基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

ねじの回転 恩田陸

不一致。再生を中断せよ。

あらすじ

2・26事件の主催者達が未来人たちの手によって、二度目の人生を生かされる。といっても、2・26事件のやり直しにすぎないそのやり直しの中で、何を得るのか。


感想 ネタばれ無

おー結構面白いねー。特に時間移動物っていうだけで、すでに面白いわけだけど。しかしよくこのネタで書ききることができたなぁとそこにまず感動した。

正直いって、なんかよく話がよくわからなかったけど・・・・。まぁそれでも面白い事には変わりがない。

しっかり読めばわかるだろう。それは間違いない。 そもそも、まったく知らなかった2,26事件を扱っていたのだが、興味を持つことができた。そこに感謝するべきだろう。思っていたよりもずっと面白い事件だ。2,26事件。

しかし真っ黒な表紙と、帯に書いてある 「不一致。再生を中断せよ」のインパクトが強くて読み始めたのだが、まったく間違ってなかったな。真っ黒の表紙というのも、この作品によくあっていたように思う。

本当にいろいろ書くなぁ恩田さんは。 感心歓心関心通り越して感動だよ。


ネタバレ有


最後に出てきたアルベルトとマツモトは、書かれていたマツモトとかとは違って、パラレルワールドの別の人生を送ったマツモトっていう解釈でいいのかなぁ。

時間ものはこのへんがよくわからんから困る。時間移動すると確実にパラレルになってしまう。

「よし、行け。聞いたことがないぞ、世界を救うヒーローが、逆上がりもできないなんて」


このあたりのマツモトが過去につままれて、自分に逆上がりを教えて帰ってくるってのも、なかなかぞわっとさせられるなぁ。まるでJOJO4部のようだ。

もっともJOJO4部のはよくわからんのですが。

でもこういう時空を飛び回るやり方は、かなり難しいんじゃないかなと思う。うまく描き切っているなと感じたのは小松左京の果てしなき流れのはてにと、アルフレッド・ベスターの虎よ、虎よ!だけだなぁ。

H・Gウェルズのタイム・マシンのように、飛び回る感じのでなければいくつもあるのだが、時空を次から次へと自由自在に飛び回る話っていうのは、かなり複雑になってしまって普通の人には書けないと思う。

あと本当に根本的なことがわかっていないんだけれども、何故少しでも歴史を変えると不一致。再生を中断せよ。となってやり直ししなければならないのに、歴史をさかのぼっているのかがよくわからなかったんだよなぁ。たぶん最初のほうに書いてあったと思ったんだがなぁ・・・・いまさら読み返すのもめんどくさい・・・・。 そこがわかればもっと楽しんで読めたかもしれない。

ていうか、少しでも歴史かえるとやり直しさせられるんだったら、いったい何のために再生してるんだ?と思うわけですがどういう事なんだろう。

ひょっとしてちょっとずつ歴史を変えることができるか実験するっていうのは隠された目的だと思っていたんだが本当は主目的だったんだろうか?

過去を修復するためにきたっていうけど、結局何も変えられないんだから修復なんてできないと思うんだがなぁ・・・・。