基本読書

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三国志 五の巻 八魁の星/北方謙三

感想 ネタバレ有

ついにラストで孔明への引ききたああああ。それにしてもこの徐庶諸葛亮孔明へのバトンタッチは素晴らしいなあ。徐庶の有用さを十分にアピールしたうえで、あえて曹操の方へ仕官させて、しかしその徐庶をして自分より才に恵まれた男という事でいやがおうにも孔明への期待感が高まる。


 「私より、はるかに才に恵まれた男で、臥龍と呼ばれています。つまり、まだ雲を得ていないということです。その雲に、おなりなされよ、劉備様」
 「して、その臥龍の名は?」
 「諸葛亮、字は孔明劉備様自ら、お訪ねになるとよいと思います。それほどの男であるのです」

初めて三国志を読んだ時は、なんで徐庶いっちゃうんだよおおおおと絶叫し、孔明がどれほどの男かとわくわくしながら読み進め、いざ孔明の実力を読んだ時はそれはもう嬉しくてうれしくて転げまわらんばかりだった。実際、今も大して変っていない。

よく考えたら北方三国志、漢気の物語である。劉備はその誇りで闘い呂布もその誇りで闘う。策で闘う孔明は、北方三国志には実はあまりあっていないのかもしれんなぁ。孔明も誇りに似たようなものは、もっているか。

北方三国志で、呂布がかっこいい関羽がかっこいい張飛がかっこいい劉備がかっこいいという話はよく聞くが、孔明がかっこいいという評価を聞いた事が無い気がする。あまりにも人の口に孔明の名前があがらんので、ひょっとして北方三国志には、孔明が出てこないのではないかと疑ってしまったぐらいだ。

まぁ遂に孔明が出てくるようでよかったよかった。これで今まで不遇だった劉備も、ついに反撃にうってでれるわけですね。

袁尚視点来るかと思ったら来なかった。このまま何事もなく駆逐されていくのだろうか。というか話全然おぼえてないなあ。記憶力の危機。

まだ物語が本格的に動き出した、っていう感じじゃないなぁ。曹操がした事といえば、劉備とちょっとやり合い孫家の兄弟げんかを見守り頭痛に苦しんでいただけだし、劉備劉備で同じ場所からずっと動いていないし、孫策もほとんど動いてない。って動きだけ言ったらこんな感じだが実際もっといろいろあったがな。

この曹操の頭痛設定、今後一体どうなっていくんだろうか。


 「徐庶殿か。私も、流浪を夢見ることが時々ある。羨ましい話だ」
 「なにもかも、放り出す。その決心さえできれば、難しいことではありません」
 「なにもかも、放り出せる。たったひとつのことを除けば」
 「なんです、そのひとつのこととは?」
 「志」


このシーン、三巻での呂布曹操のやりとりとそっくりだなぁあああ。呂布を思い出したよ・・・。やっぱりこの二人、そっくりである。志と誇りは違うであろうが、でも劉備志だけじゃなくて、誇りも持ってるんだよなぁ、その点が呂布と違うところか。