- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2003/12/01
- メディア: 単行本
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序章 経済合理的に考えるヒント(覚醒剤を合法化しよう
福祉社会は差別社会である ほか)第1章 クレジットカードが世の中のカラクリを教えてくれた(タイムマシンに乗って未来からお金がやってくる
常識として知っておきたいクレジットカード ほか)第2章 借金から経済の秘密が見えてくる(経済合理性では行動しない人々
金を借りることはプライバシーを捨てることである ほか)第3章 素晴らしきリゾート生活(タダでリゾートマンションを買う方法
不動産とプライバシー ほか) ──目次、Amazonから
覚醒剤を合法化しよう
最初から覚せい剤を合法化しよう、といういわゆる『リバタリアン』的思考の導入から始まって期待したのですがこれから後は普通に退屈でした。この導入はインパクト強くていいんですけれど。何故覚醒剤を合法化しようなどというのか、その理由は端的に説明すると、警察の覚醒剤の取り締まりが、麻薬中毒者に悲惨な現状を引き起こしているというものです。今や日本の警察署は麻薬中毒者であふれており、金がなくなって麻薬が手に入らない中毒者は自分から自首し、警察もそれを見過ごすことはできないので逮捕するという無意味な悪循環が起きています。あともう一つ深刻なのは、麻薬が違法なので異常な高値で取引されていることです。そのせいで無知な若者は不意に手を出してしまった麻薬を、やめることができなくなりしかしお金がなくて新しい麻薬を買う事も出来ないという悪循環に陥って犯罪を犯す。
だったら最初から麻薬を煙草などと同じように売ってしまえ、というんですな。そうすれば税収も増えますし、そのお金を使って中毒者の治療施設を作ってもいい。金がない人間もこれで麻薬が買えなくて犯罪を犯さなければならない、もしくは警察にいって刑務所をパンクさせなくてすむ、といいことずくめのような気がします。しかしそう言うことを人に言うと(実際に言ってみた)麻薬を合法化なんかしたら町中ゾンビみたいな錯乱した人間だらけになるとか、誰も仕事をしなくなるとかいって取り合おうともしません。そりゃあ中毒性が極端に高くて、一度吸っただけで何が何だか分からなくなるようなドラッグならそうでしょうが、それはさすがに取り締まりますよ。合法化されるのは煙草よりも害が無いソフトドラッグだけです。というと今度はソフトだなんだといっても麻薬は麻薬なんだから大変なことになる、と反論されたのですが、正直自分も麻薬を吸った事なんてありませんしどんな麻薬があるのかに詳しくないのでそのあたりはよくわからんのです。
ただ、町中が中毒者だらけになるとかいう極端な意見には容易に反論できるでしょう。合法化されたからといって全員が麻薬を使うはずがありませんし、責任能力が失われるなどといったら酒だって責任能力は失われまくりですよ。中毒性がといいますが、煙草がよくて麻薬がダメな理由がよくわかりません。街がシャブ中で溢れかえらないのは、街に酔っぱらいや歩き煙草が蔓延しないのと同じでしょう。
体罰教師か、はたまた説得教師か
もう一つ面白かったのが、煙草を吸った学生に対して体罰をする教師と優しく諭す「もう二度と吸わないよね?」などといって約束させる教師、どちらが理想か? という話です。我々は普段生徒と同じように歩み、生徒と深く話し合っていく先生を理想と捉えますがこれは大きな間違いであると橘玲先生は言います。「もう煙草吸わないよね?」というセリフは、暗に『煙草を吸うようなヤツはクズだ』といっているようなもので、相手の人間性を否定する行為なのです。学生は煙草を吸いますよ。大人になんと言われようが。そいつらが全員クズだったら世の中クズだらけです。反対に体罰教師は煙草を吸った生徒を殴りとばしますが、生徒の内面は自由です。『煙草をすっている俺は先生に殴られたが、それでも俺は俺で正しい』これが本来あるべき姿、というか価値観の対立という避けようのない事態を回避する唯一の方法ではないかと思います。
ここまでが序章、32ページまでの内容であとは退屈でした。そもそもお金持ちは本当にみんなこんなポイントがーとかいってんのかあ? と思っていたのですが、ニコニコ動画で『ひろゆき×ホリエモン』対談を聞いていたら二人とも、ポイント結構気にしてるんですよね。意外と真実かもしれません。せこいなんてバカにしてたらダメですね。