- 作者: 舞城王太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/03/15
- メディア: 文庫
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煙か土か食い物に出てきたウサギちゃんが出てきたという一事でもって大満足なのであるが、それ以外にもいい部分はたくさんある。トンネルとかね。千と千尋に限らずトンネルってのは象徴的な意味を持っているよね? たぶん。酒井さんの小説にもトンネルの象徴の話が出てきたし、トンネルの前と後では別世界的な? 墨をすったりする部分はバガボンドを彷彿とさせたが特に意味はないだろう、たぶん。象徴的な意味がたくさん盛り込まれているのと、主人公の性格およびそれに付随する淡々とした文章と相変わらずスカっとしたいいラストは最高。だがあえて一つ、あれ? と思った点をあげるならば人を食べるのがありか、なしかという最期の議論が平行線だから議論はええわ、といって逃げてしまうところだろうか。最終的にその結論にたどり着くのはいいとしても、ちょっと唐突すぎるちうか速すぎるのでまるで作者が逃げたように感じられてしまう。まあ他の文学作品だと遠まわしに議論しまくったあげくうやむやになってしまうところをストレートにビシバシっといいたいところだけ言いあわせてとっとと解散させてしまうところとか、とても舞城王太郎らしいといえばらしい。