基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

ホワイトスペース第一話/円城塔

http://www.yomban.jp/works/whitespace/

ホワイトスペース・ミーツ・少女。
空白を見聞きする少女、幼馴染の少年、空白データの少年少女、そして衛星の僕が出会う。
学園都市RANではじまる青春SFファンタジー。
実体をもつってなんだろう。
文学界の新鋭円城塔がおくる、複雑系ライトノベル

 上記のサイトで円城塔ライトノベルがタダで読めるという素晴らしい企画。森博嗣スカイ・イクリプスの短編もネット公開していたし、最近ちょくちょく増えてきているようである。ネット配信。スカイ・イクリプスの方は一週間に一回ペースで上がってきていた物の、一回の分量が極端に少なくて残念であった。その点このホワイトスペースは、一話まるまる44ページが一度に配信されているので物凄く親切であるといえる。ただネットで縦書きの文章を読むのは結構苦痛だ。

 さて、円城塔ライトノベルというのはなかなか結びつかない。紹介にも複雑系ライトノベルと書いてあったりして複雑系とつく時点ですでにライトノベルとは程遠いような・・・などと心配してしまうのだが、中身は意外とわかりやすい。少なくとも何をやっているのかは最低限わかるようになっている。何のためにーとかこの世界はーとかになるとこれがまたさっぱりわからないのだが、まあ第一話なので当然といえる。これがまた、一歩間違えたらふつーのSFじゃん! と思ってしまいそうなまっとうなジュブナイルSF(にみえる)。何しろちゃんと男子高校生は出てくるし、女子高生は出てくるし、まあ衛星の僕はちょっと置いといて学園もどうやらあるみたいだし凄いぜ。その一方でなんだーこれーわからんわーというようなSFよりむしろミステリ的な頭の使い方をさせてくれるところも依然として健在で非常に楽しませてくれる。ぜんっぜんわかんねーと思いながらも円城塔をついつい読んでしまうのはこの謎を解く感じにやみつきになっているからかもしれない。とけないんだけどな。

 第二回配信は四月十五日だとか。楽しみである。