調停者の鉤爪(新装版 新しい太陽の書2) (ハヤカワ文庫SF)
- 作者: ジーン・ウルフ,小畑健,岡部宏之
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/05/23
- メディア: 文庫
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しかし、あなたの棘から力がなおも流れ出す。
そして、あなたの深淵からは楽の音が。
あなたの影は薔薇のようにわたしの心の中にある。
そして、あなたの夜は強いワインのようだ。
ドルカスがいないことよりもテルミヌス・エストが無くなった時の方が焦っているような気がするセヴェリアン。どんな時でも真っ先にテルミヌス・エストの安否を気遣うセヴェリアン。「彼女」とテルミヌス・エストを呼んじゃうセヴェリアン。以上のことから考えて、この物語の正ヒロインはテルミヌス・エストさんに決まりました。きっとこのあとテルミヌス・エストの精とかが出てくるんだぜ、うひょー。読んでいるこっちも正直ドルカスよりテルミヌス・エストが無くなった時の方が喪失感が凄い。だってドルカスがいなくてもセヴェリアンは生きていけるけど、テルミヌス・エストが無くなったら主人公速攻で死ぬもんね。
起承転結の承であるように感じられた。謎は湧いて出てくるものの、特に何かが解決し、まとまった気配もない。個人的に一番良かったのはジョナスが自分がどういう存在なのかを打ち明けて去っていく場面である。一人になったセヴェリアンが悲しい。ドルカスがいるけど。それにしても、表紙に書かれている細い剣がエルミヌス・エストなのかなあ? と思っていたのだがどうやら違うようだ。三巻にでっかく書かれている剣こそがテルミヌス・エストなのだろう。正直いって物凄くでかい。ヘリコプターのプロペラ? とでも聞きたくなるレベルのでかさである。こんなもの振り回されたらたまったもんじゃない。とりあえず謎があまりにも多すぎて語れそうなことも多くない。三巻に続く。