- 作者: 水上悟志
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2006/09/27
- メディア: コミック
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大人って何だろう
成人式です。一応大人とされる年齢ですが、まあ、成人した瞬間から大人かと言えばそんなことありえねーですよな。この作品に出てくる大人論といえば「こんな人になりたい…って思わせるような子供達のヒーロー それが大人や」とか「出来ることと出来ないことの区別をつける その中で最善を尽くす」とかそんな感じで、しかしそんなこといったら世の中には大人なんていう種族はほとんどいませんよなあ。何十人に一人、ぐらいの割合ではなかろうか。ぼくは大人とは、自分の生きることの意味を自分で作り出せる人だと思っていますが。カミュの言葉を借りて言えば「いかなる上位審級も規矩として機能していない局面で、なお適切に行動することができる能力」を持っている者が大人かと。違う言い方もしておくならば、「起きたことを起きたままに受け入れることが出来る人」。子供とは、何か起きたこと、事件に対して責任の所在を求める人であろうとぼくは思います。システムの中に生きるのが子供で、システムを作り上げるのが大人とかそんな感じ。内田樹流。なんだか惑星のさみだれの内容からズレてきているような。ま、いいや。話をもとにもどすと、夕日君の立ち位置というのは何だか安定していない。大人でもなく、子供でもないという立ち位置なのかと思ったのですが、まあ描写とか見ると完全に子供側ですよな。さみだれも完全に子供だし。二人ともしかし、半月さんから色々教えられて共に成長したので良かったです。小物感がハンパない夕日さんが人間的に成長しちゃうのはちょっとあれだけど、せっかくなら小物のまま突っ走ってもいいんじゃない、とかちょっと思ったけど、でもそれは読むの辛いよなーと思った。そういえばこの巻の途中で誕生日が挟まれるのも、やっぱり色々と関係してますよね。少年漫画じゃあまり歳をとるということがフューチャーされることが少ないので微妙に気になりました。ルフィも映画で17歳・・・だっけ? 最後の冒険してたけどね。
それにしても朝比奈姉妹はとても可愛らしくていい。不思議な眼の書かれ方をしている。みんな猫の目みたい。そしてこの作中で書かれている大学の風景が、ぼくがオーストラリアで通っていた大学とそっくり…というか完全に同じなのだが、これは単なる偶然なのであろうか。まあ偶然かな。わりとありそうな形してるし。もう出かけるのでまたあとで追記。あ、しかし主人公の妹の名前、小石ちゃんてのが妙に変だなーと思っていて、こいつはいずれ主人公達がつまずくきっかけになるから小石ちゃんなんだな! と勝手に予測した。何て微妙で安直!