基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

DOG&DOLL

また森博嗣かよ! って感じでしょうか?
たぶんそんなに連続して読んでいる人もいないと思いますが。
本書は物書きの森博嗣先生が書いた音楽エッセイです。
対談が西尾維新ゆうきまさみ山本直樹という小説、漫画家に寄っていることからも推察される通り、正直あまり音楽について語られていません。

音楽エッセイと聞いて最初に思い浮かべるのは僕なんかは、おきにいりのアーティストなりアルバム、曲を挙げてそれについて書き下ろす、みたいな感じなのですが、本書は音楽についての身近な考え? まあ、そのまんまエッセイを書いていて、ちょっと新しいのかもしれません。音楽はうといので正直よくわからないです。

そういえば僕はあまり音楽を聞かないなあ。通学時・通勤時もほとんど聞いてこなかったし、家にいても音楽を流す習慣がない。ライブにはなんだかんだいって一年に一回ぐらい行くかな。あとカラオケで歌うのは大の苦手です。下手と言う意味でもあります。でも音楽について書かれたものは好きだし音楽は好きです(どうでもいい情報)

本書はなかなか面白かったです。森博嗣が音楽について語るって、それだけでなんか面白い。まあ正直ちょっと期待外れでしたが。だってあんまり音楽について語ってないしね……(笑)もちろんまったく語っていないわけではござらん。例えばこんな部分なんかはふむふむと思いながら読んだ。

 音楽を聴いていて、自分にどんな作用があるのか、と考えると、いろいろあるものの、最も大きいのは、たぶん「増幅」だと思う。自分の気持ちが音楽によって増幅されるのだ。悲しさも、楽しさも、音楽を聴いて増幅することができる。悲しい時には、なんとか立ち直らなければ、と思っているから、そんなときに音楽を聴けば元気が出るようになる。音楽が元気を与えてくれるのではない。自分に「元気になろう」という気持ちがあるからこそ、元気になるのだ。自分にやる気があれば、音楽を聴くともっとやる気が出る、というわけである。

これは確かにそうだな、と思った。音楽を聴いていての作用なんか考えたこともなかったが……。あと、やっぱり個人的にはライブが好きだ。初めてライブっていいなと思ったのは、小学生の時、太鼓の演奏をする人たちがきて、太鼓を好きなだけ叩いて帰って行ったのだが、太鼓っていうのはあれ、すっごい腹に響くのですよね。

身体の中で音が反響しているのが鮮明にわかって、で、恐らく隣の人も、その隣の人も、体育館に居る人たちはみんなこの振動を自分と同じように感じているんだ、という「一体感」みたいなものが、僕が音楽をライブで聴くときの醍醐味になった。身体が中から振動する感覚って、なんか凄く気持ちが良い。音が良ければもう言う事はない。

森先生は音楽を執筆中に聴くと言う事だが、僕もブログを書くときはたまに音楽を流している(同レベルで語るなとは思う)。やる気が増幅されて作業がはかどるかと言えばそんなことはないと思う。ただ音楽を聴いていると、飽きが通常時より来にくいので長く書き続ける傾向はある。今もせっかくだから聴きながら書いている訳だが、だからこそこんなに無意味に長くなっているのだ。

でも音楽エッセイを読む醍醐味っていうのは、やっぱり音楽を聴きたくなるところにあります。書評本とか読んで、何十冊もお勧めされても正直読め無いじゃん? でも音楽エッセイだとすぐ聴ける。僕は今ボブ・ディランを聴いています。ネットで検索すればすぐ出てくるし、欲しければ買うことだってできる。本当にいい時代になったものです。

本について全然書いていないが、別にあんまり書くこともないなあ……。でも音楽っていうのはあれですよね、僕もこうやって長々と適当に書いて思ったけど、誰にでも「僕の私の音楽史」っていうのがありますよね。たぶん。あんまり聴かない僕でもあるものね。音楽を一生聴かないで過ごすっていうのも難しいでしょう。

つーわけで、「ノーミュージック、ノーライフ」ということでここはひとつ。そういうことにしておきましょう。

DOG&DOLL (講談社文庫)

DOG&DOLL (講談社文庫)