毎週いくつものアニメが放映される中、気軽に読めるアニメ読み物というのは意外と少ないのではないだろうか。Twitterをぼんやりと眺めていたら小原篤さんのアニメコラムが書籍化されると流れてきて、小原篤さんがどのような人間であるのかも知らずに帰りに書店で買って帰ったのも心のどこかで「アニメについて書かれたものを軽く読みたい」という気持ちがあったのだと思う。
ほら、アニメ評論みたいなのってなんか硬そうでとっつきづらいからね。聞けばこの本はコラム形式で毎週書かれた記事の中からいくつかを選んで編集した本だというし、手軽に読めるかと思って。実際読んでみたらその思惑通りの内容で、中には朝日新聞デジタルに連載されていた者から41本の雑多なテーマ(非実在性少年から押井守、細田守に尾田栄一郎まで)の記事が抜き出され、納まっている。
特徴は新聞記者らしい事実ベースのしっかりとした取材に基づいた記事もあれば、個人の嗜好を押し出したような評論記事あり、熱のこもった追悼文あり、押井守作品を犬・鳥・魚の3つのイメージで捉え直す気合の入った評論ありとまあよくも手を変え品を変え、幅広く書けるものだなあと感心するような内容だったり。
格別凄まじいものがあるわけではないけれど(すいません)安心して読めるよいコラム集でした。
- 作者: 小原篤
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2012/12/20
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (2件) を見る