タイトルのまんま。ダ・ヴィンチの四月号に西尾維新の化物語シリーズについてのロングインタビューが載ってました。VOFANさんへのQ&Aや新房昭之監督へのインタビュー、さらには西尾維新と海堂尊の対談まで。西尾維新盛りだくさんな内容だったのでついつい買ってしまいました。
いやいや、結構、案外、自分って西尾維新大好きだな、と自分の行動を見ていて思ったりしますな。よくよく考えたら本はほとんど全部読んでいるし(ニンギョウだけ読んでないかな)インタビューがあると聞けばこうして普段買わないし興味もない雑誌まで買ってしまうんだから。
雑誌ってすぐに手に入れるのが厳しくなってしまうので、なんとなく気になったところをスクラップ感覚でここに書いていきます。
キャラ
「<戯言>シリーズから一貫して"やりすぎなければ面白くならない!"と思っていたので、キャラを立てるといっても普通に立てるんじゃなくて過剰に立てるということをやっていました」
なるほど。たしかにキャラクタの名前から始まって過剰なまでに個々のキャラの正確は行き過ぎている。戦場ヶ原は過剰にツンデレだし、羽川さんは過剰に完璧だしね。でも「やりすぎるところまでやった」結果、どんどんやれる範囲は狭まってくるような気もするなあと思いながら読んでました。たとえば西尾維新はこれ以降ツンデレを書けるのかな? みたいな。別方面から攻めればいけるかな。
主人公とヒロインに限らず、人間関係の絆が好きなんですよ。僕は"キャラクターを書く"のと同じくらい"キャラクター関係を書く"というところに重きを置いているんだと思う
関係を書くっていうその視点はなかったなー。今度から注目して読もう。
台詞
「台詞こそがキャラクター、みたいな感覚があるんですよ。見た目の描写とかよりも、そのキャラクターが何をしゃべるかを重視していますね。というか、まず台詞があって、その台詞を言いそうなキャラクターを作っていくみたいな方向性があります。例えば、八九時真宵であれば『話しかけないでください、あなたのことがきらいです』っていう台詞からあのキャラクターが生まれたみたいな。」
喋れば喋るほどたしかにキャラクターに深みが出る。深みとか適当なこと書いてしまった(笑)。まあ多分、軸が広がるっていうことでしょう。たとえば「実はエビのてんぷらが好きなんだよね」とかどうでもいい情報でも、キャラクターの軸には違いないわけで。
その他
「究極的なことを言えば、そもそも小説って全部、読者がいるから書いているようなもので。作家がなぜ本を出すか、どういうつもりで本を書くか、書く時のモチベーションは何なのかっていうことを考えていくと、結局ですね、何が書きたいかということではなく、何を見せたいかということなんです。何かを書きたいだけだったら、別に発表しなくていいわけですから。書いて、それで満足できるわけですからね。」
よくクリエータ志望の人は「自分は〜〜が書きたいんです」というが、なるほどたしかに、小説として本屋に並べる以上、そこには必ず「何を見せたいか」という視点が必要になる。この後に『自分が書きたいものを書いているというより、自分が見せたいものを書いている。』と言っていて、さらに頷いた。
物語シリーズについて
そもそも<物語>シリーズは、常に前作へのアンチテーゼ的なものを含みながら先へ先へと進んでいく仕掛けなので。前作の価値観をひっくり返す。ひっくり返す、ひっくり返すということをずっと続けてきたのが、<物語>シリーズだったと思うんです。
そ、そうだったのか!! 全然気が付かなかった!!(笑)
他にも海棠さんとの対談で明かされる衝撃の執筆速度とか読み応え十分なのでファンなら読んでみてはどうでしょうか。
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