怒涛の伊坂ラッシュ。 あとちょっとで終わる。
あらすじ
引っ越した隣に住んでいた男に、突然一緒に本屋を襲わないか、と持ちかけられた主人公 いったいどうなってしまうのか。
感想 ネタバレ無
今回は、主要キャラにいつものぶっ飛んだキャラがいなかったなぁと思った。
ひょっとしたら伊坂作品になれてしまったせいかもしれない。 もちろんこれが伊坂初体験の人にはどいつもぶっ飛んでいるように感じられるだろうとは想像できる。
ただ、やっぱりまじめなやつが多いかな。 語り部はかつてないほどに普通の大学生だし、その友達もかつてないほど普通すぎて嫌なやつだ。
初対面で本屋を一緒に襲わないかも相当おかしいが、こいつもかなりまともだ。
伊坂幸太郎が作り出す愉快なキャラにひかれてこれを読んだ人はひょっとしたら楽しくなかったかもしれないな、と読み終わったときに思った。
ネタバレ有
河崎格好いいねぇ。 どう考えても琴美はレイプされるだろうと、この流れだとそうなるだろうと思っていた、途中に琴美が死んだような描写が出てきてから、レイプされて、殺されたんだと、かなり嫌な想像しか出来なくなった。
だが、まぁそこは情けというかなんというか、レイプだけは避けてくれたようだった。 平然とそういう事を書いてしまいそうだっただけに、助かったというべきか。
一番、一番好きなシーンは、二人の子供が、動物園からレッサーパンダを盗んだ話なんだがな・・・・。 このシーンだけで、この作品の事を好きになれる 単純なやつだな・・・・ この二人の話で一冊書いてくれればいいのに。
これについては自分でも説明できないから省こう。
世界中の女はおれの物だという使命感に燃えている男が、HIVに感染したぐらいで死を選ぶだろうか。 選ぶかもしれない、自分の一生の役割が無くなってしまったのかと考えると、その選択肢もありだろうか。そのあたりに違和感を感じないでもないな。 最初のドルジのように、治っていてもおかしくはないと思わせる存在ではあった。
主人公があまり自分から動くタイプじゃなかったのもあって、あんまり物語はうごかなかったかもしれん。過去と現実が同時進行する形式は、いい感じに機能していたと思う。