ツイッターでみんなが読んでいて、面白い面白いとわいわいしていたので思わず買ってきてしまいましたよ。この『ゆゆ式』言ってしまえば「女子高を舞台にした女の子達の萌え系四コマ」という最近世間に溢れかえっているように感じられるお話の一つなのですが、たいへん面白く読めました。読んでいるときは大爆笑、といった感じではなく、ほわ〜んとした気分になります。
お互いがお互いに大好きーと言い合ったり、かわいいーと打算なく、素直に伝えられるその理想的な、幸せな関係性に、読んでいてとても安心させられます。現実の女の子も、かわいいーとか言ったり、言い合ったりしていますけれども、そこには何らかの打算があることが多い気がします。たとえば女の子とのデート中に、「あの娘かわいいねー」とかいって話を振られても、それをそのまま受け取るのはなかなか難しくて、(な、なんて答えるのが正解なんだ・・!)と悩むこともあるかもしれません。返答を間違えるととたんに機嫌が悪くなったりしますので、女の子たちとの会話は裏の意味をどれだけ読みとれるかゲームのようになっているところがあります。
じゃあストレートに言うようになったらどうなるか、といえばたぶん男子たちのようになるのでしょう。わりあい男の言葉はストレートにその時の気分を表していることが多いですが、そのせいか男同士で「おまえちょうかっけえよ」とか「おまえまじイケメンだな」とか「うお! あの男ちょうかっこいい! どう思う?」とか聞いたり、あまりできない。それは本当にまったくそんなこと思っていないっていうこともあるわけですが……本当に思った時も言えないのはなんででしょうね? 照れちゃうから? ストレートに言うのは言うので、意外と難しいのです。ハードルが高い。
だから! ストレートに! 打算なく! かわいいー!! とか言い合える女の子たちは、まったくもって素晴らしい! そしてその関係性は、絶対的に崩れないのかと言えばそんなことはなく。やりすぎたかな? と思ってしまう事もあるわけです。会話というのはノリ、リズムがあるもので、気付かないうちに言いすぎたりやりすぎたりすることもある。そう言う時は素直に、謝り、反省する。そうやって、何事も起こらないわけですが、何事も起こらないという奇跡が起こり続けている、といえるのかもしれません。何事も起こらないことが、何事かがおこっていることを表している。まあそんなのは適当に書いたことですが、そうやって女の子達がゆるゆるふわふわしながら日々を奇跡的なものとして存続させているのは、理由はよくわからないとしても凄く面白いのです。
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