オマル・ハイヤームという方が書いた詩集。
詩集を読むのはこれが初めて。今までは詩集といったものを積極的に敬遠してきた。短い文章って、読んでもなんにも記憶に残らないと思っていたからだ。ふーん、で終わってしまう事が多い。というか、そもそも、読んでも何の意味もわからない、という先入観があった。
というのも詩集なんてものを読まないで得た詩に対する印象というのは、どこか宣伝や教科書で目にするようなひどく分断された一編でしかないからで、恐らくそこから詩にハマっていく人もいるのだろうけれど僕には無理であった。
前置きが長いが突然詩集を読みだしたのは「今なら詩を面白いと思えるかもしれない」という単なる思いつきである。「詩は恐らく意味を求める以上に言葉のリズムとかいったものを愉しむ為の物なのではないか」と今更ながらに気が付いたことも理由としてはある。
で、読んでみたわけだが、良いものは良いけれど、やっぱりよくわからない。この『ルバイヤート』という詩は四行詩というらしく全ての詩が四行で構成されている。例えばこんな風に。
わが宗旨はうんと酒のんでたのしむこと、
わが信条は正信と邪教の争いをはなれること。
久遠の花嫁に欲しい形見は何かときいたら、
答えて言ったよ──君が心のよろこびをと。
ちなみにこれは結構お気に入りである。この詩もそうだが全体的に酒を礼讃する詩が多い。この世に生きることなんてほんの一瞬の出来事で、ま、無駄だけど、運命は全部受け容れて、酒でも飲んで楽しく生きようぜ、というノリが全編を通していて、むしろ通し過ぎていて、こいつはただのアル中なんじゃねーの? と思わずにはいられない。というかアル中なのは確かだろう。
酒を飲んで特にやることもないから詩でも適当に書き散らしていたんじゃなかろうか。まあ実際にどうかっていうのは心の底からどうでもよくて、仮にそうだったとしたらそういうのは嫌いじゃない。そうでなかったとしてもどうでもいい。後ろ向きなのか前向きなのかわからない点がグッドだった。
解説を読んでいないからわからないが、彼がこれを書いた時代にはこういった思想はかなり驚くべきものだったのではなかろうか。何年前の人かもよく知らないけど。
自分にとって何が「良い詩」で「悪い詩」なのかといったことが、まだ全く把握できていない。とりあえずこの『ルバイヤート』に関して言えば「さっぱりわからん」というのが正直な感想だった。詩というのは曲を聞くようにして繰り返し読む物なのだろうとも思う。僕はまだ詩について知らなすぎる。
- 作者: オマル・ハイヤーム,小川亮作
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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