基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

憑物語

100%終焉に向かう小説ですとシールで貼ってあるとてつもなく言い訳がましい西尾維新の最新長編憑物語が出た。いわずとしれた物語シリーズ、掛け合いを主とし怪異奇譚を主軸としたなんとも変てこな小説だが出るに出まくって本作でシリーズ13冊目……。一読者として正直な気持ちを言わせてもらえれば「いつ終わるんだ」「いや早く終われ」「どんどん飽きてきた」というのが正直なところだ。

とはいっても──シールに貼ってあった言い訳がましい文句もまあ今回の終焉に向かう三部作(本書のあとにあと2冊出る)では、さすがに本当だと受け取っていいだろう。今更紹介も何もないのであらすじをつらつらと書くこともしないが、そんな物語展開だった。完結編三作の最初の一冊として、ここまで長々と長くなってしまった今までの流れを包括して、方向づける、わりかしいいスタートだったのではないだろうか。

飽きてきたとはいいつつも発売日がきたらいそいそと買いに走ってしまうのだから、やはりそれだけの魅力は毎巻ある物語なのだ。掛け合いも、エロい阿良々木さんギャグも、突飛な展開も、やり尽くし、まんねり化して、なお買うに足る面白さがあるのだから、こうしてずるずると長引いてしまうのもしかたがないのかもしれない。

ただ終わりがない人生なんてものがないように、終わりがない物語というのもまたありえない。はたしてちゃんと終わることになるのか、はたまたちゃんと変なところで終わることになるのか。あと二作を楽しみに待ちます。

憑物語

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