24日に出すとはまた粋なクリスマスプレゼントと言える。西尾維新で『傾物語』。修羅場中に書かれたらしく「100%修羅で書かれた小説です…。」というシールが貼ってあるけれど、「趣味100%で始まった時を思えば随分遠くまできてしまったなあ」と思わざるをえない。そしてぶっちゃけ内容に関して言えば修羅場で書かれた内容のことを意識しすぎるあまりか、めちゃくちゃグダっている。グダグダ。具多具多。そういう意味でいえば「もっと面白い物がお前には書けるはずだろ!?」と憤慨したくもなるけれど、しかしこれが面白いので怒りのやり場も特にない。なるほど、これが才能ってやつか。内容に関しては、秘密道具が多いドラえもんのようなお話だった。つまり具多具多。割とどうでもいいな。でもドラえもんは本当にかなり関係している。藤子ネタ多数。正直書くことが思いつかないですな。「運命」については戯言シリーズの時から考え方があまり変わっていないようだし、「Kanon問題」や最近のセカイ系? にありがちな?(よく知らない)「世界と一人の女の子を天秤にかざしたらどっちをとるか問題」についての阿良々木君の答えが読めたのは面白かったけど、なるほどという感じで終わってしまう。雑談の部分が相変わらず面白く、しかしその部分の面白さを伝えるのは非常に困難なのであった。今まで読んできた人は、普通に読めばいいじゃない。しかし今作『傾物語』で一番傾いたのは個々のキャラ付けだよなぁ、と読み終わった今では思う。メタ視点をいいことにアニメとか自分の状況をネタにしすぎである。
- 作者: 西尾維新,VOFAN
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/12/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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