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村上春樹の短編小説の書き方

小説を書きたい だが何から始めればいいんだ? | ツンダオワタ情報

こういう疑問はよく耳にしますし、耳にするから多くの人が望んでいるのか、「小説の書き方」なんて言う本は、もう本当にいっぱい出ていますよね。本当にいっぱい出ている中から、自分の好きなのを選んで練習したりすればいいと思うんですが、今回はそういえば村上春樹がこの前出したインタビュー集で、短編の書き方についてなんか面白いこと言っていたなぁと思い出したのでちょっとメモっておきます。

村上春樹は短編を書く時には、「ポイント」を二十くらいつくって用意しておくのだといいます。その「ポイント」とは何なのか、を村上春樹が語るのが、これから引用する部分の内容になります。「東京奇譚集」という短編集を書いた時のお話。

村上 何でもいいんです。なるべく意味のないことがいい。たとえば、そうだな、「サルと将棋を指す」とか「靴が脱げて地下鉄に乗り遅れる」とか「五時のあとに三時が来る」とか(笑)。そうやって脈絡なく頭に思い浮かんだことを二十ほど書き溜めておくんです。リストにしておく。それで短編を五本書くとしたら、そこにある二十の項目の中から三つを取り出し、それを組み合わせて一つの話をつくります。そうすると五本分で十五項目を使うわけですね。そして残った五つは、使わなかったものとして捨てるわけ。不思議だけど、こうやると短編小説ってわりにすらすら欠けてしまいます。いつも多かれ少なかれそういうやり方で短編を書くんですが、今回はとくに意識的に、そういうシステムをきっちりつくって作業を進めました。(中略)そういう一見して脈絡のないランドマークみたいなものを、ところどころにポッと浮かべて話を書いて行くというのが、自分でもすごく刺激的で、おもしろいんです。*1

最初に小説を書きたいスレを引用しておきながらこんなこというのもなんですけど、これを読んだからと言って「そうか村上春樹がやっているのなら自分もこの方法でやってみよう!」と思うのは無謀だと思います(笑)(始めて(笑)なんて使った!)

何しろ村上春樹が言うには、四年間短編小説を書いていなかった、その間タメがある。だからこそ、ポイントが自然に出てくるのであって、来月もう一回やれと言われても無理らしいのですよね。いわく『正しい時期が来ていないのに、意識の明かりの中に持ち出しちゃうと持ちだされたものはすぐに枯れてしまうんです。モヤシと同じように、床下で養分をじゅうぶん与えて成長させて、正しい時期が来たときに蓋を開けなくてはならない*2

いやーすごい、圧倒的比喩。モヤシて(笑)

比喩的すぎて何を言っているのかよくわかりませんが、要するに「ひゃっほうこの村上システムがあれば俺も短編小説がいくらでも書けるぜ!!」とはならないってことでしょう。うん、でもこの「ポイント」システムはなんか、ぱっと見面白そうに思いました。だからこそメモってみたわけですしね。

書く人がいたら、試してみたらどうでしょうか(無責任

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

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