- 作者: 松村劭
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/12
- メディア: 新書
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ということで過去の時代を振り返って戦争について語っている。内容は一文一文が簡潔でそのため読みづらいという面もあるのだけれども、情報量は多い。そして語っている人間がただの軍事評論家などではなく、経歴がすさまじい点も説得力を増している。少し書くと、陸上幕僚監部情報幕僚、作戦幕僚、防衛研究所研究員、陸上自衛隊西部方面総監部防衛庁などの肩書を持っていた。なんだかよくわからんが肩書だけでも圧倒されてしまう人なのである。
過去の重大な戦を転々と短い文章の中で振り返っているためか、どれもこれも非常に淡白で食い足りないものになっているのが不満点といえるかもしれない。かるーく歴代名戦争のように振り返るにはちょうど良い一冊であった。以下気になったところメモ
第一次世界大戦は、人類の愚行とされた。戦死約三百十三万、戦傷約八百四十二万、市民の死者約三百四十九万という損失である。
このあたりどの程度信憑性があるのかわからないけれど、それにしても凄まじい数である。人間が全部で六百万人以上死んだのである。途方もない数で、想像することもできない。そんなに減ったのにピンピンしてる人類って割と凄いなあとも思った。そりゃそうだよなあ何十億人も人間いるんだから六百万減っても痛くもかゆくもないわな…。
戦いの原則
を引用して終わりとする。これがまた戦いの原則という事だが、戦争だけではなく人生も戦いの連続であるわけで、生き方の原則ともいえる内容となっている。そんなこと簡単に言われたってできねーよ! という内容がほとんどだが。
第一、「目標の原則」
戦いにおいては、明確な目標を確立し、徹頭徹尾、追及せよ。第二、「主導の原則」
主導は機先を制することによって得られる。握った主導権は絶対に離すな。ものごとに惑わない不動心は主導の基礎である。攻撃は主導権を獲得する最良の方法である。第三、「機動の原則」
敵の作戦計画を破壊するように、機動せよ。機動の目的は、敵の精神の均衡を破壊することである。
もっとあるがとりあえずここまでで。あとは警戒の法則(警戒は大事だよマジで。)とか節約とか統一とかいろいろである。