基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

清涼院流水先生が選んだ「2010このマンガがすごい」がすごい

このマンガがすごい! 2010

このマンガがすごい! 2010

 もうこのマンガが凄い2010が出たのは一月も前なので、読んだ人も大勢いると思いますが、その中で有名な人に向けて今年度のすごいマンガを答えてもらう企画があります。その中で、我ら(ってだれだ)が清涼院流水先生も答えていたのですがその結果が凄い…というか別に凄くないんですが、ちょっと面白かったのでご紹介します。ちなみに清涼院流水がどんな人なのかよくわからない人は清涼院流水のここが凄い-基本読書を読めばだいたいわかるかと思います。

 まあぶっちゃけ面白かったのは第一位だけで、五位から四位まではフーン、っていう感じなのでパッパと行くと、五位は「増田こうすけ劇場ギャグ漫画日和」。非常に面白いギャグ作家で、今年連載十年目を迎え書き続けている凄い人。そういえば作風が流水先生と似ているような気もする。シュール系ギャグ。第四位が「聖☆おにいさん」で、こちらもマニア受けしそうなシュールギャグ。仏陀とキリストが主人公で、普通に庶民的な生活をしているというギャップが笑いにつながっている。

 第三位は「最上の命医」。焼きたてジャパンなどを書いていた橋口たかし先生が、サンデーからマガジンのゴッドハンド輝を真似しろとでも言われたのか書きはじめた医者漫画。どうでもいいけれどもサンデーは自転車がはやってるかと思えばよくわからん自転車漫画を連載し、デスノートがはやればデスノートそっくりの漫画を連載し、なんだか後追いばっかりであるなぁとぼくなどは思うが流水先生はサンデー陣を結構気に入っているようである。

 第二位は「デッドマン・ワンダーランド」。ぼくも非常に面白く読み、バクマンに匹敵するような展開の速さと構成の巧みさ、設定の面白さ、容赦の無い能力バトルなどが特徴であると思う。第一位の作品との関連は「展開が速い」ということで、テンポ良く作中で人を殺していく流水先生の作風とマッチしている。

AKABOSHI -異聞水滸伝-

 お待ちかねの流水先生が選ぶ2010年の一番面白い漫画は、週刊少年ジャンプで連載をしていた「AKABOSHI -異聞水滸伝-」である。「ジャケ買いしたら当たりで、スピード感のある構成とキャラクターがとても魅力的で、非常に期待値の高い作品。今後さらなる爆発的人気となることを期待させます」とコメントを残している。

 ……がしかし、この作品はすでに打ち切られており、ジャンプで連載していた期間は2009年4月18日 - 2009年11月2日と人気もあまり出ずじょじょにフェードアウトしていった。このマンガがすごい、の選出とコメントがいつ提出されたのかはわからないが、誰か流水先生にAKABOSHIは打ち切られたのだ、爆発的人気など起こらなかったのだ、と言ってくれる親切なお方はいなかったのだろうかと読んでいて悲しくなったものである。ちなみにどんな作品かというと、水滸伝とタイトルに入っているように中国の古典である水滸伝を下敷きにしており、しかしその上に超人バトル的要素を混ぜるなど作風としては「封神演技」に近かった。絵がうまく、見せ方などもうまかったけれど、多すぎるキャラクター(水滸伝には108人のキャラクターがいる)をうまく扱いきれていない印象が強く、人気も振るわず消えていった。この微妙なセンスのスレ違いが、流水先生の本が売れない最大の原因かもしれないな…と思う今日この頃であった。