基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

人間に子供が産まれなくなった未来を描き出す、森博嗣によるSFシリーズ、ついに完結!──Wシリーズ

人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly? (講談社タイガ)作者:森 博嗣発売日: 2018/10/24メディア: 文庫森博嗣による、人間による子供がほとんど生まれなくなり、人工知能などの電子知性が人間を遥かに上回る能力を発揮しはじめたばかりの状況を研究者…

絶滅は本当によくないことなのか?──『絶滅できない動物たち 自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ』

絶滅できない動物たち――自然と科学の間で繰り広げられる大いなるジレンマ作者: M・R・オコナー出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2018/09/27メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る人間の活動やそれに伴う気候変動によって物凄い数の生物が絶…

世界中の女に電撃を放つ力が宿ち、女が男を支配するようになった世界──『パワー』

SF

ある日を境に、女性に強力な電撃を放つ力が宿ち、それまで支配されてきた女たちが男たちを支配する社会が生まれた──! と、設定だけ聞くと無茶苦茶な小説がナオミ・オルダーマンによる本書『パワー』である。女性作家に与えられるベイリーズ賞を受賞し、エマ…

中国の知的財産権の善と悪──『ハードウェアハッカー ~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険』

ハードウェアハッカー ~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険作者: アンドリュー“バニー"ファン,山形浩生,高須正和出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2018/10/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見るハードウェアハッカーと…

遅老症を患い、四百歳を超えてなお生きる男の人生──『トム・ハザードの止まらない時間』

SF

トム・ハザードの止まらない時間 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)マット ヘイグ 早川書房 2018-10-18 AmazonKindle 『#生きていく理由 うつヌケの道を、見つけよう』や『今日から地球人』などSF・ノンフィクションなどの著作のあるマット・ヘイグの邦訳新刊は、…

職場に横行する性差別との戦い方──『フェミニスト・ファイト・クラブ 「職場の女性差別」サバイバルマニュアル』

フェミニスト・ファイト・クラブ 「職場の女性差別」サバイバルマニュアル作者: ジェシカ・ベネット,Jessica Bennett,岩田佳代子出版社/メーカー: 海と月社発売日: 2018/08/31メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る昨今職場(やその他…

ゆりかごから宇宙へ『もしも宇宙に行くのなら──人間の未来のための思考実験』

もしも宇宙に行くのなら――人間の未来のための思考実験作者: 〓島(ぬでしま)次郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2018/10/05メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る人間はもう宇宙に行っているが、本書が扱うのはそのもっと先の話。月…

幻のように揺らめき続ける、汚らしくも美しい街──『黄泥街』

黄泥街 (白水Uブックス)作者: 残雪,近藤直子出版社/メーカー: 白水社発売日: 2018/10/12メディア: 新書この商品を含むブログを見る中国の作家、残雪の第一長篇の復刊版である。最近、SFファン交流会というイベントの、文学を語ろうの回で、牧眞司さんが『…

チェコSFのたどった道筋を振り返る──『チェコSF短編小説集』

SF

チェコSF短編小説集 (平凡社ライブラリー お 26-1)作者: ヤロスラフ・オルシャ・jr.,平野清美出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2018/10/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る『チェコSF短編小説集』である。なぜ突然平凡社からSF、それもチェコ…

存在しないものを奪い返す──『兄弟の血』

兄弟の血―熊と踊れII 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: アンデシュルースルンド,ステファントゥンベリ,ヘレンハルメ美穂,鵜田良江出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/09/19メディア: 文庫この商品を含むブログを見る兄弟の血―熊と踊れII 下 (ハヤカワ・…

失われた技術を復元する──『ジャイロモノレール』

本書はジャイロモノレールについての概説書である。ジャイロモノレールとはレールが一本の鉄道の名称である「モノレール」にジャイロスコープを利用し、無支持で走行できる安定性を付与したものになるが、この技術は20世紀のはじめ頃(1900〜1910年)に開発さ…

何を、どのように書いてきたのか──『筒井康隆、自作を語る』

筒井康隆、自作を語る作者: 筒井康隆,日下三蔵出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/09/19メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る作家・筒井康隆がこれまで自作をどのような考えのもと書いてきたのかをデビュー作から順々に語ってい…