基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない

つい最近終了したばかりのアニメ。全11話。

よくまとまった良いアニメでした。のめり込んでみたなぁ。お話的にはちょいファンタジーな感じ。仲の良かった小学生6人組だったのが、一人は死んでしまいその後残された5人組はバラバラに……、5人が高校生になった時、死んでしまった一人が幽霊っぽいものになってみんなの中心人物だった「じんたん」のところによみがえってくる。

しかしじんたんはもはや過去の栄光むなしく学校にもいけないコミュ障引きこもりクソ野郎に…(ただしイケメン)過去には仲のよかった面々は今でも致命的な亀裂が入ったままだが、蘇ってきた幽霊の「めんま」の願いをかなえて成仏させる為にまたみんなが一つになっていく。

各々のあだ名が結構へんなんですよね。「めんま」とか。主人公は「じんたん」他にも「あなる」「ぽっぽ」と凄い変な感じ。「子供って変なあだ名つけるよね」っていうところだと思いますが、僕の子供時代に変なあだ名つけられている人ってひとりもいなかったから、僕には不思議な感じがします。

ほんとに子供って友だちに変なあだ名つけるのかなあ? まあこれだけ「子供は友達に変な名前つける」的な常識が広まっているのでみんなはつけているのでしょう。で、話をこのアニメに戻すと、過去では面白いあだ名で呼びあっていた面々ですが、再会した時はさすがに呼びあえないんですよね。でも親密度が上がるにつれ、次第に過去のあだ名で呼びあえるようになってくる。

このあたりの感覚はかなり実感できる。このアニメを見ていて思ったのは、やっぱり「子供時代から思春期を超えてからの変化」なんですよね、アニメの中で彼らは子供時代をしっかりと捉え直し、ばらばらになったピースをまたひとまとめにしてはめなおしていきます。その際に、やはりこの「違い」が重要なネックになる。

成長して、高校生とか大学生ぐらいになって、小学校時代の友だちと会うとやっぱり昔のあだ名で呼ぶのって躊躇しちゃったりする。昔みたいに失敗するとわかっている無謀な事をやることもできない。

これって、一人一人が「変わってしまった」からではなくて、「余計な物を抱え込んでしまうから」なんだなと思います。「大学生にもなって友だちをちゃんづけで呼ぶのはおかしい」とか、「できるはずもないことに挑戦するのは恥ずかしいし無駄だ」とか。しかも恋愛感情まで出てくる。

子供時代の面々と「今の自分たち」で会うのは簡単ですが、子供時代のような親交を、と考えるとその過程はなかなか厳しいものになる。アニメではそのあたりの事がよく描かれていた勝手に思いました。

そういえば今書いたような「子供時代と成長した今」みたいなのも面白いんですが、このアニメで良かったのってそれ以上に絵が良いってのと泣けるっていう点なんですよね。絶対泣ける王道っていくつかあると思うんだけど、その中でもやっぱり極めつけは「死」に関連したものですよね。

死はその不可逆性によっていきている人間を縛りつけますが、まさにこのアニメじゃ人間関係が「めんまの死」によってがんじがらめになっている。渦巻く利害関係、憎悪、悔悟。死んだ人間が幽霊として生き返ってきて許されるなんて都合のよい幻想ですが、だからこそ「成仏」っていう形をとるんでしょうね、都合がよくなりすぎないように。

絵は……良かったけど何が良かったのか説明できない……。「ここが良かった」と具体的に指し示すことが出来ないぐらい、全体的なクォリティが高かったということで……(笑)エンディングとOPとか大好きで、欠かさず見てしまいました。特にエンディングの入りは毎回神がかっていてほとんど毎回泣いてた……(;x;

最初は「なんかドロドロした感じのアニメっぽいし絶賛されてるけど自分は見たくないなあ……」とか思ってたけど見て良かった。同じように噂は聞いてるけどちょっと…と敬遠している人がいたらお勧めしたい。良い夏アニメ。