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個人的には今一番面白いファンタジー漫画──「マギ」1巻、2巻が発売!!

マギ 1 (少年サンデーコミックス)

マギ 1 (少年サンデーコミックス)

マギ 2 (少年サンデーコミックス)

マギ 2 (少年サンデーコミックス)

 サンデーで連載中の「マギ」1巻2巻が発売になりました。作者はすももももとかを書いていた大高忍で、かわいらしい絵柄を生かしたままのファンタジーものとなっております。それはさておき、「マギ」がどのような物語かといえば、それは一言でいえば「アラビアンナイト」です。といっても単純に「アラビアンナイト」の筋をなぞるわけではなく、あくまでも「アラビアンナイト風の冒険譚」でしかありませんが。もうちょっと詳しく説明するとこの世界はファンタジーでありましてからに、魔法的な力が出てきます。「ルフ」というのがそれで、本書でいえば主人公である「アラジン」は「ルフを操る魔法使い」的な存在になります。アラジンは、主人公にはよくある過去が謎系のキャラで、自分のルーツを知るために旅をしています。その旅における重要な要素の一つが、「ジンの金属器」と呼ばれる、いわゆるマジックアイテムです。アラジンはこの「ジンの金属器」を集める事を当面の目標にしているわけですが、当然ただで手に入るわけもなく、「ダンジョン」と呼ばれる難攻不落の迷宮へ挑まなければなりません。

 物語のテーマはなんだろうか、と考えてみるに、やはり「金や名誉なんかより、友達が大事なんだぜ」という非常に少年誌的なテーマがあるように思えます。「友達」といえどもそこは「他者」なわけですが、「他者」が何かという哲学的な議論をする必要はあまりなくて、まあただ単に「自分じゃない人だよね」っていうだけの認識でいい。「自分じゃない人の考えていることなんてわからないよね、だって自分でも違うもんね」という諦めも、当然「他者」を書く以上避けては通れない。しかしこの物語では、「他者」といえども、「ルフ(本書で魔法の大本の力、すべての源とされています。本書では、すべての人はルフでつながっているとされています。)」という根源ではつながっているのだ、という世界観でもって主人公であるマギは人々をつなげる役割を果たしていきます。おそらく、これからもそうしていくでしょう。ただこの物語が単一主人公だけではなく、いくつかの視点(今のところでいえばアラジンとアリババの複数視点? モルジアナも?)で進行していくことになるかと思いますが、その結果としては「複数の視点からくる世界の認識の違い」とかいう面白いテーマになりそうです。いや、なんかいろいろ書きましたけれども、絵がね、えーんですよ。とくに背景とかね。もう最高だし、表紙も素晴らしいし、光の使い方とかがグッド!! ってね。ほんと、おもしろいですよ。面白くなかったらこんなこと書かないもの。