基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

15×24 link four Riders of the Mark City

 もうここまで来たのでネタバレ有、読んでいないのに四巻の感想を見る人もおらんでしょう。とっても面白いです。巻数を増すごとに面白くなっていきます。というのもちょうどいい具合に、「驚愕の情報」を小出しにしてくるからといいましょうか、非常に「うまいなぁ」と感心、感動してしまいます。四巻にて、何だか色々大きな謎が出てきました。何故死んだはずの枯野くんが独白という形で世界に参加できているのか(これは三巻からですけど)。しかも何か信号を発信できるという。それはもはや、「ボンバーマン」ではないですか。この世界が実はゲームの世界だった、と言われてもぼかぁもうまったく驚きませんな。いや驚くけれども! そもそも「死」をテーマにしているにも関わらず、その「死」とはゲームの中の「死」でしたー。はいゲームオーバー、やり直せばみんな生き返りますよーボンバーマンみたいにね。じゃあ「なめてんのかゴラァァァー!!」っていうあれで。うーん、まったく不思議です。しかしこの四巻は個人的に言えばまったくの笹浦回でしたな。驚愕の事実、地の分でもウソをついていた、とかもありましたけれども。笹浦くんの成長っぷりには及ばない。彼はいったいなんなんでしょうな。主人公?

 そういえばあとがきでJ・R・R・トールキンの「指輪物語」を引き合いに出して15×24を語っています。特に物語の構成上似ているという意味ではなく、長い物語を書いていると途中で筆が停まったというトールキンと同じ体験をしたぜ! というだけの話です。しかしまあ、物語の構成上も似ているよなあと読んでいて思いました。内田樹先生が「映画の構造分析」の中で言っていたことだと思いますが、「指輪物語」に出てくる「指輪」そして15×24に出てくる「ピンクのケータイ」は、「何の効果があるかよくわからないが、大勢の人間が奪い合っているもの」であります。しかし「映画の構造分析」を引き合いに出しておきながら、一体どういう話だったのか忘れちまったのですが、たぶん奪い合わせることによっていくらでも物語を変化させることができる変幻自在の道具であるとかいうことが言いたかったのかもしれません。そしてその自由度の高さゆえにどこへ向かっていいのかわからなくなって筆が停まるのではないかと。いやまあ想像ですけれどね。この話、物語工学論には書いてあったかしらん? えーと、眠くて何も考えられないのでまたあとで追記。