- 作者: 東出祐一郎,品川宏樹(GAINAX)
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: 文庫
- 購入: 8人 クリック: 62回
- この商品を含むブログ (47件) を見る
キング・オブ・中二病
『バトルロワイヤル』と奈須きのこと西尾維新の中二病要素をふんだんに盛り込み、B級映画的テイストの突っ込みどころ満載で、しかしスピード感だけはあるジェットコースター的な作品でまさにエンターテイメント! と喝采をあげるような作品かと。ガガガ──竹箒←ここで奈須きのこさんも絶賛しておりますように、『好きな人にはもうたまんねーぐらい面白い』作品であります。本書のあらすじを少し紹介すると、百年前から続いている人狩り大好きな残虐な金持ちたちが運営する『クラブ』があり、その標的となった日本の高校の1クラスにはめちゃんこ『ヤバイ』ヤツが潜んでいて…!? というような、わくわくさせられるような内容なんですな。奈須きのこと西尾維新といえば、ラノベ界の中二病ゾーンを代表する人気作家なのですが、その二人を合体させてようやく本作の中二力に比肩しうる・・・! それぐらいのぶっ飛んだ中二力でした。中二力というのを自分はスカウターを持っているわけではないので正確に判定はできないのですが、多分スカウターがあったら『ボンッ』ってなってたでしょうね。
物語の構造が非常に単純で、へっへっへ平和ボケしてる日本人のガキなんざ余裕で殺したるでーwwwwと近づいてくるアホなMOBキャラをイカれた主人公くんがぴゃぴゃーんと殺しまくりながらヒロインとキャッキャウフフするっていうただそれだけの流れなんですが単純だからこそ面白い、と言えるでしょう。滅茶苦茶悲惨な話にも関わらず、どことなく前向きなところがあるのも良い、と思います。そういえば作者はこれがオリジナル小説としては初ですが、これまでにpropellerというエロゲ製作会社でいくつかシナリオを担当しているんですね。『あやかしびと』という作品だけは、PS2で途中までプレイしたのですが、状況設定というか面白いと感じさせる状況を作り上げるのが非常にうまいと感じました。本作もこれをラノベの文章量で、一冊にまとめあげるのは無理だろーというような状況設定から始まるのですが見事にまとめあげています。