基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

天冥の標

生まれてきたこと、この本に出会うに至る人生の軌跡、その全てに感謝を捧げるレベルの傑作──《天冥の標》

天冥の標X 青葉よ、豊かなれ PART3 (ハヤカワ文庫JA)作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/02/20メディア: 文庫この商品を含むブログを見るこの天冥の標シリーズが始まる前に僕が小川一水という作家に抱いていた感想は「やるといったらやる…

人類、生き延びすぎにもほどがある──『天冥の標Ⅹ 青葉よ、豊かなれ PART1』

天冥の標? 青葉よ、豊かなれ PART1 (ハヤカワ文庫JA)作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/12/27メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るまさかまさか本当に天冥の標が完結する時がきてしまうとは……。この世は何があるのかわからない…

切り抜ける道を。──『天冥の標IX PART2 ヒトであるヒトとないヒトと』

天冥の標IX PART2 ヒトであるヒトとないヒトと(ハヤカワ文庫JA)小川 一水 早川書房 2016-10-21 Amazonで購入Kindleで購入天冥の標の続きが出るのは身震いするほど嬉しいが、それはこのシリーズが着々と終わりに向かっているということで、同時にとても悲しい…

小川一水氏 トーク&サイン会で聞き手役をやりますという告知文

天冥の標IX PART2 ヒトであるヒトとないヒトと(ハヤカワ文庫JA)作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/10/21メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る天冥の標という生まれてからこの本に出会わせてくれるに至るすべての過程に感謝す…

なぜ宇宙は弱肉強食なのか──『天冥の標IX PART1──ヒトであるヒトとないヒトと』

天冥の標IX PART1──ヒトであるヒトとないヒトと (ハヤカワ文庫)作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/12/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (10件) を見る※基本は読み終えた人用。読み終えていないヒトは下記を読むように。 huyukiitoic…

全ての力を尽くして天冥の標シリーズをオススメする

この世にはたくさんの感動がある。山登りをする人間には、山を登っている時の空気の味、一歩一歩踏みしめていく時の感触といった他に代えがたい感動があるだろう。将棋をやっている人間には、将棋でしか味わえない読み合いが成立した一瞬、自分が知力の限り…

天冥の標VIII ジャイアント・アーク PART2 by 小川一水

天冥の標第一部からここまで、撒かれてきた種がここに来て一斉に芽吹きはじめた──。天冥の標が出て最初に書かれた時系列までようやく辿り着き、別側面から描いてみせたPART1だが、「その先」が書かれるのがこのPART2になる。もはやことここに至ってネタバレ…

天冥の標VIII ジャイアント・アークPART1 by 小川一水

物語ことここに至ってもまだ勢いを失わず。思えば一巻を読んだ時から、僕の小川一水への信頼感は絶大で面白くてたまらないシリーズになることを微塵も疑ったことはなかった。小川一水のワンピース!!(全力を注ぎこんだ的な意味で)──天冥の標〈1〉―メニー・…

天冥の標VII 新世界ハーブC (ハヤカワ文庫 JA オ 6-21) by 小川一水

『残存人類』帯に書かれたこの四文字。これだ。このぞっとするような言葉の響きを得るために、たった四文字を自分の中でたとえられない興奮に変換させるために僕はSFを読んでいるのだ。「残存人類」。それはSFでしか出てこない言葉だ。残存は使われるだ…

さようなら、みんな『天冥の標 6 宿怨 PART3』:小川一水

可能な限りの想像力が打ち込まれた最高の物語がここにある。もうとにかく感無量という他ない。これだけの長大なシリーズが、一度もテンションを落とすことなくここまで続いて、さらにその凄さを増してきている。およそ考えたこともないような状況を現出させ…

天冥の標6 宿怨 PART1

宿怨とはまた物騒なタイトル。でも納得。これは確かに宿怨だわ。小川一水先生が始めたこの天冥の標シリーズもこれですでに第六巻……、今までの作品はどれも途中から読んでも、1テーマでぶっとくまとまっていて単発モノとしても読めるスグレモノだったが、今…

天冥の標Ⅴ: 羊と猿と百掬(ひゃっきく)の銀河

西暦2349年、小惑星パラス。地下の野菜農場を営む40代の農夫タック・ヴァンディは、調子の悪い環境制御装置、星間生産食品チェーンの進出、そして反抗期を迎えた一人娘ザリーカの扱いに思い悩む日々だった。そんな日常は、地球から来た学者アニーとの…