基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

全世界清涼院流水化計画

 清涼院流水がJDCシリーズで、金田一やシャーロック・ホームズのように飛び抜けた探偵がいなくなり探偵の数だけは増えたミステリィ業界へのパロディのように人類を総探偵化して、それでいて真面目にミステリィ業界を一度リセットさせた。言わば今のミステリィ業界は実はこんなんなんだぜ? とつきつけたに等しい。これをミステリィ業界に限らず、他の業界にも清涼院流水を登場させたらどうなるだろうか。たとえば今の萌えアニメなどは突然やってきた女の子と同棲するパターンが多すぎるなどと批判を浴びることがあるけれど、これを清涼院流水風にすると、突然やってきた女の子が十億人ぐらいいるとかそんなレベルの話だろうか。なんか違うような気がする。

 JDCシリーズでは最終的に、本来なら探偵─助手─一般人という階層になっていたところを、メタ探偵─名探偵─助手と一段ずつ階層をずらすことによって人類総探偵化という大それたことをやってのけた。つまりここで重要なのは、メタ探偵のように突然やってくる美少女という定型化したパターンに新たな階層を付け加えることではないか? 今までのところ突然やってくる美女パターンの世界の式は、突然やってくる美少女─やってこられる男─一般人だろう。これをこう変化させればいい。 突然やってくる美少女神→突然やってくる美少女→やってこられる男。とりあえずメタとくっつけてみるか。「メタ突然やってくる美少女」・・・。

 なんというか、探偵と突然やってくる美少女を同列に考えるのはやっぱり無理だなあ・・・。やっぱり名探偵を350人も用意して探偵の特別性をなくしたように、突然やってくる女の子が所属している組織を作る所から始めた方がいいのかもしれない。突然やってくる女の子が所属している組織からもてない男性のところに女の子が突然やってくる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?・・・・? デリヘル・・・?

 あくまで重要なのは「突然」とそれから性的欲望を満足させるためにやってくるんじゃあないという点だ。危ない危ない。何かを見失いかけていたぞ。うーん、つまりこういうことだろうか。男性のところに「突然」様々な謎を持った美少女を送りつける組織があればいいんだ! よくねえ! JDCは仮にも探偵社だから依頼があって初めて捜査に赴くし、それによってちゃんと金も稼いでいるんだから勝手に送りつけてるだけじゃ本当に何の意味もない。それでも金は取れるかもしれないけど物凄い勢いで詐欺だこれ! そして金がとれないんだったら何のために存在しているのだかさっぱりわからない。 所詮この世は男と女なのだから、男と女を強制的にペアにさせるということで国が強制カップリングを行うってのはどうだろう。しかも完全ランダムで! うん、インフレ化の例としては間違っていない気がする。人類が全部突然やってくる女の子と何らかの関係性を持つことになるんだから。一人あたりの突然やってくる女の子の価値も落ちる。幼年期の終わりで、みんなが好きな事が出来るようになった結果プロスポーツ選手がいなくなってしまった、なんて場面があったけどそれと似たようなもんだな。

 そしてこうやってどの業界にも清涼院流水の信奉者があらわれて、地球人類が清涼院流水チルドレンになってしまった時にきっとまた清涼院流水という壁をぶち破る存在が現れるんだ、なんてすばらしいんだこの世界は・・・・。