7月29日 読了
2か月ぐらい前に一回読んだんだが、何だか忙しくて半分程読んで返しちゃった本。
よくそういうのはあるが、こうしてまた2か月してから読み戻そうとまた借りてくるのは初めてかもしれない。
ICOというテレビゲームのノベライズ。
あらすじ
魔女によってお城に囚われているお姫様を、ツノが2本生えた男の子が手を引きながら一緒に逃げる話。
感想:ネタバレ無
ゲームがあるのは知っていたがやったことは無いので内容が同じかどうかはよくわからない。どうも内容は全く違うらしい。 ゲームのコンセプトが手を繋ぐというところにあるというぐらいの情報は知っている。
本編の中でも手を引くという描写はたくさん出てくる。 心あたたまるというか、なんというかとってもほんわかした気持になる。
ストーリーは王道。魔女に囚わたお姫様を救い出す騎士ーなんてシェイクスピアの時代から使い古された超絶王道ストーリーだが、だからこそ面白いというのもあるかな。
まあそのせいか突出した面白さというのは無いかな。 漫画でいうなら、ドラゴンボールは確かにすごい作品だけど、カイジとかジョジョのように名言がたくさんあるというわけではない。ドラゴンボールの面白さはやはり王道展開というべき展開にあるのであって、セリフひとつ抜き出して面白い面白くないとかいう話じゃない。その流れひとつでもって面白いか面白くないかを論じるものだからかな。うまく説明出来ない・・・
ようするに、全体的に良かった。ということか このシーンがよかった このセリフがよかったじゃなくて、全部を通してよかったといった感じ。
描写はなんというか これまたよくわからない話になってしまうけど、本を読む読み方っていうのには二種類あると思う。
ひとつはテキストありきで読むテキスト型。このタイプテキストはテキストとして読む。
もうひとつはイメージ先行型。テキストをいったん映像として頭の中にイメージしながら読み進むタイプ。
基本的に日頃から本を読む人間はテキストタイプが多いと思う。その方が速く読めるから。反対にイメージタイプの人間はいったんイメージするのに時間がかかるから、その分読む速度が遅い。遅いと本から離れていく。
そしてそれを書く人間にも反映される。 またイメージしながら早く本を読める人間というのは例外なく大作家になっているといわれる。
これを個人的な考えでいえば、女性作家にイメージタイプが多い気がする。今の文学界に女性作家が少ないのは、文学のほとんど今テキストありきになっているから、イメージタイプが多い女性作家では少し不利なのではないかという事。
そして宮部みゆきなんかは典型的なイメージ作家だと思う。自分は基本的にテキストタイプでイメージするのは得意じゃないから、宮部みゆきを読むと地味に疲れる。宮部みゆきはほかに理由とレベル7だが二つとも読みにくさを感じた。
ちなみにICOだけど、読みにくかったけど普通に面白かった。満足。
ネタバレ有
お姫様を守る騎士とか好きだからー!悪の魔女と戦う正義の騎士オズマとかなんか構図が王道すぎて無駄に燃える。ヨルダ全くしゃべらないけどかわいいし・・・ 全編を通して手をつないでるけどけな気についてくるのがええのう。 特にラストシーンの
イコは少女の手を取った。少女はイコの手に手を預けた。 もうずっと以前から、こうしてきたという気がした。つないだ手と手に、宿る永遠。 時はもう、停まってはいない。時の流れの中にこそ、人が見出す永遠に、血のぬくもりが通って二人を結ぶ。
長い物語の終わりに、陽は高く輝く。
引用しすぎた。こんなに引用しちゃっていいのかな・・・著作権とか・・・まあいいか。
このシーンのために今までの全部があったといってもいいねまったく。
あとは、最後イコが絶体絶命のところに助けに来てくれた漆黒の魔物とかね・・・・ピンチの時に仲間が助けに来てくれるっていうのは王道すぎるけど凄いいいわい・・・
王道だからといって無理に使うと2倍も3倍も寒くなるんだが、その点よく練られているな〜と感じた。使い方がうまい。
しかしゲームをやってみたいとは全く思わないな。なんか難しそうだし。