七人の武器屋 レジェンド・オブ・ビギナーズ! (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 大楽絢太,今野隼史
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2005/09/17
- メディア: 文庫
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七人が武器屋開こうと頑張ったりする
感想でも
お…おお…。か、軽い…。ライトノベルの中でも、屈指の文体の軽さではなかろうか。視点は主人公の一人称で、チクショー! とかやられたー! とかそんなノリ。これだと普通に会話のパートなどは非常に読みやすくてテンポが良いのだが、反面バトルになると、うわーとかぐひゃーとか描写されても??? 何がどうなっとるんじゃ? となるので、相性が極端に悪い。長短あるということで。
さて、七人は武器屋を始めるわけだが、経済的な知識なんて何一つ無くても読める。というか明らかに作者は経済的知識がないので、感覚で感じ取れるレベル。七人の武器屋というぐらいだから、七人は全員商人なのだが、狼と香辛料を、まったく彷彿とさせない。適当で、ご都合主義のそしりは免れないだろうが、ライトノベルという広い読者層にアピールする点ではこれ以上ないほどのわかりやすさ。しかし正直市場調査も、価格調査も、需要も供給も、何一つ調べずに売値も全部原価の1.5倍に設定するなど、気が狂っているのかコイツラハ…と読んでいて絶句してしまった。また、ふぁんたじーでありながらも現実世界が投影されまくっていて、なんとも親近感の湧く世界観であった。
それから、キャラクターはとても良かった。七人もいるのに(なんで七人にしたのかよくわからんが)キャラもそれぞれ立っているし、絵も良い。しかしドノヴァンはどこからどう見てもポケモンのタケシなのでこれだけはいただけない。しかも性格までちょっとタケシとかぶってるし。あとジャンの絵はいったい何を主張したいのかわからん。なんでこいつは常にハゲ頭にネクタイを巻いているんだ? まさかお前はそれが御洒落だとでも思っているのか? いったいそのオシャレは誰にアピールしているというのだ。世の中には色んなタイプを好きな人がいるだろうけれど、頭にネクタイを巻いた人が好きだわぁぁー! なんていう女性がいるとはわたくしにはどうしても信じられない!
茨の道のラノベ作家
読み終わってなんとなく作者の名前でググる。すると、作者のBlogがHitするではないか。とりあえず読み始める。何でも、学校に通いながら、さらにはバイトをし、作家生活を続けているという。この著者の作品は今のところ全部七人の武器屋シリーズで、9冊出ている。さらには漫画化まで果たしているのだが、それでも生活していくのは困難なのだろう。Blogでも、家賃が払えない…などの悲痛な叫びを読む事が出来る。本書がデビュー作で、約四年で九冊。つまり一年に二冊ペース…。それだときついんだなあ。
さて、ブログには学校に通っていると書いている。自分はてっきり文章力養成講座にでも通ってスキルアップをはかっているのかと思っていたのだが、日記をさかのぼっていくとどうやら違う事に気がつく。何やら、発声練習をしたとかそんな話が出てくるのだ。もう少しさかのぼると、どうやら『学校』とは『NSC(吉本総合芸能学院』のことだったのだ!!! 思わず突っ込みを入れようと思ったのだが、一体全体これについてどうツッコミを入れればいいのかわからない。本人は作家生活で栄養タンクが切れてしまったので、栄養補給のために入学したと書いているが、意味が・・・! わからない・・・! まあ本書のテーマでもある、『間違ってもいいから、思い切って環境を変えてみると、自分の新しい一面が見えてくる』にはシンクロしている。何はともあれ、頑張ってください・・・としか自分には言えないのである。いつか初のラノベ作家お笑い芸人としてデビューしてください。