僕が読んでる二人の映画評のひとが二人共「ダークナイトライジング(笑)」みたいな感じだったからおそるおそる観たけど、これぐらいならぜんぜんいいよ! でも変なとこもいっぱいあるよねえ。僕はビギンズも観てないようなにわかファンなので正直、真剣に観てないけど、でもおもしろかったです。音響がよいし、映像はかっくいい! 話は……かなり適当! ⇒それについてはここ参照 第111回 もう観た人のための『ダークナイト・ライジング』前篇
あらすじ:ダークナイトから八年後、ブルース・ウェインは引きこもりになってしまっていた! デント法で犯罪が無くなった街にバットマンはいらないのだ! バットマンだけが生きがいだったウェインくんはすっかりしょげかえってしまう。一方今回の敵ベインはよくわかんないけど下水道で北斗の拳の世紀末世界みたいなヤンキー帝國を作り上げていた! ベインはなんかよくわかんないけどゴッサム・シティをとっちめてやろうとしている! どうするバットマン! たたかえバットマン!
冒頭アルフレッドがブルース・ウェインに向かって「バットマンもうやめろマジで」「別の人生を歩めよ」「おまえはバットマンやりたいだけじゃん」といって「バットマンなんかやめて人並みの幸せをつかめよ」諭してくれる。明らかにウェインは戦闘中毒であり、ヒーロー中毒であった。というよりかは単純に悲しいことがあったから死に場所を探しているかわいそうなヒーローなのだ。
アルフレッドはベインが出てきて嬉々としてバットマンに戻るウェインをみて「もう実家に帰るからね!」といって出ていってしまう。かわいそうなウェイン。引きこもりの上に一人ぼっちになっちゃう。まるで悲しいオタクだ。しかも去り際にダークナイトで嘘をついてもらっていた「ヒロインの人(名前忘れた)は別に君のことが好きだったわけじゃなくて、デントが好きだったんやで」と知らされてしまう。
ダークナイトみてたときは、「正直そんな真実にも耐えられない男だとアルフレッドに判断されるなんてしょぼいヤツだなあ」と思っていたんだけど、やっぱりウェインさん人間的にかなりダメなんだよね。わけわかんないことで落ち込んだりするし。子どもっぽいし。正直8年もうだうだ自分ちで悩んでるとかちょっとキモい。
ダークナイトはフィクションで世界を満たす話だったと思う。アルフレッドがウェインに真実を話したから、ライジングはフィクションなんか所詮うそだよ、真実こそが大事なんだよ、とフィクションの対立をやるのかと思ったけど、よくわかんなかった。うん、結局、話はよくわからなかったので僕のいうことを当てにしないでください。
まあそれはいいや。やっぱりバットマンっていうヒーロー自体が持っているテーマっていうのは、バットマンが「ただの人間」なのに、傷だらけでも生身で戦って街を守るってところにあると思うんですよね。バットマンは絶対アベンジャーズには出れないけど、でも僕達と地続きのところにいるヒーローなのだ、ってことが伝わってくる映画でした。でも敵のジョーカーやベインもやっぱり同じ人間だから、そっちに落ちることもあるって話だよねえ。
映像的には超かっこよかったと思います。筋肉だるま同士がぼかすか殴りあうのは、みててあんまり楽しくないけど。バイクがちょーかっくいー。あと、ヒロインがダークナイトの時より好きです。音楽と映像のマッチングも最高! 結局僕は、映画に求めているのは物語の整合性よりかは純粋に観てて面白い映像なんだよね。物語だったらいくらでも小説で読めるし。
以下ネタバレ
ブルース・ウェインが最後アルフレッドの前で、アルフレッドが語った夢のような状況を作っているけど、これはアルフレッドさんの夢じゃないかなあ。ブルース・ウェインがどうにも「幸せな家庭」を築いて生きていける人間には、どうしても思えないんだよねえ。別に何の根拠もない話だけど。たぶん「死の恐怖を知った」ことで本当に強くなってバットマンもやめられたってことなんだろうけど、変化がよくわからないし。相変わらずペインとタイマンはった時はぼかすか殴られてたし。結局まぐれ当たりみたいにしてベインのマスクが壊れてあらよっとって感じで勝ったように見えたけど、実際どうだったんだろう。まぐれ当たりだったのか、本当にちゃんと強くなっていたのか?? そして最大の弱点がなんであんな目立つところについているんだ?? そこだけは気になってしまった。