基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

アイデアのつくり方

もう何十年も前に出た本のようだけど、内容がまったく古びていない。本質的な事というのは、時の流れに関わらず今も色々な事を教えてくれる。たったの60Pという驚きの薄さを実現した本だけれども、言っていることは非常に普遍的で、核心をついている。素晴らしい。もちろん内容はアイデアについて。

イデアというのは割と漠然とした、抽象的な単語だけれども、だからこそ多くの人がこれを必要としている。これが必要とされるのは主に問題が発生している時である。何かいい企画を出さなければならない、この問題を解決したいが、どうやって解決したらいいのかわからない。

暗闇の中、どっちに向かって行ったらいいのか皆目見当もつかない、そういう時に僕たちはアイデアを必要とする。アイデアさえ思いついてしまえば、あとはそちらに向かって歩いて行くだけだ。困難な道のりかもしれないが、基本的には歩くだけ、最も重要なのは、どこを目指すべきかという最初のアイデアなんだろうなと本書を読む前から思っていた。

誰にとってもアイデアは重要だろう。問題にぶつからない人なんていないから。そんなわけだからこの「アイデアのつくり方」というのは非常に心強い。著者はアイデアというのは車の製造と同じように一定の明確な過程なのであると力強く断言してくれるのだから。

イデア作成の基礎には二つの原理があるという。一つは『アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ』であるということ。二つ目は『既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性をみつけ出す才能に依存するところが大きい』ということ。

車を製造できるように〜とか言っておきながら原理の二つ目に「才能に依存するっておもっきり書いてあるじゃねーか!」と読んでいるときに思いっきりツッコミを入れてしまったが、本書が言っているのは、この二つ目の原理は研鑽が可能だ、ということである。

要するに、アイデアとは既存の要素の組み合わせである。そして、組み合わせとは事物の意外といけそう! という関連性を見つけることである。で、あるならば、そもそも最初に組み合わせるパーツを頭の中にでもどこでもいいから持っていないことには始まらない。そこを、磨くのである。

だからここから先のアイデアを生み出す為の五段階と称された段階は凄く地味だ。第一に資料収集、アイデアを生み出したい分野の、資料を集める。第二に読みこんだ資料を頭の中でこねくりまわしてみる。第三に、それを映画を見るとか、小説を読むとかしてすっかり忘れてしまう。第四も似たようなもので、昼寝をしたりお風呂に入ったりしてリラックスする。その段階ではじめて、アイデアは天啓のように降って湧いてくる。

最後に、思いついたアイデアを実際に現実とこすり合わせて現実的なものにしていく。まあ、結局、重要なのはあくまでも起点、資料を読みこむところにあるのだろう。アイデアとは組み合わせなのだ。ひとつの車を作るのに、多様な部品が必要なように、アイデアとは多様な、知識という部品を必要とするのだ。

口で言うのは簡単だが実際やるのは超たいへん! まあでも、知らないよりは知っていた方がいいよね。

アイデアのつくり方

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