森博嗣による大半の本は楽しめるわたしですが、これはちょっと微妙でした。内容は、小説家の森博嗣が、読者の方から送られてきた数々の質問に対して細かく答えていくというもの。が、全体的に質問がくだらなすぎてなんだかげっそりしてしまいます。ググレ、と言いたくなるような質問と、少しでも考えればわかるだろ、という質問で8,9割が構成されていますので。
たとえば、「どうして、大人にならなくちゃいけないのですか?」という思春期やー!! と絶叫してしまいそうな問いや、「ウルトラの母はウルトラマン全員を産んだんでしょうか?」というお前はいったいどこを向いとるんじゃー!! と絶叫してしまいそうな問いがずらりと並んでいる訳です。ちなみにウルトラの話に対する森博嗣の返答は「蜂みたいですね」のひと言だけで、よくある人生相談などに真面目にじっくりと文字を尽くして答えてくれる形式では全然ありません。だいたい一行、たまに二行、ごくまれに三行、ぐらいの短い返答が主です。
そもそも、意味のある質問ってあまり存在しないような気がしますね。森博嗣さんにしか答えられない、という質問はあまりないわけですし(考えてみればすべての質問は森博嗣さんにしか答えられないわけですが)。良い質問、面白い質問をするのって、難しいのかも。まあ、面白くない質問でも短い返答でばっさばっさと大量の質問をさばいて行くのは、読んでいて非常に気持ちが良いのですけれどね。たとえば、戦隊物のショッカーが出てきて、それをヒーローがどかーん! と倒すのはわーつよーい! きもちいー! と思ってなかなか楽しいですが、三十分間ショッカーが出続けるのはしんどいですよな。そんな感じでした。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/09
- メディア: 新書
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