基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

阿修羅ガール/舞城王太郎

阿修羅ガール (新潮文庫)

阿修羅ガール (新潮文庫)

 女子高生風語り口を完璧に再現したかのような(といっても自分女子高生の語り口なんてしらんけど)文章でほとんどの部分を書いたり、いつもの文体だったりいつものストレートなメッセージだったのだから、今までの作品同様楽しめて当然だと思ったのだがどうしても面白さが分からない。今まで普通に文章を抵抗なく受け入れていたのだが、それにつけくわえた語り口にちょっと耐えられなかった。どっちか片方だったらなんとかなっただろうが二つ合わせると一大スペクタクル。まあでも、文学でありちょっと文が苦だけど文がCoolだから問題ない。御大りすぺくと。

 読んでいて森の扱い方に非常に困った。たぶん何かを象徴しているんだろうなー読まないとダメなのかなーめんどくさいなーでも結局のところ何かを象徴しているだけなんだから直接書いてくりゃーいいのにーと思いながら読んでいた。あからさまに象徴的すぎてちょっとお腹いっぱいといった感じ。村上春樹の世界の終りとハードボイルドワンダーランドぐらい絶望的に象徴してんのかしてないのかわからないぐらい徹底的にぼっこぼこにしてくれればよかったんだけれども。

 非難しているようであるが、今まで自分が読んだ舞城王太郎作品が軒並み☆4だったとした時にこの作品が☆3.5だったというレベルの話であってレベルは依然として高い。そして相変わらずラストはとてもいい。何か色々解決してないけど、佐野とか陽治とか。まあとりあえずラストはとても気持ちがいいからどうだっていいんだよね。ああ、あと途中フォントサイズをめっさでっかくして発言を連発させるのも良かった。一瞬のインパクトを狙ってフォントでかくするのはライトノベルとかでたまにみるけど、文学と呼ばれている作品で、しかも一瞬のインパクトだけじゃなく何回も連発するのは初めてだ。しかも効果もめっきりあらわれている(少なくとも自分に対しては)と思うし。