書店で見かけたときははいはい物語論物語論と素通りしようとしたのだけど、メンツがなかなか豪華(インタビュー集なのだ)でつい買って読んだ。小説家、漫画家が多いけれどそこにとどまらず音楽家や美術家、映画監督といった手広く「物語」という切り口で迫っている。まあそうはいっても各所で時期も媒体もばらばらのものを無理やり一冊にまとめた感は否めないが。
目次
「道のないところに、何とか道を造っていくしかありません」(村上春樹/小説家)
「自前の情報で、仕事をしています」(橋本治/小説家)
「小説家の役割は、世界観を問い続けることでしょう」(島田雅彦/小説家)
「ずっと、後悔について書いてきました」(重松清/小説家)
「人は不完全だから、物語を摂取して人生をやり直したいんです」(桜庭一樹/小説家)
「映画にしなきゃ、というのはやめようと思いました」(是枝祐和/映画監督)
「芸術は、理解されたらおしまいです」(杉本博司/現代美術家)
「音楽は、経験を内面で熟させてできるものです」(諏訪内晶子/ヴァイオリニスト)
「俺なんて……という音楽を聴きたい人はいません」(根岸考旨/音楽プロデューサー)
「とにかく、時間をかけます」(中村勇吾/ウェブデザイナー)
「100回のメシよりも、一回のインタビュー、でしょう?」(渋谷陽一/雑誌編集者)
「漫画を描くことは、ジャズの即興演奏みたいなもの」(荒木飛呂彦/漫画家)
「不安な感覚の共鳴が、物語をおもしろくするんです」(かわぐちかいじ/漫画家)
「漫画の最大の武器は、わかりやすさです」(弘兼憲史/漫画家)
「なんでもない話こそ、描くのが難しいんですよね」(うえやまとち/漫画家)
「明日につながる今日を、見つけたかった」(平野啓一郎/小説家)
「物語の風呂敷は、畳む過程がいちばんつまらない」(伊坂幸太郎/小説家)
おお、村上春樹! 橋本治!? 桜庭一樹に渋谷陽一に荒木飛呂彦に伊坂幸太郎!! いやーまずこれだけのメンツにインタビューしてきたっていうのがすごいですね。個別のインタビューについて書いていくとキリがないのでまあ今回は簡単に紹介って感じで。どれも面白かったです。
- 作者: 木村俊介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/11/18
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