なかなか面白い。パスカルとフェルマーの往復書簡を読みながら、確率の誕生を読んでいく。この二人が全てを<確率>の全てを発見したわけではないが、大きく貢献したことは確かだ。それより何より、<確率>がない世界、というのを僕は想像すらしたことがなかったので、<確率>、つまりは「未来は完全でなくとも有る程度は予測できる」という「概念?」が新たに生まれ出る難しさがあったのだなぁと今考えるのが面白かった。
「もし私が他の人よりも遠くを見ているとしたら、それは巨人の肩の上に立っているからだ」 とニュートンは言いましたけど、<確率>一つとっても確かにその通りなのだ。私たちはごく当たり前のように降水確率を予測し、傘を持って家を出たり出なかったり、保険会社は個々の平均死亡率、事故率などから厳密に儲けが出るように仕事をする。<確率>を使えない社会、<確率>が生まれる以前はどうったのかといえば、未来は神のみぞ知る物、偶然の産物でしかありえなかった。<確率>がもたらしたのは「未来」を「人間」の手に<確率>を用いることによって数学的に考えることが出来る、希望とか自信とかそういうものだったのでしょう。同時に未来を知ることは文化を発展させるのに大いに役立っていくことになります。
パスカルとフェルマーが解こうと頑張る数学の問題は中学生でも解けるようなめちゃくちゃ簡単な確率の問題なのだけれども、パスカルとフェルマーが(主にパスカルが)苦心して解いていく様から、私たちはいかに「未来の恩恵を受けているか」「今の考え方が実は当たり前ではないkとに」気が付く。
まあ気が付いたからどうだっていうんでもないですけど、自分の持っている考え方が現代だからこそなんだな〜〜と実感するのは、面白いですよ。
- 作者: キース・デブリン,原啓介
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/10/28
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