基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

魔術世界×プログラマ×中東──『無限の書』

無限の書 (創元海外SF叢書)作者: G・ウィロー・ウィルソン,引地渉,鍛治靖子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/02/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る飛び抜けた海外SFが現れたものだ。世界幻想文学大賞を受賞した本書は、中東の専…

確かなことなんてひとつもない──『騎士団長殺し』

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2017/02/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (14件) を見る騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2017/02/24メディ…

正義の在り処を問う──『制裁』

制裁 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: アンデシュ・ルースルンド,ベリエ・ヘルストレム,ヘレンハルメ美穂出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/02/23メディア: 文庫この商品を含むブログを見る昨年(16年)大変な評判をよんだ『熊と踊れ』という犯罪小説の著…

SFマガジン2017年4月号、出てます

SFマガジン 2017年 04 月号出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/02/25メディア: 雑誌この商品を含むブログ (4件) を見るSFマガジン2017年4月号出てます〜。僕は普段の海外SFレビュー2ページに加えて、ピーター・ワッツの傑作エコープラクシアについて1p書…

トマ・ピケティ絶賛の"長篇小説"──『貧困の発明 経済学者の哀れな生活』

貧困の発明 経済学者の哀れな生活タンクレード ヴォワチュリエ,Tancrede Voituriez 早川書房 2017-02-23 AmazonKindle ピケティ絶賛と煽り文句のついている「貧困の発明」って本、おもしろそうな経済ノンフィクションだな〜〜と思ってよくみたら"長篇小説"で…

生命の再定義──『私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback?』

もちろん本書の核となるのは科学だが、科学のあらゆることが始まったとき、私はこうした豊かで活気にあふれ、いろいろなものが混ざり合った世界に住んでいた。家族からも、カルテックの比類ない神秘的な雰囲気から、カルテックの人々から、ロサンゼルスとそ…

才能との向き合い方──『りゅうおうのおしごと!』

りゅうおうのおしごと! (GA文庫)作者: 白鳥士郎出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2015/09/25メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るこの『りゅうおうのおしごと!』は農業高校の学生生活を描く『のうりん』シリーズなどで知られる白鳥士郎さ…

膨張し続ける地球、東京⇔大阪間5000キロ──『重力アルケミック』

SF

重力アルケミック (星海社FICTIONS)作者: 柞刈湯葉,焦茶出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/02/16メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る『横浜駅SF』で鮮烈なデビューを果たした柞刈湯葉さんの2作目である。 huyukiitoichi.hatenadi…

2016年のベストSF──『SFが読みたい! 2017年版』

SFが読みたい! 2017年版作者: S‐Fマガジン編集部出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/02/09メディア: ムックこの商品を含むブログ (6件) を見る2016年のベストSFランキング本であるSFが読みたい2017年版が出た。海外篇も日本篇の結果も傾向がみてとれてお…

若手作家見本市──『伊藤計劃トリビュート2』

SF

伊藤計劃トリビュート2 (ハヤカワ文庫JA)作者: 草野原々,ぼくのりりっくのぼうよみ,柴田勝家,黒石迩守,伏見完,小川哲出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/01/24メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『虐殺器官』、『ハーモニー』で名を轟かす伊藤計…

自然そのものの概念をもたらした男──『フンボルトの冒険―自然という<生命の網>の発明』

の発明" title="フンボルトの冒険―自然というの発明">フンボルトの冒険―自然というの発明作者: アンドレア・ウルフ,鍛原多惠子出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2017/01/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る本書は19世紀前半を代表する科学…

テクノロジー信仰への解毒剤──『テクノロジーは貧困を救わない』

テクノロジーは貧困を救わない作者: 外山健太郎,松本裕出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2016/11/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る外山健太郎さんという、日本人名の方が著者だったので最初日本語の本と思い読み始めたのだが、文章に…