基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

TARI TARI

TARI TARIとは。つい昨日最終回を迎えたTVアニメシリーズ。女の子と男の子あわせて5人をメインにして青春を描く。江ノ島が舞台。前提知識おわり。

おもしろかったねん……。アニメなんか滅多にみたいなのに今期はけっこう見てしまった。SAOとTARI TARIじょしらく人類は衰退しました……。どれも違った良さがあってよかった。SAOだけは惰性だが(何気なくDISる)。どれもジャンルが違うがTARI TARIは青春だ。青春ってやること限られているよね。結局学校にいかないといけないし、物語になりそうな要素って部活かスクールカーストぐらいしかないもん。青春で「何をやっても自由な部活」物がはやったのは必然だよ、部活を利用するぐらいしか自由に物語を動かせないんだから。

TARI TARIあらすじ
音楽をやめちゃった女の子とかやけに歌いたがる変てこな女の子と馬に乗りたいんだーっていいながらなぜか普通科の高校に通っている女の子の三人がいちおう主役っぽい。あと男二人(雑)。音楽をやめちゃった女の子のトラウマを解消したり歌いたがる変な女の子のために音楽をやったり馬に乗りたい子が立ちはだかる問題をひとつひとつクリアしていって最終的に文化祭で歌う話だ。いわゆる青春モノ?

TARI TARIが良かったのは、合唱部の面々を書くから合唱部が軸になるのかと思えば、部活外にまで物語が広まっていることで。変に統制されていない、まとめあげられていないんだけど、それが淡々としていて良かったんだ。合唱部さえも物語の一つの要素でしかない。進路での悩みがあって、合唱部での悩みがあって、親子間の確執があって。江ノ島で繰り広げられるゆっくりとした日常だが、いわゆる「日常物」のような抽出された日常ではない。

ようするにTARI TARIは「まあ人生って、普通に生きてれば悩んだり楽しかったり別れたり悲しかったり嬉しかったり晴れたりやんだり色々あるよね」っていういろんな、あたりまえの「たり」の、物語なのだが、そののんびりさが良い。だから物語上も、進路とか淡い恋とか友情とか確執とか全部ぶっこんで、それゆえに一つ一つの要素の描写は淡々とした印象すらある。

最後の合唱だって盛り上げようと思えばいくらでも盛り上げられたのに、あっさりしたもんだった(絵的、音楽的にはめちゃくちゃよかったし盛り上がったが)。でもそれがいいんだよ。だって合唱だけがメインの話じゃないんだから。ただ色々やっている分まとめ方は難しい。一つ一つの問題を深く掘り下げるわけにもいかないのでちょろい世界になってるし。

でもそんなふうに色々やっててなんかまとまりそうになくても最後にみんなで合唱するとものすごくうまくまとまったように見えるから歌って(合唱って)偉大だなと思いました。最後に合唱する物語は名作だ! 歌ってそもそもみんなでまとまるためのもんだからね。いがみあってた人間をまとめる為にもいいし、仲がよかった人達を歌わせるとさらに仲がよくなったようにみえて感動的だよね。

物語以外の部分について。歌⇒歌がうまくてびっくりした。背景⇒綺麗でびっくりした。僕は何度か江ノ島にいったことがあるのだが「たしかにこんなところだった」。綺麗でいいところだよね。猫がいっぱいいるし。人が多いし海はゴミが多いが。キャラクタ⇒驚くほどよかった。なんなんだこのよさは。基本的に悪人というやつがいない優しい世界である。最後に出てくる悪役みたいなのも、別にそんなに悪いやつにはなってない。

実質キャラクタ造詣としてみるとみんなとても普通の子たちなのだが。会話と演出でみんなちょっとズレていく、というかコミュニケーションがいつも「想像より一歩過剰」なんだよね。クズ、バーカ! というところが一回言えばいいところが何度も連呼されていたり、最後の仲良しにお互いの身体を寄せ合うところとかも何度もやるし。演出が全体的に変だ。ただその辺の違和感は僕には言語化できない。

正直いちばんわからないのが中心になって歌いたがっていた来夏っていう子だったのではないかと思う。とてつもなく変で、わりとあんまり考えなしで、怒って波風たたせたりするので主人公っぽくないし、他の面々のような難しい葛藤も抱えていない。ノリと反射神経だけで動いているように見えるのだが、行動がひとつひとつ和む。うちの犬を見ている気分になった。

しかしなんで今こんな物語なんだろうな。まあいいや。人生っていろいろあるよねって感じで、まとまってて面白かったです。