「こんなに役立つ数学入門」と「コミュニティを問いなおす」という本を読んだら、どちらも「はじめに」が一番面白かった。もちろん、「はじめに」以外も面白いのだけど、やっぱり一番面白いのは「はじめに」だ。軽く思い返してみても、過去に読んだ本はほとんどこれが当てはまるなあ。いや、そんなに書名まで思い浮かぶわけじゃないですけど、あくまで実感としてね。
何故「はじめに」が一番面白いのか。たとえば「こんなに役立つ数学入門」の「はじめに」では、まず著者が数学が出来なかった、必要と感じていなかった時代のことが語られ、次第に数学の必要性に気が付いていく場面が書かれている。ここで語られているのは「僕らは何故数学を勉強しなくてはならないのか」という根源的な問いだ。「僕らは何故生きなければならないのか」に通じるようなところもある。また入門書ではないが「コミュニティを問いなおす」の「はじめに」もなかなかよい。ここでの問いは「人間にとってコミュニティとは何か」である。エキサイティィン!
「そもそも僕らが考えようとしている●●とは何なのか」
この問いこそが、全ての答えの元にある根源的な問いであって、なんでかよくわからないのだけどこの問いが一番面白いのである。なんでだろ、なんでだろ。根源的なということはそれつまり物事の「本質」であって、人は「本質」に触れることが好きなのかもしれない。数学入門だったら、そもそも「数学ってのはなんなんだよ」とかが根源的な問いだろう。コミュニティだっておなじで、「コミュニティって何なんだよ」が根源的な問いだ。医療関係の入門書だったら「死ってなんなんだよ」とかだろうか。たぶん、答えはでないけど、でもなんだろ、人は答えのでないものに惹かれるよねっていう話でね。そういうもんなんだね、たぶん。