基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

3時間で「専門家」になる私の方法

3時間で「専門家」になる私の方法

3時間で「専門家」になる私の方法

 本書に書かれていることは情報収集術であって、ネットによるところが大きい。なので、ネット巧者の人々には誰でもやっている技術に過ぎないです。ただ、誰もがやっていると言ってもほとんど無意識的に行っていることであって、それを意識的に、文章として可視化できるようにしたのが本書であるといえるのではないでしょうか。当然たったの三時間ですから、本物の専門家になんてなれやしません。本物の専門家というのがなにを指しているのか自分にもよくわからんのですが、しかしまあそんなこと言われなくてもわかるでしょう。ここで言っているのは、一見専門家といってもいいぐらいのレベルで擬態するための方法です。そのやり方を少しだけ説明します。

 インターネットのソース(情報源)は大きく分けて四つあります。

A.新聞記事・雑誌記事などのオフィシャルなデータベース
B.一般のウェブサイト
C.個人や企業のブログ
D.2ちゃんねるなどのネット掲示板の書き込み

 本書では極論として、AからDへと進むにつれて情報の信用度が下がっていき、情報のディープさは濃くなっていくと言っています。何故なら、新聞記事・雑誌記事などはオフィシャルな媒体として、多くの年齢層にわかりやすくなっており、個人のブログや2ちゃんねるの書き込みはその業界でしか使われないような専門用語が頻出する場合があります。その代り、ディープさが増していくというわけですね。

 そこで、提唱されているのは情報の収集はAからDへと順に進めていくことです。理由としてはまず第一に、自分のまったく知らないことについてはどの情報が確かで、どの情報が胡散臭いのかがわからないということ。第二にその分野に対する基礎知識がないのであれば、ディープな話題に入って言っても有用性を判断することができない。というわけでまずは新聞記事から調べようっつーわけです。新聞記事は、各社のHPに行けば検索して読むことができますので非常に便利です。

 しかしたとえば「少子高齢化」について専門家になろうとします。新聞記事を探し、新聞社で検索をかけると何千件とヒットします。そこで、期間をしぼって検索してみることにします。たとえば2008年6月〜11月 という風にですね。そうすると、記事の数はだいたい500件ほどになります(日経テレコン21というサイトでの話です)500件といっても多すぎるので、スクロール単位である50件の「見出し」を読んでみます。ランダムなので取りこぼしは存在しますが、まあ仕方がない。で、時期を少しずつズラしていくとその記事に対する、傾向がわかってくるんですね。具体的に説明すると長くなって面倒なので想像してほしいのですが、少子高齢化と一口にいってもその時々で人々の反応は違いますよね? 政府の対応だって大きな視点から見ればよくわかります。そういう「変化」を見つけ出すのが、ここでの目的です。

 で、このあとも色々続きますがそれは読んでくだせえ。あとあんまり関係ないですが、最後の40ページぐらいではてなブックマークが絶賛されていてちょっと面白かったです。はてなブックマークが、情報の有用性にランクを与えて情報を勝手に浮き出させてくれる絶好のツールだ、みたいな絶賛の仕方です。確かにそんな感じしますね。飽きっぽい自分が結構飽きずに読んでいますし。まあ、そんな話です。