化物語の新房監督かく語りき

――いい話です(笑)。小説を読まれた感想は?
新房 キャラクター・ストーリーなど、様々なおもしろさの中で、会話のおもしろさは特徴的だと感じました。なので、ヘンにいじったりせず会話をそのままフィルムにしたいと思いました。私自身もアニメにするならその会話を聞きたいと感じたので。
――会話をそのままフィルムにするとは、どういうことでしょう。
新房 文字と映像の境目をあいまいにしたいということかな。単純に映像に置き換えるということではなく、映像の中に、小説の気配を残したいと感じています。
 もっと言えば、”『化物語』”をアニメ化する為の唯一無二の方法論を探っています。今までも演出に文字を使ったりしていたので、そういう方向での試みもやれればと。大注目!「化物語」新房監督インタビュー!より

同じぐらいの心意気でやってもらいたいものだが、良く考えたらこれは化物語だからこその話であって、バカとテストにそのままあてはめる理由もない。会話のリズムも小説をアニメにすると長かったり長かったり、ありえない感じになったり(カラマーゾフの兄弟のような長いセリフを実際にドラマや映画でやったら大変なことになるように)することが多いが、かといって削られると違和感が…。しかし漫才に近いボケとツッコミなので音声的にも大丈夫か?そう考えると会話のリズムもたいしたことはない。召喚獣が戦うのも視覚的に面白いし、アニメ化しやすい作品かもしれない。

次に二割を担っているイラストの問題で、この人の絵がアニメ化したらどう変わってしまうかが死活問題である。まあ実際に放映が始まるのは2010年なのでいろいろ気に病んでも仕方がない。ああ、ほとんど二巻の内容に触れていなかった。大きな問題点といえば召喚獣を戦わせるといっても基本的にテストの点が高い方が勝つので、そのうえでバカである主人公たちがいかに工夫して勝つのかがとても面白かったのに普通に勉強して普通に点数が高くなってたのはなんかショックだった。でも秀吉のチャイナドレスがアゴに右ストレート食らったかのような衝撃をもたらしたから本当に何の問題もなかった。学園で、特殊な力があって、学生同士がわーわーいいながら争うってMゼロを思い出したけれどMゼロしか思い出さなかったという事はあまり使い古されていない設定なのだろうか。ああ、あと鴨川ホルモーとかあったか。まあ何にしろ面白い。