はじめに
『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』という本を3月の頭に出したので、今回はそれに関連してQAでも書こうかと思って募集した質問に答えていく回です。ただ、別に本に限った質問を募集したわけではないので大半はそれ以外の質問&回答になります。類似の質問もあったのでそういうのはまとめて回答。
質問と回答
読書に集中する第一のコツはもちろん気合だが、あともうひとつ重要なのは「おもしろいと思える本を読むこと」になる。つまらない授業を聞いているのが退屈なように、つまらねえなあ〜〜〜と思う本を集中して読むのは難しい。
無数の理由があるけど今のところはレビューを本業にしようとは思わないかなあ。本業のプログラマーの仕事も楽しいし、レビューを一日中書いていたらと思うと気が滅入りそうだ。僕の場合、ブログの記事を書くのは大好きだけど、依頼原稿の場合は締切もあるし、文字数制限もあるしでそこまで楽しいと思えるものではないので。
とはいえこれは「レビューを書いても儲からないし将来性がないから」という状況があるからでもある。たとえば今みたいに「基本読書」を好きに更新しているだけで月あたり手取りで50万ぐらい上げますよ、しかも今後20年はその仕事を保証しますと言われたらわーいやりますやりますとなるだろう。やはりどうしても「本業」にするとなると生活資金や職としての将来性が絡んでくるから、難しいものがある。
今まで小説を書いたこともあるが、レビューをするのに役に立つかもであったり、人に小説の書き方を教えてあげるために例として書いたものばかりで、自発的に書こうと思ったことはない。個人的に、書評やレビューを書いている方がおもしろいのと、自分が読みたいと思うようなものはだいたい誰か他人が書いてくれているので。
そういう意味でいうと今はずっとハマっているゲームLeague of Legendsのプロシーンのおもしろさを伝えるために、LoLの競技シーンの小説は書きたいなと思っているけれど、まだ構想段階である。
日によって違うが仕事のある日はだいたいこんなかんじ。
冬木糸一の(理想的にいったケースの)一日
09:45:起床
10:00-13:00:始業(本業)。午前の部
13:00-14:00:一時間昼休み。ここで本なども読む。
14:00-19:00:午後の分。就業。
19:00-20:00:平日は僕が食事担当なのでここで二人分のご飯作って食べる。
20:00-21:00:エアロバイクを漕いだり少し横になって仮眠をとったりする。基本、自転車を漕いでいる時は本を読んだり映画をみたり配信をみているかそれらを同時にやっている。
21:00-22:00:自転車のあと風呂に入ったり読書をしたりしている時間。
22:00-23:00:原稿があったら原稿をやり、なければブログを書いたり、本を読んだりしている。
23:00-02:00:ゲームの時間。ハマっているゲームがある時はそのゲームをやっているが、最近はもっぱら友人らとVCを繋いでずっとLoLをやっている。
02:00:就寝。
これが理想的な一日だが、この通りにいかないことも多い。たとえば19:00に就業してご飯をちゃちゃっと食べて19:30に布団に倒れ込んで起きたら22:00だった場合なんてのもわりとあり。02:00とか01:30で終わるはずのゲームが負け続けて頭がおかしくなり「このままじゃやめれねえよお」と悲痛な叫びをあげて続行することもある。
書評以外で、読書メモなどは書かれたりしていますか?
読書メモは基本的に本自体に書き込みを入れている。たとえば思ったこととか感じたこと、この本にキャッチコピーをつけるとしたら何になるかなどを本の最初の方の空白のページに(書評する予定がなくても)書き入れている。あとあと役立てるためというよりも、読みながらその最初のページを見てそういえばそんな本だったなと思い起こさせるためにも役立つし、けっこう気に入っている習慣ではある。
いい趣味(僕もどれも好きな作品)。同じ趣味の人が推してる作品が揃っているよ! でもいいし、中国系ドラマのサブスクが好きという側面から推すなら、中国はいま国家としてSFの推進が盛んだから(『三体』も本当にたくさんの中国人の人が読んでいるし)、中国(とドラマ)をより知って、理解するためにも『SF超入門』って本がオススメだよあたりになるだろうか。もちろん、本心から良いと思って推してくれるならどんな伝え方でも伝わると思いますよ。
基本ずっと流してますね。全然集中できない。
何年か前は1日1冊ペースで読んでいたけど最近は月15〜20冊ぐらいかな? 1日で1冊読むときもあるし、200pぐらいしか読まないときもあるかなみたいな感じです。読書の時間が減り、ゲームとゲーム配信をみている時間が増えた。
読んだ本でブログの記事にするかどうかの基準は単純におもしろいかどうか。また、おもしろくても特別書きたいことがないな……ということもあって、そういう時は紹介から漏れてしまうこともあるかなあ。ブログの一記事はだいたい2時間程度。
僕が個人的に偏愛しているのだと「小指の先の天使」かなあ。人身御供にささげられた少年と、遺物を守る老人の短篇で、特段派手な要素はないんだけど詩的で美しくて、最初に読んだ時神林長平って作家はやっぱり凄いんだなあと衝撃を受けた作品。短編集の表題作もあって、一冊まるっと好きな作品。
すべての章で悩んだが、特に宇宙開発と戦争の章は悩んだなあ。入れたい本がたくさんあったという意味で。たとえば宇宙開発の章には藤井太洋も野尻抱介も入れられなかったし、戦争にはなんとかして谷甲州『航空宇宙軍史』や田中芳樹『銀河英雄伝説』も──と挙げ始めたらきりがないのでそんなところで。
こういう地図がついているのも書籍っぽくていいかな、と思って個人的にもけっこう気に入ってますね。四象限で表現するのは正直無理があると思ったけど笑 まあひとつの目安としてはおもしろいのではないだろうか。
科学ノンフィクションは「ハードなサイエンス・フィクションとそう大差ないなあ」と思うことが多い。特に宇宙論の本とか、宇宙生物学の本とか、脳科学の本とか。『地球外生命と人類の未来 ―人新世の宇宙生物学―』は、SFとしてもおすすめ。
おわりに
たくさん質問ありがとうございました! 追加で質問してもらえたら記事に追加する可能性もあり(ただこの記事が公開されている週末はスキー旅行に行っているので反応できなさそう)
冬木糸一にマシュマロを投げる | マシュマロ