基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

ワルキューレ 映画感想

あなたたちは恥辱に甘んじなかった。
命を犠牲にしてまで抵抗した。
自由と正義と名誉のために ──ドイツ抵抗運動記念館

はい、というわけでワルキューレです。実在に起こったヒトラーに対するクーデター事件をもとにしている。ドイツ本国では英雄として知られていて、トムクルーズが演じることにかなりの抵抗があったようだけど(宗教とかで?)立派に演じている。まあトムクルーズのイメージがつきすぎていたのは否めないけれど可もなく不可もなく。映画の前半部は実際にクーデターを起こすまでの準備、もしくは失敗などで後半部からようやく<<ワルキューレ作戦始動>>となる。実際に作戦が始まるまでの緊張感の高まり方などが非常にうまくて(全部実話だが、非常にドラマチックな展開である。)、ガンガン引き込まれる。やっぱ革命は燃えるよなあ、大富豪でも革命ばっかり狙っちゃうよ。全く関係ないのは置いといて。思い入れのある日本の明治維新と重ね合わせて楽しんでいた。やはりクーデターの見所といえば悲壮な決意だったり、強大な壁に挑む挑戦者というようなわくわく感だったり、失敗は許されないにも関わらずたくさん頻発しちゃ誤算だったり、意外と頑張っちゃう敵だったり、そしてなんと言っても味方の思想がそのまま明確なテーマになっているところだろうか。例えば今回でいえばドイツ人がヒトラーだけではないところを世界に知らせねばならん、だったり明治維新だったら日本を欧米諸国に負けないような強い国にすることっていうひと言で言い表せる核がある。この作品も、強烈な核に引っ張られて、よくまとまった作品になっていたと思う。ただ序盤から中盤にかけての凄い緊迫感を通り過ぎた後はなんだか消化試合のような呆気なさでなんとも物足りないものがある。ただ最後の物悲しい空気と、そしてセリフ、上記で引用した文句が表示されるところなどは思わず胸が熱くなる思いだった。