文章は何のために書くのか?
この答えは様々にあるかと思いますが、本書で設定している答えは、これです。
文章は、人を動かすために書く!
文章力とは、この世を生きる力であるで超話題になっていたので読んだ。内容自体はリンク先がとても良いまとめになっているのでそちらを読んでもらえれば。しかし「文章術」という本は、本当に星の数ほど出ていますね。なんか今月のちくま新書(だったかな?)の新刊にも文章術の本がありましたし、毎月どこかしらから文章術の本が出てるんじゃねえかってレベルですよ。
なんでこんなに文章術の本が必要とされているんでしょうかね。たぶん文章をどうにかしたい! と考えている人は世の中に多くいるんでしょう。そうでなかったらこんなに文章術の本は出ない……はず。たぶん。それにしても幾つか読むとわかるんですけど、対して違うこと言ってないんですよね、文章術の本って。
この本も「誰も教えてくれない」って言ってますけど別にそんなことないですからね。星の数ほど文章術の本が出回っているような現状で、「誰も教えてくれない」文章術なんてほとんどないと思います。そしてなんでこんなに出まくるのかと言えば、「特効薬を求めているからではないか」という気がする。
要するに「読んだだけで超文章がうまくなる本」をみんな求めていて、実際読むと「抜き書きしましょう」とか「声に出して読みましょう」とか言ってくるわけです。「めんどくせー!そんなことやってられっかボケ!」と思って、次の文章術の本を探すのです。いやまあ知らないですけど。僕の勘ですけど(予防線)。
で、この本は結構「読んだだけで効く特効薬」みたいなところがあるなと。読んでいて思いました。まあ本当に一瞬で僕の書く文章が筒井康隆みたいになるなんて事はあり得ないんで、特効薬といっても対したものじゃあないのかもしれませんが。
なぜ読んだだけで効くのかといえば、この本の効用が文章力の向上じゃなくて「認識を変える」ところにあるからなんですよね。基本的に「力」っていうのは、たゆまぬ努力の上に生まれるわけです。一日腹筋したからといってお腹は割れませんし。たぶんそれは文章力も同じなわけで。毎日研鑽の日々を重ねることによって、文章も研ぎ澄まされていく。
ただその文章を読み進めさせる為の根っこに何が必要かって言うと、「内容の面白さ」なんですよね。今日のファミレスのトイレの汚さを流麗な文章で書き綴っても仕方ないわけです。
本書に書かれているのは基本的に「どうやったら内容が面白くなるか」「どういう視点で世の中を見ればいいのか」です。そういうのって「あ、そうなのか」って気が付けばすぐ変わってくるものだと思うし、だからこそ「特効薬」と思ったのかなーなんて。
地味に最初の方で「「誰も教えてくれない」って言ってますけど別にそんなことないですからね。」とかDisっているけどんーどうかな、たしかに誰も教えてくれてなかったのかもしれない。まあでも著者の斎藤孝先生が教えてくれているのでやっぱり嘘ですね。「斎藤孝しか教えてくれない」に変えるべきです。
- 作者: 齋藤孝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/12/17
- メディア: 新書
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